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[第31記]二人の超人

「一応もう一回聞くが、イタズラじゃないんだな?」

オペは半信半疑になりながら小声でルドに話しかける。ルドは書類の情報を見返しながら唸った。


「う〜ん…確かにこの名前、俺達をおちょくってるようにしか見えねえ。むしろ罠の可能性大だ。まぁお前の姉の可能性もある。そうなったら儲けもんだが…」


「…残念ながらないな。姉さんはこんなときにふざけるような人じゃなかったから…」


「だよな。まぁ警戒はしていこう」

ルドは後ろを振り返り、後をついてくるシズとサディを見る。2人とも周りを警戒しながら歩いている。


「仮にアタシらと同じ獣人だったとしても、政府側のやつかもしれねぇじゃんかよ。」

サディが話す。


「あぁ。そこでシズだ。相手が少しでも不審な態度を見せた瞬間、シズの呪いで魂を不調にしてもらう。」


「ずいぶん手荒というか…ひどいな」


「ははっ!ちょっと立てないくらい具合悪くなってもらうだけさ。敵じゃないなら謝る!そんだけだ」

そう言ってルドが足を止めた前には、閉店中のカフェがあった。オペはドアノブに手をかけ、ゆっくりとドアを開いた。なぜか鍵はかかっていなかった。


「…お?本当に来てくれるとは!ようこそ!」

椅子に座り頬杖を突いていた小柄な男は勢いよく立ち上がると、両方の翼を広げてオペ達を歓迎した。

その男は黒いクチバシと緑の瞳を持った灰色の毛並みの、フクロウのような鳥人だった。二股に分かれた道化師のような帽子の先には金色の鈴が付いていて、右が水色、左が紺色と色が分かれている。そして帽子と同じように色が分かれたマントも身に着けている。


「…ようこそ…」

その鳥人の後ろから、同じ鳥人が静かに言葉を発する。黒い毛並みで赤い髪と瞳を持っていて、明るめの灰色パーカーを着ている。ズボンとパーカーの紐も髪と同じような赤色だ。


「あぁ…えっと…ミスター・ペペロンチーノ・モザイ子…であってるか?」

オペが2人の鳥人を交互に見ながら質問する。


「いかにも。」


「その…それって…本名か?もし本当にモザイ子って名前だったら申し訳ないから謝るけど…」

たじろぎながらオペは続けて質問する。そんな様子をサディは笑いをこぼしながら見守る。


「失礼。念のため偽名を使わせて頂いた。キミが『最強無敵ウルトラナイスガイ』殿かね?ホホッ」

困惑するオペを見てルドは笑った。


「こっちも偽名だ。なんせこんな世の中だからな。俺がマルディエ・ロンドストンでこっちがオペロジャック・コガーだ。ルドとオペでいいぜ」


「なるほど。理解した。ワガハイの名は『ホーネット』。ワガハイの後ろにいる置物が『トグル』。双方共に呪いを持っている保呪い者である。」

ホーネットは翼を胸に添えて礼儀正しく挨拶した。


「よろしく頼む。早速なんだが…俺の組織である『SIM』に入ってもらいたいんだ。安全は保証する。」

オペはホーネットに自分のカードを見せた。


「ほう。断ろう」


「…え?」

あまりにあっさりとした拒否に、オペはキョトンとしてしまった。ホーネットは笑っている。


「何かに加入する気はないのでね。何者にも囚われずに自由に生きるのが好きなのだよ」

ニコニコしながら自慢げに語る。


「…でも、政府に捕まるかもしれない。SIMに入れば俺もだし、ここにいる仲間たちも守ってやれる」


「ありがたいが気持ちだけ受け取っておくよ。おおっぴらに話すことでもないが、ワガハイはキミたちが何人まとめて来ようと…全員逆に殺せる自信がある。」

ホーネットは不気味な笑みを浮かべた。それを見たシズは即座に光刃鎌を取り出しホーネットに手をかざした。しかし、その瞬間…


「ゲホッ…カッ…ハッ…!?」

シズは鎌を落とし!膝から崩れ落ちた。


「バーテンダー!!奴の背後へ回れ!」

次に早く動いたのはルドだった。影に仕込んだ銃弾をホーネットの腕目掛けて発射する。


バァン!

「ぐあぁ…!」

ルドは腕を押さえて倒れこんだ。


「おぉ!キミはサディノイラというのか。素敵な名前ではないか。恋する大人なレディー…しかもスリーサイズもなかなかに理想だ。片目を政府に抉られたことがあるなんて…あぁ…可哀想なんだ!」

ホーネットはサディの方を向いて話しだす。


「…!?」

サディは顔を赤らめ汗をかいた。オペはすぐにホーネットに殴りかかるが、何かの重い衝撃で飛ばされてしまった。ホーネットはあごに手を当て首を傾げる。


「う〜む…やはりSIMが心配だ…最高戦力がこんなに何も出来ないなんて、本当に政府を倒す気があるのかね?静かに暮らした方がいいと思うのだが…むしろ私がトップになった方が安心できるかもしれぬ」


「こんな俺についてきてくれたみんなはもれなく皆優しい…お前みたいな強さだけのやつに渡したら…嫉妬でおかしくなりそうだからな、それだけは無しだ」


「ふぅむ…そうゆうものなのか…」

少し考えると、ホーネットは翼をパン…と叩き、オペ達が目を見開くような1つの提案をした。




「共に戦うが、ワガハイが面白くないと判断した瞬間、SIMそのものを壊滅させる…というのはどうかね。オペ殿?」

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