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となりの新崎さん  作者: 桜百合
一年生二学期
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アイツら何やってんだ?

 冬がやってきた。

 俺達ガクセーは「キマツシケン」なんてトンチンカンな名前のイベントに向けてドリョクしなくてはならないらしい。


 フツーそんなことより冬休みだし、クリスマスだし、大晦日だし、正月だよな?


 俺は勿論フツーだからそっち側だし、俺の友達皆もそのはずなんだけど……


 「じゃあ、また明日」


 「……うん。バイバイ」


 「じゃあな。小鳥遊」


 オカシイ。


 「おーん。じゃあなー」


 ここ1ヶ月くらいか、俺の周りは何かがヘンだ。


 それも特にコイツら。小鳥遊と新崎。

 具体的な時期とかタイミングはよくわからんけど、気付いたらこんなん。


 陰で喧嘩してて、俺らといる時はフツーをよそおうみたいな、そんな気持ち悪い不自然さを感じる。


 「なぁ。今日アイツのバイト先行かね?」


 そんな気持ち悪さの代表として、小鳥遊は急にバイトを始めやがった。

 向いてないだろうに、マックの店員なんかをやってやがる。


 「まだ始めて一週間だぞ? 慣れてないだろうし、邪魔しちゃ悪いだろ」


 「そうだね」


 ハァ。これだよ。

 和泉も新崎も、獅子の子落としって言葉を知らないらしい。成績は俺よりいいのに、こーゆーところはまだまだだよな。


 「邪魔じゃねーって。むしろ良い練習台だろ?」


 「そうか?」


 「ほら、知らねーオッサンとかより俺らのがアイツも気楽だろ」


 「……一理あるな」


 ぶっちゃけ俺は疑ってんだ。

 アイツが今誰かと何かで揉めてるとして、前ん時みてーに距離取って解決しようとしてんなら、そん時は……


 うーん……


 「ほらほら、そうと決まったら行くぞ!」


 まァとりあえず様子見だな。

 こーゆーのは案外、行き当たりばったりでなんとかなるしな。



* * *



 「店員サーン? スマイルをぉ、お持ち帰りでぇ、1つちょーーらい☆」


 「……スマイルお持ち帰りですね。ご一緒にポテトはいかがですか」


 「いやいやいや、シケっちゃうだろ」


 「そこじゃねぇよ。

 ハァ……で? 店内? 持ち帰り?」


 コイツ、めんどくささを隠そうともしないとは、よくクビんされないな。


 「あー店内店内。バーガーこれと、クーポンの519番と……」


 「りっちゃんこれ、ハッピーセットってさ──」


 「うん。懐かしいね」


 和泉はともかく、新崎がクセェな。

 かと言って今ここで小鳥遊に聞くわけにもいかねぇし……


 「以上か?」


 「お? ああ、バニラシェイクのMで以上」


 「あい。注文繰り返すぞ。えっと──」


 今日、学校での挨拶以外で、コイツらはろくに会話をしてない。

 文化祭前はかなり仲良かったし、もし何か明確なきっかけがあったとしたらソコなハズなんだけどなぁ……


 「間違いないか?」


 「おん。サンキュー」


 「ん。2人は?」


 さて、まず注目すべきポイントはここだな。

 新崎の小鳥遊への態度。


 ここ最近まともにサシで話してねー2人だ。どっかでヘンな感じんなるハズだ。


 「私とりっちゃんはハンバーガーとポテトのS。あと烏龍茶のSを氷抜きで」


 ングッ!


 「2人とも一緒ね。ご注文を繰り返します。えー──」


 コイツら……と言うか新崎か。考えたな。

 和泉に頼ませて、商品は一緒。それなら自分は喋んなくて良いもんな。


 ……あれ。でもコイツ、結構食う方じゃなかったか?


 「……以上でよろしいでしょうか」


 あっ、小鳥遊も気付いてるな。

 気付いてるけど、その上でスルーか。


 「大丈夫だぞ。ありがとな」


 「ん。じゃあ番号札渡すから、座って待ってて。笹塚もホラ」


 「おう」


 なんッか……思ってたよりもだいぶこじれてんな……?





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