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戦後初の開戦 前編

まず最初に遅れてすみません。


見苦しい言い訳をすれば予定が立て込んでいたのと、端末が動かなくなりました。

そのためにここまで遅くなってしまいました。


あと、これを機会に筆記端末をpcにしたのですが打つのが大変遅く6000文字程度の投稿となってしまいました。

暫くは6000文字程度の投稿が続きますが、これからもよろしくお願いいたします。

日本時間 10時30分 航空自衛隊 第一波攻撃隊



「指揮管制機 アマテラスより攻撃隊各機につぐ」


 太陽が照らす、元々大西洋があった青い海をそれと同じように青い迷彩に身をつつんだ機体が飛んでいた。

 それも1機や2機ではない。F-2が4機で1編隊となっている攻撃隊が4編隊、計16機である。

 それが海面すれすれを隊列を維持しつつ、刻々とシェン教国の艦隊へ近づいていた。


「本隊の任務は日本の領土・領海を不当にも武力を用い占拠するシェン教国艦隊並びに地上部隊の撃滅にある。

 第一目標は、海上自衛隊本隊に先駆け本隊の脅威になりうる空母の撃沈である」


 この攻撃隊の全機は、翼下並びに胴体下に計4発の93式空対艦誘導弾別称ASM-2を抱えていた。

 そしてこの攻撃隊が目指すのは指揮管制機のオペレーターが言った、シェン教国の空母。

 基地でパイロット達に見せられた航空写真ではそれは空母らしからぬ空母であり、航空機らしき物が飛び立っていく写真がなければ輸送艦といっても納得しただろう。

 それとパイロット達が言ったのは、ほとんど木造の空母もどきと戦列艦にそれなりに高価な93式空対艦誘導弾奮発しすぎではないかと言う意見が出たが、圧倒的な戦力差を見つける目的と少しでも万が一の確立を0(ファンタジー物。つまり、架空の世界にしかないとされた魔法のようなものが確認されたため、地球の戦列艦と違い何らかの対空手段があることが危惧された)にしたいという目的があると説明され一応パイロット達も納得し今回の任務に望んでいる。


  それと今回の作戦には、F-15Jも参加しており敵空母から飛び立ったのを確認している竜を発見次第撃墜している。それに対してF-15Jの被害は報告されていない。

 指揮管制機によりると竜の何機かはF-15Jとの格闘戦になったものの速度と機動性が違いすぎたため、一瞬でかたがついていた。


「ウミドリ1よりアマテラスへ。

 敵艦隊を捕捉。ミサイルの射程距離に入った、攻撃許可を求める」

「アマテラスより攻撃隊各機へ。指揮所より攻撃許可がでた。

 空母を一隻たりとも残すな」

「了解。

 全機ターゲットをロックしろ」


 F-2のレーダーディスプレイに多数の艦影が映った。


「第一目標はあの輸送艦のような空母だ、取り逃がして海自の連中に笑われる事がないようにな」


 僚機のF-2の下から次々と93式対艦誘導弾が発射され、撃ち終った機から離脱していく。

 幸いにも敵艦隊から艦対空誘導弾やそれに類する物は上がらず、F-2に被害はない。

 だが一部のウミドリ1を始めとした機はぎりぎりまで93式対艦誘導弾を切り離さず、一面が埋まる程にいる戦列艦の中にいる空母がくっきりと映る距離まで近づき照準をあわせ93式対艦誘導弾を切り離した。

