第2回 エルフはみんな時間感覚が人間と異なるのかな?
【エルフってどうして判に押したように、長寿だから物事に対してのんびり構えるって描かれるの?】
エルフがそれなりに時間が経ってから物事が起きるというような言い方をした場合、人間の感覚からするとすぐにその物事が起きる、若しくはエルフにとって100年はあっという間である様な描かれ方が多いです。本当にそう云うエルフ(長寿な)ばかりなのでしょうか。
大体のエルフは食事をします。狩猟採取であれ農耕であれ、動植物を手に入れる必要があるわけですが、たいていの動植物は季節の巡りに合わせて成長なり行動しています。
水稲を食べようと思えば、季節に四季がある場合、春に苗や田んぼの準備をする等、季節のサイクルに合わせて行動できないと収穫が得られません。採取にしても秋のんきにしていれば冬に飢えるでしょう。
狩猟だって味を気にするならばシーズンがあります。例えば猪。秋は脂がのっていて、冬は身が細って味が落ちるでしょう。繁殖期のオスは臭いがきつくて食べるのに向かないそうですね。
つまるところ、たとえ長寿であろうと人間と同じ食事をするようなエルフであれば、人間と同じ時間のスケールを理解できないと可笑しいのでは、ということです。
また、もの作りや商業活動もあります。例えば毎年エルフの王の城で舞踏会があり、宝飾品や服の納期が毎年あるなら、納品するのは10年後でも良いなどとは言いださないはずです。
(まあ逆にエルフに頼まれて、三代にわたって練磨した品物をおさめに行くというのは、エルフの気の長さを表現するシナリオにできるかもしれませんが)
とは言え、英語が話せるのに英語で話しかけられてもフランス語でしか答えない人もいるというフランス人のような、人間の時間のスケールは分かっていても、きちんと答えようとはしない高慢ちきエルフであるとか、そもそも食事をしないとか、エルフの森ではいつでも好きな時に食料が手に入るのだとか、前提条件がちがうことがあるかもしれませんね。