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姉の思うこと

私は元々あの女が嫌いだった。

使用人伝いに弟が首っ丈になっていることを知った私は、面白半分で配下の者に彼女の素性を軽く調べさせたのだ。


アリシア・バーンズ男爵令嬢。男爵の側室の連れ子だった。

アーロンとは学院で出会ったのだそうだ。

学校の成績は中の上。外見は腰まである栗毛の髪、くりっとした丸目、顔は丸顔。身長は158㎝。

写真で確認したが、愛らしい女性だった。

ただ、彼女の周りではやたらと交際中のカップルが多数別れているそうで、原因が彼女の横槍だったと漏らす女生徒も多いらしい。

その後、別れた男性とアリシアが付き合ったと言う情報や証拠はなく、ただの噂程度のものではあったが。

また、男爵の事業は叔父のミハイル公爵が推進している水路事業の下請けだった。


アリシアが、男性に好かれていることに愉悦を感じるタイプであることはすぐに推測できた。

いろんな男に注目されたいが故に、特定の相手を定めず、複数の男に気があるふりをしているのだ。

だからこそ自分以外の女に惚れている男を見ると自分に振り向かせたくてしょうがないのだろう。


別に私に迷惑がかからないのであれば問題ない。

そもそも女にばかり貞淑を重んじる世論にはうんざりしている。

しかし、身内が振り回されるのは話が別だ。弟がこの女に腑抜けにされているのは看過できない。

ましてや、母と不仲の叔父と、関わりのある家の御令嬢だ。

今止めておくほうが良い。


”正室と側室、結婚と遊び”を分けて考えているならまだいい。

貴族男子の半数以上がその様にして恋愛を楽しみ、結婚相手は家格に見合った御令嬢とするのだから。

ちなみに、貴族女性はそのように遊ぶことは一般的にはない。

結婚する相手の家格が実家よりも下になってしまうからだ。

個人的には納得のいかないものではあったが、こと弟とアリシアの場合においては都合がいい考え方だと思う。


だが弟には、その考えはない。彼にとっては、恋愛=将来を見据えたお付き合いなのだ。

元々、純情で絆されやすい上に、親同士が学生時代からの恋愛結婚だったのもあるかもしれない。

兎にも角にも、弟と話をせねばなるまい。


私は弟を自室へ呼び出した。


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