 そのまま全機が離脱するのにさほどの時間は、かからなかった。

 ウミドリ1はすぐに隊内無線を開いた


「全機いるな」

「ウミドリ2います」

「ウミドリ3同じく」

「カチカチ」


 一番若い四番機からは、スイッチを二回押すだけの返事だったがこの隊に撃墜された機はいないらしい。

 ウミドリ1のパイロットは損害がないと安堵の溜息を吐き、視線を敵艦隊へ移した。

 見れば迫る93式対艦誘導弾をみても、迎撃するどころか回避行動さえとっていない。


「アマテラスより。

 敵艦隊が防空網を展開した様子はない。また空母から航空機が発艦しようとしているが、弾着まで15秒を切っている。

 再攻撃は弾着後目標が健在だった場合のみ許可、現状待機以上」


 やがて敵艦隊に到達した93式対艦誘導弾が艦に食い込み、爆炎を上げた。

 多くの空母は直撃を受け、なにもできぬまま爆発四散し何とか浮かんでいるものもあるが船体が傾いており近いうちに沈むだろう。

 他にも大型の戦列艦も命中したらしく、その体を海に沈めていた。


「アマテラスより各機。

 目的は達した、全機撤退」


 攻撃が成功した、攻撃隊は那覇基地へ機首をむけ帰路へついた。




 攻撃隊の戦果。


 空母14隻のうち、10隻轟沈4隻大破のち沈没

 大型戦列艦 12隻轟沈または沈没

 戦列艦 25隻轟沈または沈没(大半は火が燃え移り焼沈)

















 教国艦隊 飛竜母艦「フェロン1」


「日本海軍、いや日本水軍恐れるに足らず。

 飛竜の前には赤子も同然だった」


 この竜母の飛竜乗りの一人が、尻尾を巻いて逃げた日本海軍の事を他の飛竜乗り達に話していた。(海上保安庁の巡視船の事)

 だが実際に日本海軍の船員達は遠目であったためよくは見えなかったが、飛竜を見て慌てふためいていた。

 それに攻撃した飛竜に対して反撃をしなかった、それから察するに飛竜を相手に戦ったことのない蛮族であり飛竜を保有しない国である可能性が高いだろう。

 そのような国がよく我が国と、事を構えようとしたのか気心がしれない。

 飛竜に対する対抗手段がない国の末路は悲惨である。

 地べたを走る兵士や民間人動くものを民家や城その国のありとあらえるものを降伏するまで焼き尽くし、降伏しても多額の賠償金がかせられ国としてもまともな待遇は受けられない。


「日本の民も気の毒だな」

「隊長は野蛮人達の心配ですか?」

「ああ、そうだな。

 兵士が死ぬのは戦場に身を置いている以上しかたあるまい。

 だが、民間人を攻撃するのは間違っている。一に武人としてと言うのもあるが、国のためにならん」


 わけがないと部下の何人かが首をかしげた。


「人の憎悪はなかなか消えないもの。

 教国が力を持っている間はいいが、万が一戦で大敗するような事となれば心の内にある復讐心に火がつき外に向いていた穂先は一斉に弱体化した教国に向くぞ」

「そんな馬鹿な」

「馬鹿な話ではないさ。

 いまの教国は私腹を満足すために他者を踏みにじりすぎた。

 言うなら、雑に積み上げた石の上に城があるような状態。

 何処かが崩れればすべてが崩れ去る、この国は民あっての国ということを忘れてしまった」


 昔の教国を思い出そうと、意識の何割かを過去に向けた。

 その行動や言葉から、一人が言葉を発した


「隊長がこの隊に来る前の隊はもしや」

「それ以上はお互いのためにならさんぞ」


 剣幕に押され部下が、それ以上は口に出さず押し黙った。


「この話はやめにしよう。

 ところで索敵騎(人が乗る飛竜などの総称が騎竜・索敵に使われる騎竜の名称が索敵騎)と直援騎は何騎あがってる?」

「索敵騎10騎に、直援騎はなしです」

「かりにも敵地だぞ」

「艦隊司令が日本軍には航空兵力なし、よって直援騎の必要なしと」

「くそ。ないと決まったわけではないだろ。

 かりにも敵地の真っただ中で……、万が一日本軍に航空兵力があってその索敵漏れやそれに索敵騎が落とされていたら最悪この竜母もろとも大量の飛竜が失われるぞ

 索敵騎から連絡は?」


 副官がすぐに、担当の兵士に確認に向かった。


「索敵3、4、5、の3騎から定時連絡がありません」

「遅かったか……。

 急いで直援騎をあげろ。

 艦隊司令の指示をとっている暇はない、今すぐあげろ」


 その指示はすぐに伝えられ、発艦作業が開始された。

 だが、作業が半分も終わっていない時だった。

 東の空で何かが光った。

 それは、白い尾を引きながらこちらに近づいてきていた。


「敵襲!

