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[第11記]レガリオ

ジャリンッ…!ガッ…ガキャッ


「なかなか強いな。」


「ふふ…アンタも意外としぶといね?」


「当然。総帥から授かった力だからな。」


ブワァッ

ザヤは何度も男に対して攻撃を仕掛けるが、その度に謎の力によって防がれてしまう。


「…無駄だ。オレの能力にはお前の力はあまりに相性が悪いようだな。」


シュゴォッ…バシッ…

「無駄だと言っている」


「…ふむ」

ザヤは静かに息を吐いた後、後ろに走り出した。


「はは…逃走か。無理もない」


「防御一点の力持っといて何イキッてるんやろな」

ザヤが振り返り男を煽る。


「ふっ…そうかそうか」


パァン!


男が指で銃の形を作ったと思ったその瞬間、ザヤの手に鋭い衝撃が走った。


「…ぐっ…!?」


「すまないね。防御一点で」


「はっ…!ほんといけずなお人や…!」

ザヤが再び背を向けて走り始める。


「馬鹿め…」

男が指で銃を作りザヤに向ける。


バシュッ…パァン

ザヤが小鎌を振って不可視の攻撃を弾く。


バシュ…パァン


「お返しや」


ブワァ…バシッ

男に小鎌が近づくが、またもや減速して弾かれる。


「当たらないな。」


「もっかいやったるわ」


ブワァ…バシッ…

ブワァ…バシッ…


「馬鹿の一つ覚えだな。」


「ふふっ、お馬鹿さんはどっちやろな」

ザヤが余裕の笑みで首をかしげる。


「お前のほうだな。周りを見てみろ。さっきまでお前を守っていた木は無くなりこんなに開けた丘に来てしまったようだ。」


「…せやなぁ。なーんもないなぁ。」


パァン


「いった…」


シュンシュン…バシッ…

ザヤは後退しながら鎖を振り回し弾を防ぐ。


「お前の呪いは道具類を操ることだろう?ただ手を使わないとまともに操作できないらしいな?」

男は攻撃を続けながら話しかける。


「うんうん…半分正解…やね。」


「半分…?」


「アンタの能力は『見えない水』を作るような力やろ?粘度の高い水を自分にまとわせて防御したり、それ飛ばして攻撃したり…ってとこやな」


「なっ…」

男の攻撃が止まった。


「おっ、ドンピシャ?」


「黙れ!分かったから何だって言うんだ!?お前のような近接では強さを発揮できない呪いではまったく歯が立たない!残念だったな!」


「そやね…『遊びも飽きた』し…そろそろ25%ぐらいの力出しちゃおかな」


「ふっ、そんなに大口叩いて…」


ヒュッ

瞬きした次の瞬間、男の腕には鎌の傷が付いた。


「は…?速すぎる…認識できない…」


「うち環境破壊したくなくてなぁ。さすがに音速でこんな広範囲切り刻まれたら木ぃも可哀想やろ?」


「音速…!?」


「アンタの水のバリアのせいでそこそこのスピードを持った攻撃も水中のように減速してまう…なら簡単や。水の抵抗より速く切りゃええねん」


「可能なのか…!?」


「答え合わせしよか。別に手を使わんでも道具は操作できる。なんならうちは操ってへん。あくまで道具が勝手に動いてるだけや。」


「…どうゆうことだ」


「…それは閻魔様と一緒に考えてみぃや」

ザヤが男に小鎌を投げる。


「くっ…!」


「……………あれ、」

男が目を開けると、鎖で胴が拘束されていた。


「貴重な情報源殺すわけないやろ。アホか」



「…てなわけで、受能隊?の1人がうちのこと覗いてきたから捕まえたで」


「起こされたと思えばそんなことが…すまない」


「え?こいつザヤのこと覗いたの?キモ」


「後は好きに尋問せぇ…うちは眠いから寝る…」


「わかった…ありがとう…」


「名前はなんていうんだ?」


「…ニックだ」


「俺はオペだ。政府軍について知りたい」


「何が知りたい?教えるとは限らねぇが」


「お前は幹部なのか?」


「…違う。その上に位置する受能隊だ」


「受能隊?」


「ロダー様から直々に力を授かった能力者だ」


「なっ……」


「なるほどね。政府軍のやつらがあんな弱いのになんで民衆が心配しないのか疑問だったんだ。」

シズが木に寄りかかり腕を組んでつぶやく。


「はっ、言ってくれるじゃねぇか」


「で、どうなんだ?こいつは強かったのか?」

サディがザヤに聞く。


「…あんまし強ない」

ザヤが横になったまま眠たげに答える。


「…そりゃそうだろうな。オレは受能隊ではトップのほうだが、あいつらには遠く及ばない」


「あいつら?」


「受能者の中でも実力が上の4人…『レガリオ』の奴らさ。他の受能者より飛び抜けて強いらしい」


「らしい…戦ったことはないのな」


「会ったことはあるが…オーラが違うな。」


「なるほど…最終的にはそいつらを全員倒す必要がありそうだな。じゃないとロダーにはたどり着けん」


「あんたらマジでうちのボス倒そうとしてんのか?」


「もちろんだ。俺が世界を変える」


「ハ…ハハ…ハ…イカれてるな」


「とりあえず俺らは寝るよ。お前も寝な」


「あぁ…そうだな…」

ニックは少し震えて横になった。


「………………」

バサッ…

オペがジャケットを脱ぎ、ニックにかける。


「…人間は体毛ないから寒いんだろ。やるよ」


「……あ、ありがとよ…」




4人とニックは静かに眠りについた。

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