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[第9記]機密情報

「ようこそマインダボイラー支部へ。入り。」


「……………」

シズが入口付近を見て険しい顔を浮かべる。


「…シズ?どうしたんだ?入ろうぜ」


「…あぁ、ごめん。そうだね」


「お邪魔…します…」


「レディーが男を背負って玄関まで運ぶなんて…重かったでしょう。私にお預け下さい。」

体格のいい獣人がオペを背負う。


「…ありがとよ…」


「そいつ怪我しとるから医務室運んどいてや。あと医者も手配せぇ」

ザヤがその獣人に指示を出す。


「ホントに世話になるな…ごめんよ」


「そんな堅くならんといてや、明るくいこ?」


「…そうだな。ありがとう」


「あんたらの歓迎パーティーせなあかんな!向こうの大広間に飯用意しとるけんね!たらふく食い!」


「うぉぉぉ!やったぁぁぁ!」

「最高ぉぉぉぉ!」


戦闘班員達は大喜びしながら大広間に向かった。


「行くか…シズ」

サディ達が歩き出したと同時に、後ろから


「ちょい待ち。あんたらはこっちや」

ザヤが別の部屋を指差す。


カチッ…部屋の電気を付け、椅子を引き出して

「座り。」

とだけ言った。2人が座ると、ザヤは話し始める。


「…今のうちにあんたらが会った、政府のトップについて情報を整理しとこうや」


「あぁ…奴は『ロダー』って名乗ってた…妙な力でまったく…戦いにならなかったよ。」

サディが悔しげに言う。


「奴は青髪に赤い目…をしている老人だった」

シズがザヤの顔を見ながら特徴を説明する。


「老人…?若者じゃないん?」


「あ、ごめん、若者だね。20代くらいの」


「よほど激しい戦いやったんやな…まぁここはベレケンヤードより田舎やから安全や。ゆっくり休み?」


「ありがとう…そうさせてもらうよ」


「よし!うちはちょっと用事あるから、2人で飯食うてきな!あんな激しい戦闘したら腹減るやろ?」


「あ…ああ、そうだね」


「ほな。」


「…サディ様。オペが治ったらここは移動しよう。あんまり長く居ると物資の見積もりも狂う…」


「…ああ…だけどもう少し世話になろうぜ」


「そうだね。とりあえずご飯を食べて寝よう」



―3日後

オペが目覚めた。


「…ここ…は…どこだ…誰…」


「うちはザヤっちゅうねん。」


「サ…ディ…は…」


「ちょっと待っといてや。おーいサディはん!オペちゃんが起きたでーー!」


ドタドタッ!と忙しい足音が聞こえる。

扉を勢いよく開け、サディがあらわれる。

「オペ…!?」


「サディ…無事でよかった…」


「ふん…ボクの心配は0…ね。結構結構…」

サディの後ろからシズが顔を出す。


「シズ…も…!良かった…良かった…!」

オペが涙で汚れる。サディの涙腺もそれに共鳴した。


「…ま、ボクも心配してなかったって言ったら嘘になるけど。ボクだけでロダーと戦うことになるってんだから…ほんと参っちゃうよ」


「うぐっ…アタシ…本当にごめんなシズ…」


「あぁあいやいや!サディ様に言ったんじゃないよ!!ショック受けるのは仕方ないさ!」


「俺も…わざと気絶したわけじゃ…」


「は?オペはロダーに勝てただろ。なに負けてんの」


「終わっ…た…」


「まぁ今回のケースでは0点ではなかったよ。」


「何点だ…」


「120点さ。」


「シズ…!」


「マイナスのね。」


「終わった…」


「コホン。」

ザヤが咳払いをする。


「微笑ましい漫才しとるとこ悪いけど、オペはんSIMの総司令やろ?最終目標はなんなん?」


「そりゃ…世界を変えて…保呪者と人間の共存を…」


「ほぉーそりゃ大層な目標やな。政府潰すんやろ」


「まぁ…うん…」


「情報はどんだけ集まっとんねん?」


「…総帥がロダー…ってやつで…」


「うん」


「こっちの…組織の事は勘付かれてる…」


「うんうん」


「………………………」


「………………………」


「…えっ以上!?アニメの導入で分かる情報やで!?SIM出来てからの2年何してたん!?」


「生活…安定するまで…ちょっと…」


「まぁええわ。うちの組織が情報を手に入れたようやで。しかも機密情報や。本部越えてもうたなあ」


「機密情報…!」


「明日には受け取りに行けるやろ?司令さん」


「当然…!で、どこに受け取りに行けばいい?」


「そうやなー、こっから海越えたとこにある『ルネル』って街に情報入りの封筒がある。」


「シズ、サディ。荷物まとめておけ。明日出発だ。」


「うち飛行機持っとるからそれで行こか」


「ザヤ飛行機持ってんの!?すげー!」

サディが目を輝かせる。


「このザヤさんにお任せあれや!でも小型機なのと目立つのを考えて4人で行くで?じゃ全員準備や!」



「……なぁ。サディ」


「ん?なんだよ」

ザヤとシズが部屋に戻った後、サディはオペの荷物をかわりに入れていた。


「世界が良くなった後、サディはどうするんだ?」


「どうって?あ、タオルは2枚でいい?」


「それで頼む。」


「はいよ。」


「………夢の話だよ。日の光の下で堂々と買い物がしたいとか…そうゆうの」


「…ないなー。ほぼ失っちまってるし。オペは?」


「…俺もとくには…」


「…そうか…」


―翌日

「…おっやっと来はったね。」


「すまない、遅れた。」

オペはいつもの格好で滑走路へ現れた。

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