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戦闘とイレギュラーとアイの予測通り

アイのアホみたいなシミュレータを何とかクリアした後は休み翌朝レドム伯爵領山林地帯にむかった。


そこでトレーラを隠して出雲で移動して山林地帯の山の中で待機して待つ。


潜伏場所は潜伏に適し、尚狙撃にもてきした場所を選択した。


ちなみにもう空は夕焼けで赤く染まっている。


アイはもうすぐ来ると言っている。まあ待つのも狙撃手には必要なスキルみたいなので待つのは余裕だった。


『接近してくる熱原を探知。熱原は全部で6。機甲人5機。大型トレーラが1台』


情報と一致してるな・・・


片膝をついて機能を停止させている出雲のコックピットのハッチを開けてそこからスコープで近づいてくる長距離仕様の機甲人に狙いを定める。


相手のフォーメーションは予定どうりのツヴァイヘッド・ドライターンAだ。


機甲人のタイプも情報と一致する。


先頭の2機は近接仕様のケイフィスタイプSと呼ばれている1世代前の機甲人で高速戦闘に特化した機体だそうだ。全体的に鋭いフレームが特徴で76式サブマシンガンと5m長刀を装備している。


真ん中の二機は同じく1世代前の凡庸機のファントム。此方は特に特長のない機体だ。武装は・・・74式アサルトライフルにロケットランチャーをカスタムした物にシールドを持っている。


後方の機体はファントムの長距離仕様に改造した機体だった。武装は74式狙撃銃にレーダードームを搭載している。


ちなみに今回の敵の呼称は近接仕様機はa01とa02。中距離仕様機はb01とb02。狙撃仕様機はc03だ。



『まもなく敵が狙撃ポイントに到達します』


アイの声を聞いてライフルを構え直してスコープを覗いて照準を合わせる。


狙うのは長距離仕様用のファントムの両腰にある推奨機関の左側の推進魔法石。


機甲人の推進機関は魔法により推進力を産み出している。その核が推進魔法石だ。これは外部から強い衝撃を受けると爆発する。だから厳重な防御を施してるが弱点はある。噴射口だ。そこに弾を撃ち込めば推進魔法石は連鎖爆発する。


俺は息を止めてトリガーを引く。


放たれた弾は予測通りに噴射口に入り爆発する。


左足も少し破損しみたいだから歩行も跳躍もあれでは無理だろう。


『第一目標達成』


俺はコックピットに入りハッチを閉じて機体を起動させる。


『機甲人接近。数は3機。距離は1200m』


「あと1機は?」


『b02はc01の防衛しているもよう』


なるほどね。まあいい。このまま作戦通りでいこう。


機体を立ち上がらせて跳躍。相手も反応して撃ってくるが推進機関を小刻に噴射して回避する。


そして、シールドガトリングをb01にむけて撃つ。


流石に相手も素人じゃないから簡単に避けられる。まあこの辺は予測通りだ。


相手が避けた位置に一気に推進機関を吹かして加速して間合いに入り5m長刀で左足と右腕を切り裂く。


『b02を撃破』


さて、次だ。


俺はc01の防衛をしているやつに木の影に隠れながら接近する。


『新たな熱原反応多数。ミサイルです』


「な!どこから!」


『ポイントG-13からです』


ポイントG-13って俺が潜伏していた場所の反対側の山か!


くそ、とにかく迎撃だ。


ガトリングシールドでミサイルを撃ち落とす。流石に全部は撃ち落とせなかったけど被害はない。


『更に熱原を確認。数は9機』


このタイミングで襲撃!山賊か!


