罪とパチ
なあ、おかはん。
おれ思たんやけどな。
賽銭箱て、パチンコ台によう似とるな!
言うた
そしたらまあ、おかはん怒って
この罰当たりー、言うて
おれ2、3回しばかれた
罰もボーナスもわしは当たらんけどな。ぬわははは、なんちてな。まあ、そいで。
ようしらんけどさ、おかはん
近所の神社
7カ所賽銭入れあるんやけど
おかはん
7カ所全部入れて
カニ歩きみたいにしてよ
おもろいやろ
回らんのやな
いや、おかはんは回るんやけどよ
釘がよ、
まあええわ
拝んで
台移動して
レバーオンの如く鈴ならして
祈って
おかはん、何そんなねがっとるん聞いたら
あんたの幸せて
おかはん、それやけどな
わしはよ、おかはん
おかはん、わしはな
それよ、おかはん
昨年の私のパチンコ・パチスロの打ち納めは3日前の木曜日であった。夕方勤務を定時上がり、終えてから、一目散に向かった先、街一番のパチンコ屋。時間帯のせいか客入りは少なく、私の好きなスロット、モンハンに関しては5台あるうち左端以外の4台が空いていた。私は右から2番目の台におそるおそる着席した後ビギナーの振りして周りをきょろりきょろりんどうしたらいいのかしらんといった様子で見回した。どうやらここに金入れたらメダル出てくるんやな。そしてそれをここに入れればいいんやな、と、しかしながらここで一手間、わざと間違えて左隣のサンドに1万突っ込んであわわ隣の下皿にコインがー、ビギナーなんがばれてしまう、という戦術、左に台移動して、どうみてもこれ素人やろ、と、安心して私は打ち始めた結果、2万負けました台パン出禁。最近はちょっと台殴っただけで、出入り禁止なんよ、お母さん。
お母さん、私はそんな5円玉7つで、人の幸せが掴めるわけないと思う。もし仮に不幸になったとしたら、お母さんは賽銭箱を蹴るのだろうか。蹴らないだろう。来年も賽銭を入れるだろう。入れ続ける。betし続ける。35円の損をして、毎年毎年35円の損をして、毎年毎年、神様神様、35円の損をして、損ではない。投資でもない。賭けでもない。損ではない。神なのだ。得でもない。神なのだ。勝ちでもない。神なのだ。負けでもない。神なのだ。神なのだ。神だ。神なのだ。神も円安は気になるかな。2万突っ込んでも勝てなかった。経験上、10万突っ込んでも無理であった。それであって、幸せが、7を引くより簡単に、少額投資で、それ欲張りすぎ、私の母だけでなく、初詣するものども皆さん、年に一度の勝負なのか、5円玉。小さく負けとくから、今年も一年堪忍してください、と、いや、そういうわけではないのだろうけど、とりあえず打ち始め行ってきた三日前と別の店。おかはんの35円の1000倍の35000、やられました。しかしそこで私はね、踏みとどまった。35円が頭よぎって、ね。
それから私は手を合わせて、頭を下げて、おかはんの、健康と幸せをパチスロ台に祈ってきた。