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0-1 前記
こんにちは。
てっきり物語の語り部が主人公だと思ってこの世界にやって来た貴方。多少の先入観を持ってはどうだろう。
私なりの教えを説いても良いのだが、そんなことが望まれていないことは承知している為、省くこととする。
――申し遅れまして、私はミフネという者である。以後、お見知りおきを……とは言っても、私は千里の目を以て観賞するのみ。それ以上でもそれ以下でもない。人様を見回すことはしても、介入はしない。
私から諸君に提供することはこの程度だ。私は彼らの動向を見るとしよう。
おや、気になるか。そうだろうそうだろう。そうでもなければこの世界に関心など抱きはしないだろう。
では、少しだけ千里の目で見える世界をお見せしよう。
まずは、純粋な赤子のように、彼――早見風理の立場になって見るといい。
彼の平凡な生活を。
彼の非凡な生活を。
――ご覧あれ。