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訓練兵と潜入と初仕事

訓練兵




私はルグルム王国レドム伯爵領にあるシエルナの町にある王立第41訓練校に所属する訓練兵です。


軍に入ったのはお金を手に入れるためです。家族のいない私は孤児で、生きる為には働くしか道はありませんでした。だから私は安定した給料を貰うために入隊しました。


そして、たまたま機甲人に乗れる適性があったので訓練校に入ることができました。


それからは必死の訓練でなんとか機甲人のパイロット試験に合格してあとは4月の訓練校の卒業を待つばかりでした。


だけど1週間前にルグルム王国アスルード砂漠地方のカリアス伯爵がクーデターが起こりました。


でも、クーデターから5日後には正規軍が出動してので私はクーデターは終息にむかうと思っていました。だけどクーデターは治まらず戦闘は続きました。


そして、今日。私達の第41訓練校の訓練兵にも任務をあたえられました。


アスルード砂漠地方の最前線への補給任務でした。


特に危険もなく、実戦の空気を感じるだけの任務だってカルロス教官も言っていました。


だけど、予想外の事態が起きました。


道中、所属不明の機甲人が現れて、カルロス教官達を一瞬で倒してしまったのだ。


そして、リニス教官の指示でフォーメーションを組んで所属不明機に接近しました。


しかし、凄い音が響いと思ったらリニス教官の機体の足が破壊されました。


そこからは一方的でした。混乱の中、みんなが撃破されていく。


そして、ついに私の機体がロックオンされたと思った瞬間にスクリーンにグレーの機甲人が映りました。その機甲人を見て私はおとぎ話で聞く魔族の死神のように見えた。そして次の瞬間、機体に衝撃が襲い意識はそこで途切れました。






主人公



さて、あの訓練部隊を倒してトレーラとの合流地点のシエルナの町から2000m離れた山岳地帯の洞窟にたどり着いた。


まあついた時は疲れ過ぎていたから直ぐに寝て、翌日。トレーラをここに隠して歩きで町に入ることにした。


町の様子を長距離から観測した結果、町は城壁で囲まれていて警備は厳重だったし、出雲の存在は敵として認識されているだろう。戒厳令もでてるからトレーラで近づくのは無理だ。


他の町を目指すにしても食料や水が足りない。それにこの辺り一帯は閉鎖されているみたいだから抜け出すにも一苦労だ。


で、現在の状況を打破するための解決案をアイと共に考えた結果、シエルナの町に潜入してアスルード大陸最大組織であるギルドに加入する。という答えにたどり着いた。


アイ曰く、ギルドに一度加入すると国家からの束縛や敵対行動をしても罪に問われないなどのメリットがある。デメリットとしては大陸規模の戦争や侵略が起きた場合徴兵されたりするなどの制約があるらしい。


さて、ギルドに加入するにはシエルナの町にあるギルド支部で登録する必要があるんだけど町は基本的に閉鎖されている。ギルド認証番号があれば出入りできるのだがそれがない場合は尋問ぐらいは受けるだろう。


情報や状況がわからない以上、捕まるわけにはいかない。


だからシエルナの町に潜入することになった。


潜入ルートは水路から町に潜入するルートが一番なのだが色々問題がある。


1つ目は109キャノンを持っていくつもりなのだが水中に持ち込んだら流石に使い物にならなくなる。だから防水性能をもつもので保護する必要がある。


2つ目はもしもの時に警備兵や周囲に気づかれることなく無力化させるための武器が欲しい。


この2つだ。


これらを解決するために魔法工房を使うことにした。ちなみに魔法工房の使い方や加工に必要な魔法は例のごとく、理解していた。


さて、まず防水性能を持ったものだが、機甲人の予備のパイロットスーツの材質には防水性能も含まれていたためその材質でリュックを作った。この中に分解した109キャノンを入れればいい。


次に気づかれる前に無力化させる武器だが、109キャノンの弾の圧縮魔力 (この世界の火薬のような物)の量を調整することで109キャノンの発射音を抑えることにした。まあ、威力と射程はかなり下がったけど。


さて、2つの問題は何とかなったので潜入開始だ。


誰にも気づかれずに水源の上流から泳いで行く。時間帯は夜なのでさらに見つかりにくくなるはずだ。


まあ、誰にも見つからずに城壁の下まで泳いでくると鉄格子があったが事前に用意した工具 (機甲人整備用)を使い一部を破壊して進み、地下水道内で夜明けをまつ。そして、夜が開けると同時に地上にでる。


意外とあっさり侵入できるものだな。


まあ上手くことが運ぶなら問題はないけどね。


さてと、情報を集めながらシエルナ町を探索しよう。










ルグルム王国レドム伯爵領シエルナの町。ルグルム王国では一応、3番目に大きな町でアスルード大陸最大の砂漠であるアスルード砂漠の出入り口とされている町だ。


町の周囲には30mの巨大な壁がありその壁の円の内に町がある。


町に入る為の門は東西南北の4ヵ所にあって、現在は戒厳令で通行規制がかけられているらしい。


それで戒厳令の理由はアスルード砂漠地方を統治していたカリアス伯爵が反乱を起こしたらしい。そして、その反乱に乗じて東側のアスルード砂漠を統治している燐国のカーディアス王国に動きがあるらしく、戦争が起きるかもしれないらしい。