 順番はどうでもいい、発艦できる飛竜から発艦しろ」


 言うが早いか自らも、飛竜に飛び乗った。

 そして僅かな滑走を得て飛竜が艦から浮かび上がった。


「いそげっ」


 味方に聞こえるように大声で叫んだ。

 はずだった。かれの叫びは同時に起こった爆音にかき消された。


 見ればこの僅かな時間で艦隊に近づいた敵が、竜母に体当たりをしたところだった。

 敵は大量の爆発物を積んでいたのか、竜母は一瞬で紅蓮の炎に包まれた。

 今の竜母は対空用のバリスタや魔術を放つ暇さえ与えられなかっただろう。何があったかさえわからなかったはずだ。

 いや、たとえわかったとしても何もできなかったのではないか……

 飛竜は教国や周辺諸国のどの生物より速かった。だが、今のは飛竜より速い。

 対空用の魔術やバリスタを打ち上げようとしているが、あれほどに速い飛行体に当たるとは到底思えなかった。


 だが、それだけでは終わらない。

 かの敵が一瞬見えた時には再び爆音と共に近くを並走していた、戦列艦が吹き飛んだ。

 さらに、その戦列艦の破片がまわりの戦列艦や竜母に落下し被害が拡大している。運が悪い艦は燃え移り、戦闘行動ができないような被害を被っている。

 そしてまた1隻、1隻と体当たりの前に海の藻屑となり回避行動を取ろうにも破壊された戦列艦や竜母が邪魔となり立ち往生しており格好の的になっていた。


 そして、彼が乗っていた竜母とて例外ではなかった。

 今まさに敵が今まで彼が乗っていた竜母へ体当たりを敢行した。

 大音響と爆炎が彼の飛竜も巻き込み拡大する。


(ここで果てる運命とはな……

 魔の海域より現れし国、日本。貴様らはいったい何なのか……



 願わくば教国が間違いに気づきかつての姿に戻らんことを)


 彼の意識はそこで途絶えた。


















 






 海上自衛隊 本隊 旗艦『たかお』


「航空自衛隊の攻撃により空母を撃沈し、続く別動隊の攻撃により敵艦隊の半数を撃破したもよう。

 なお、追撃を試みるまでもなく敵艦隊は降伏したもようです」

「ずいぶんと、あっけないな」


 夜坂は、部下から報告に対して受けずいぶんとあっけない結末だなとこぼした。


「全て敵の攻撃範囲外からの攻撃でしたので、心理的恐怖もあったのでしょう。

 他に、敵の頼みとしていた空母の撃沈も効果があったものだと」

「だろうか、何とか教国の周辺の諸国や同盟を結んだ国等を見る限り航空兵力が大量にあったのはあの国だけだ。

 大方そのアドバンテージが自分達だけにあると、油断していたのだろう。

 そして、それが無効化された時の心理的ダメージはかなりあるだろうな」


 相手はここら辺一帯の王者のような国ではあるが、地球と違い魔法等のファンタジー要素があれど所詮は中世並みの技術力であり竜も報告を聞く限りよくて第一次世界大戦時の戦闘機並みの力しか持ってはいないらしい。

