5/6
99
足りなくなった部品を拾い集めて
霞んでゆく脳内プール
一つずつ忘れていって
君のことも消えていった
小銭の99円は微妙すぎて
笑えないけど当たり前に
僕の存在もそんな値段だ
歩む足跡なんて作れない
忘れるからね不眠症患った
君はもう隣にいないけれど
何も言えないのは誰のせいで
崩れ落ちた痛みの中
フラフラに泣いている姿も
悪くはないよね?
ほらちょっとずれている
呆れ返っているのはナイフと
痛み止め、うたかたの時間
感覚は再び鼓動を初めて
迫りくる嗚咽
何もなくなった君は
痛がる様子もなく
価値を上げるわけでもなく
座り込んでいる
財布の小銭は99
眠気もだるさもそんな感じ
愛してくれるのなら
抱えてよこの痛み
崩れ落ちる夢の中は
恐怖を注射器で刺して
考えないのを待っている
明日もやって来る
うたかたの夢に溺れて
きっとそれは心地がいいんだろう
僕はまだ、まだまだ
見たことがない
崩れ落ちた痛みの中
フラフラに泣いている姿
とても落ち着くのです
やっぱりずれていく
崩れ落ちる夢の中
現実を包帯でくるんで
消えるのを待っている
今日は消えない
明日も消えない
いつまでも消えない