町並みは一世紀前のロンドンみたいな町にだった。道も車やトレーラが走ってる。


通貨は大陸で共通でアスルード硬貨を使ってるらしい。単位はエルドだった。


鉛貨1枚で1エルド。青銅硬貨1枚で10エルド。銅貨1枚で100エルド。銀貨1枚で1000エルド。金貨1枚で10000エルド。だそうだ。


以上が俺がお昼までに集めた情報だ。


しっかし、反乱か・・・すっごくめんどくさいことになってるな・・・


まあ、お国のことにかかわると全くいいことがないからな。関わらないが吉だ。


さて、次はギルドに登録なのだがこっちは意外とあっさりできた。必要な書類を書いて (日本語だった)それで登録完了だった。書類だって名前だけでokだったし。


ギルドのルールとして、1ヶ月に一度25000エルドをギルドに払う必要があり、払えない場合は登録抹消となるらしい。この支払いはギルドの口座にお金があったら自動的に支払いが可能だそうだ。あと口座があれば個人端末での支払いも可能になるらしい。そして最後にランクなんてものはなく全てが自己責任らしい。


以上がギルドの主なルールだ。ちなみに異世界定番のごろつきに絡まれたり綺麗な受付嬢なんてものはこれっぽっちもなかった。


さてと、ギルドに登録したから町に出入り出来るようにはなった。次はお金が必要になる。今後、傭兵として活動するにも食費に弾薬費にトレーラの維持費。そして、ギルドの支払い。幸い今は3月の10日 (暦は地球と同じだった) だ。支払い期限は毎月の25日らしいので十分間に合う。


そういうわけでさっそくギルドの以来を受けることにした。


報酬金ができるだけ高くて近場の依頼を探してみた。


それで、目に止まった依頼がこれだ。


【演習相手の募集】


依頼者:アクシアス傭兵団


場所:レドム伯爵領内


依頼内容:傭兵団の訓練に付き合って欲しい。内容は直接あって説明する。


補足:機甲人を一機以上保有していること。


報酬:50000エルド


正直、これが近場でもっとも高額の依頼だ。何か裏があるかもしれないけどとりあえず受けてみるか。






受付で依頼を受理したら受付の人が傭兵団の団長に連絡を入れ、直ぐに来るそうなので待っていてくれと言われた。


そのため、ギルド内のバーカウンターに座って待っているところだ。


「君が依頼を受けてくれた者だね」


待つこと10分。現れたのは30歳くらいの大柄なおじさんだった。


「私はアクシアス傭兵団の団長をしているフィリー・アクシアスだ」


「彩崎 忍です」


お互い握手を交わしてカウンターに座る。


「さて、今回の依頼の内容だが君には私の率いている傭兵団の入隊試験の仮想敵をやってほしい」


そう言ってアクシアス団長は携帯のような端末を操作してスクリーンを出してくる。


「入隊試験を受けるものは5人の傭兵達。試験内容はレドム伯爵領南に生息している魔獣のギガントジャイアントモンキーの討伐にしてある」


ギガントジャイアントモンキー。スクリーンの情報によれば全長が25mの猿みたいだ。


「君には彼らが討伐を成功させて町に戻ってくる道中を襲撃して欲しい。突発的な危機対処能力を見たいんだ」


「なるほど・・・」


ちなみに使用するのは全て実弾で経費は傭兵団で肩代わりしてくれるそうだ。


「以上が君に依頼する内容だ。さて、何か質問はあるかい?」


「質問というか疑問なんですけど。何で仮想敵を外部に依頼したんですか?傭兵団の人にやらせたらいいんじゃ?」


「普段ならそうしていたんだけどね。私の傭兵団は町の警備依頼を受けているから。入隊試験に割ける余力が少ないんだ。だけど近々起きる可能性に備えて戦力の強化はしたいからね。だからといって中途半端なやつを招いたら他のメンバーの命が危うくなる。だから外部に仮想敵を依頼したのさ。突発的な状況の対処が一番本質を見極められるからね」


そんな事情があるのか・・・いろいろと大変そうだな団長って。


「他に何かあるかね?」


「いえ、大丈夫です」


「そうか、では入隊試験は明日の早朝0600から開始予定だ。襲撃のタイミングやプランは君に任せるよ」


「了解」


こうして、俺の異世界での初仕事が決まった。










『今回は私の出番がありませんでしたね』


『いいえ。拗ねてはないですよ。マスターから出雲のメンテナンスとトレーラの警備を任されていますかね』



『・・・・・・はぁ、暇です』




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