 侮るような事は、足元をすくわれるかもしれないためする事はしないが、敵に数百年もの技術力差を技量だけで埋めるのは不可能だろう。


「尖閣等の奪還は?」

「既に『いずも』から先発の陸自の部隊が上陸を開始。

 そして、各基地からC-2が飛び立っております」

「それだけで、足りるのかね」

「問題はないかと。

 敵の物資集積所は航空自衛隊の攻撃により破壊されておりますし、占拠された島もそう多くはありません」


 夜坂はマップを見つめた。

 敵の艦隊を示すマーカーが1つ消え、日本の領土で孤立した敵地上兵力に対してC-2を表すマーカーがいくつも近づいていた。

 そして、この艦隊の先には2つの敵艦隊を表すマーカーがあった。

 だが、うち一方は輸送船団。注意するのは敵艦隊の本隊だろう。

 別動隊が撃破した、敵艦隊と違い索敵機を2重で飛ばし一帯の索敵を怠ってはいない。さらに直援機をあげ待機中の部隊も直ぐに発艦できる隊を用意してある。

 もっとも、さらに上を飛行する此方の偵察機には気づいてはいないらしいが。


 マップでは、尖閣での戦いは集結したと思ってもよいだろう。

 肝心なのは此方の決着の付け方である。

 対艦誘導弾による、敵の射程外からの攻撃で一方的に叩くことは可能だろう。

 いや、それこそ赤子の手を捻るように造作もないだろう。

 だが、それでは日本がやったと言っても現代の戦闘を知らないこの世界の人間は信じないだろう。

 下手をすれば、怪奇現象を自らの行いだと言い張る滑稽な国と思われかねない。

 やるなら、かつてバルチック艦隊を破った聯合艦隊のように直接殴りあい世界に見せつける方がいいはずだ。


 副官の長尾がマップを睨み付けたまま微動だにしない、夜坂を見つめた。


「いかがいたしますか?まもなく、航空自衛隊ならびに潜水艦隊に指揮所からの指示がとび攻撃を開始します」


 心を読んだがのように長尾が言葉を発した。

 いや、読んだのではなく同じ事を考えているのだろう。

 現代ならともかく、過去では海軍の軍艦はその威容を敵に直接見せるこが、相手に対する抑止力であり力の証明であった。

 夜坂の腹は決まった。


「指揮所に連絡しろ」

「攻撃中止の事ですか?」

「当たり前だ」

「ただちに」


 長尾が指示を飛ばし、担当が直ぐに東京へ報告に上がった。


「で、どう当たるのですか?

 艦隊決戦を挑むとしても、どの方面から向かうのです」


 夜坂は多少迷った。

 だが、直ぐに答えをだす。


「長尾。

 艦隊が敵の正面に出るようにしろ。

 敵艦隊の主力は戦列艦、同航戦を行おうが反航戦だろうが射程外から攻撃できることにはかわりないが全く弾を撃たせないような戦にする」

「敵が何もできないようにするのですかい。

 そして、戦法はT字戦法ですか」

「ああ、周辺諸国に強国とされている国の艦隊になにもさせずに勝つ。

 そうすれば、日本の評価も変わるだろう」


 夜坂は、ただしと付け加えた。


「敵航空機も対抗手段があることを見せつけるために半数は相手をする。

 だが、全部は相手をしない。

 敵の第一波の発艦を確認したら空母を撃沈しろ」


 航空機に対する対抗手段があることも見せつけるが、わざわざ全部を相手にする気はなかった。


「潜水艦隊だけ戦果がなかったら船員や艦長などの不満が溜まるだろう。

 空母の撃沈を任せると伝えてくれ。

 作戦内容を大まかに伝えれば、あの艦長達なら察してくれる」


 この海域に潜伏する、味方潜水艦の艦長達とはそれなりに気心の知れたなかである。

 今もどこかで命令を待ながら、今か今かと敵艦隊を眺めているはずだ。


「潜水艦隊は空母撃沈後、輸送船団の足止めを命じてくれ。

 海の中からの攻撃となれば、航空機からの攻撃以上に精神的ダメージはあるはずた。クラーケンが出た、みたいな感じでな」

「わかりました。話をしておきます」


 直ぐに通信は敵艦隊を追尾している潜水艦隊へ伝えられた。

 そして同時に作戦開始が近いと知った潜水艦の乗員らの間で、静かながら闘気がみなぎっていた。


 ともあれ、作戦の準備は完了した。

 あとは初めるだけである。


 夜坂はまだ見ぬ、敵艦隊とその指揮官がいる西の海を睨んだ。


















コメントにありましたメーケル公国とね交渉が抜けていることに対してですが、これはある程度話数がたまりましたら加筆します。

同じくコメントに対してですが、誤字脱字は注意はしているのですが出てしまって申し訳ありません。

例・どこどこの「※♪※」って所間違ってません?

と言うようなコメントを頂ければ助かります。


あと、メーケル公国の異様に感が鋭い人についてですがここは異世界です。とだけ言います(はい、もうわかっちゃった人はいますね。という事で作品内で触れるまで突っ込まないでいただけますと助かります)




あと、Google+でアカウントを作り経過報告などをしていこうと思うのでよろしければそちらも見てください。

アカウント名 『鳥待月 榛名』




追加 返信ができないため失礼な気がするのでコメントの受け付けをしていません。

上記のアカウントの方は携帯のアカウントなので基本的に返信はできるかと


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