ふわふわ で おなじだよ。
はじめに
ここは、やわらかい け が たくさん ある ひつじ の むれ です。
ひつじ たち には、ひとつ だけ たいせつ な ルール があります。
「みんな が ゆく みち を、わたし も ゆこう。」
みんな と おなじ こと を すれば、こわい こと は ない からね。
1. ふたつ の みち の えらびかた
ちいさな ひつじ の メリノ は、きょう も みんな と おさんぽ に でました。
まえ に ふたつ の みち が みえます。
みぎの みち は、くさが たくさん あって おいしそう。
ひだりの みち は、なんとなく さみしい。
メリノ は、みぎ に いきたい と おもいました。
でも、まわりの たくさん の ひつじ は、ひだり を むいたのです。
2. おなじ が たのしいよ
もし、だれかが 「みぎ の ほうが いいよ」 と いったら、どうなるのでしょう。
みんなは、けして おこったりは しません。
その ひつじ を まんなか に いれて、みんなで そっと なでてあげるのです。
「きみは すこし、さみしいんだね。みんなの なかに おいでよ。」
どちらの くさ が おいしいか を かんがえるより、みんなで からだ を よせる ほうが、ずっと らく でした。
メリノ は かんがえました。
「ほんとう は、みぎ の くさ が おいしい のに…。」
でも、みんな が やさしく いいました。
「メリノ、こっち の ほう が ふわふわ の かず が おおい から あんしん だよ。」
「みんなから はぐれちゃだめだよ。」
「みんな の ため に、いまは そう しない ほう が いいよ。」
ひとり で おいしい くさ を たべるよりも、
みんな と おなじ くさ を たべるほうが たのしい のです。
メリノは みんなと おなじにして よかったと おもいました。
みんな が ひだり を むいたので、ひだり の みち が ただしい みち に なりました。
3. ひとりで いる こと の こわさ
メリノ は すこし ふあん に なりました。
でも、まわりを ふかふか の け に かこまれる と、ふあん は きえて いきました。
ひとりぼっち なのは、とっても こわい こと です。
みんな と おなじ みち を いくほうが、こころ は かるく なります。
メリノ の こころ に あった 「なぜ?」 は、だれに きいて いいか わからないまま、やさしい け の なか に うもれて いきました。
さいごに
ひつじ たちは、ひだり の みち を とぼとぼ と あるきました。
ひとりで あるいてしまうと あしあとが さみしくなります。
やっぱり くさ は あまり おいしく ありませんでした。
でも、だれも くち に だして 「まずい」 とは いいません。
みんな の そば に いる あんしん が、まずさ を けして くれるからです。
さあ、きょう も しあわせ な ひつじ の むれ。
あした も、きっと、みんな で おなじ ふかふか へ と あるいていくのでしょう。
「みんなと おなじが うれしいな!」
とおくの みぎの みち では、おいしそうな くさ が かぜ に ゆれています。
でも、ひつじたちは もう、くび を みぎに うごかしかた を わすれて しまいました。
たくさんの ふわふわ が、もう それを ゆるしませんでした。