「大型トレーラに通信を繋げ!」


『了解・・・通信開きます』


「アクシアス団長!」


『わかってる。どうやら本物の山賊のようだ』


「わかっている。山賊は俺が引き受ける。他の機体を下がらせろ。あの状態では邪魔だ」


5機中2機が戦闘不可能で他3機も連戦で山賊の戦いは耐えられないだろう。


『・・・わかった。急いで町に戻って援軍を連れてくる。それまで山賊の足止めして時間を稼いでくれ』


流石は傭兵団の団長だ。判断が的確だ・・・


「足止めはかまわないが・・・アクシアス団長」


『なんだ?』


「別に全て倒してしまってもいいんだろ?」


『あ、あぁ・・・健闘を祈る!』


通信を切ってマップデータを表示する。


「さてと・・・アイ!」


『了解。新たに出現した驚異をd01

からd09に設定』


機体を操作してガトリングシールドを撃つ。しかし牽制程度にしかならない。


流石に9機の機甲人を相手にするのは難しい。ならば奥の手を使うだけだ。


「アイ。ガトリングシールドを破棄して35キャノンを展開」


『了解』


ガトリングシールドを破棄して35キャノンを右腕アームに装備して砲身を展開する。そして左腕アームのマニピュレーターを操作してキャノンの砲身を支える。


俺は狙撃銃の扱う場合は機甲人でも生身でも能力は数段上がるのがアイのめちゃくちゃなシミュレータでわかった。だから35キャノンを使うことにした。


機体のバランスを安定させて跳躍する。敵はロックオンしてくるが敵が撃ってくる前に照準を合わせて撃つ。


放たれた弾丸がd04と設定した機甲人をバラバラに破壊する。


『d04を撃破』


今のは確実に死んだ。相手のコックピットを粉砕した。いま、俺は人を殺した。


確かに思う所があるが気にはしてられない。


沸き上がる感情を押さえて次の敵に照準を合わせて撃つ。


『d06大破確認』


これで2機。


『3時の方角距離150mに熱原3。ロケットです』


跳躍してロケットを交わす。そしてロケットを撃ってきた敵に照準を合わせ撃つ。


『d09を撃破。砲弾を再装弾。砲身を冷却』


砲弾の再装弾まであと30秒。砲身の冷却は50秒かかる。


『敵接近。2機。距離250m』


「ちっ!」


35キャノンの砲身を折り畳んで動きやすくする。


敵が長刀で切りかかってくるのを左腕部にある内蔵ブレードで受け止めて、長刀を上手く受け流し、体制を崩した相手のコックピットに突き刺す。


これはこの機体のベースは某ゲームの武〇雷に似た機体なのでこのブレードもあった。まあ使うにはガトリングシールドを破棄して左腕を自由にしないと使えないから使い勝手が悪いが意外に役にたった。


次に接近してくるもう一機の機甲人にブレードで刺した機体を投げつける。


刺された機体にぶつかり体制を崩した機甲人に冷却と再装弾が済んだ35キャノンを撃ち込む。


『d02とd03撃破。右腕部に異常発生。35キャノンの無茶な使用が原因です』


やっぱりそうなるよな。元々、35キャノンを使っていると機体は動けなくなる。その理由は砲身が長いから動くと安定しないし、右腕だけでは支えきれない重さなのだ。だから左腕を使って砲身を支えていたのだが・・・


残りの敵は4機。部隊のような統率された動きはないみたいだ。


一度下がるか・・・


35キャノンをバックパックに戻して跳躍。ガトリングシールドを放棄した場所に戻って回収し、再度跳躍。一気に敵から距離をとる。


そして、山林の木々の影に隠れて再度敵に接近し、ガトリングシールドで牽制を繰り返し敵を撹乱して孤立させる。


そして孤立した機体に推進機関を使って一気に接近。長刀で真っ二つにする。


『d08撃破。敵に動きあり。撤退を開始しました』


「35キャノンを展開」


『了解』


再び35キャノンを展開して機体に片膝をつかせて砲身の固定脚を広げる。


そして、推進機関を使って高速移動しなが撤退している敵に照準を合わせて撃つ。


『d07を撃破』


次の機体に照準を合わせる。回避行動をとっているが無駄だ。


『d01を撃破』


さて、最後の1機に照準を合わせる。


しかし、最後の敵は逃げることを諦めて長刀を構えてこっちにむかって突っ込んでくる。しかし、無駄だ。


弾丸を放ち敵を破壊する。


『全ての驚異目標の撃破を確認しました』


・・・・・・終わったか。


何とも言えない気分になる。これが人を殺した時の気分か・・・


案外、苦しくないものだな。もうちょっと葛藤があるとおもったけど・・・


「アイ。帰還するぞ」


『了解』











「ああ、アクシアス団長に援軍は要らないと連絡しておけ」


『了解しました。敵の機体の回収はどうしましょうか?』


「使えるものだけを回収しておく」


『了解です』


「ところでアイ。お前のシミュレータ通りの流れだったな」


『肯定。マスターのサポートをする者としてこれぐらいのことは当然です』


「そ、そうか・・・」





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