第七話「エンジン」
次に昭田が来た場所はゲーム制作部門だった。
「やぁ、昭田君、だっダニね?」
これまた変な話し方をする異星人が居た。
「僕は『ケルロ』ダニ!よろしくダニ!というか、プログラミングが出来るって聞いたダニ!どれだけ出来るダニか?」
「始めまして…プログラミングに関してはUnityの開発環境用いて個人的なゲームを作ったり、その他は前の会社などでJavaなどを使って管理システムやアプリを作ったりしてましたね…一通りは出来るつもりです」
「おぉ!良いダニね!!即戦力ダニ!ただ、うちはUnityを使うこともあるダニが、基本は人間向けに『Unreal Engine』。もしくは宇宙用に…人間にもわかりわ易く言うと『Cosmo Engine』を使うダニ。『Cosmo Engine』は人でが足りてるダニが、『Unreal Engine』は使える人が少ないダニ。だから君には『Unreal Engine』での制作を頼むことになると思うけど大丈夫ダニか?嫌なら全然言うダニよ!」
…。こほん。
いきなり専用用語が多すぎてわかりづらいだろうが、『Unreal Engine』は地球が代表するゲームを作る上で大事なエンジンなのだ、『F○7R』や『F○rtnite』などはこれで作られているぞ!
『Cosmo Engine』は宇宙が代表するエンジンだ!宇宙語だと発音できないが頑張って真似すると「ビガジガルバルガン」だ。
「『Unreal Engine』はあまり触ったこと無いですけど、また調べたりして勉強してみますので全然!何なら是非やってみたいです!」
「それなら良かったダニ!折角だしちょっと見てみるダニか?」
「ケルロさんも触れるんですね?」
「僕はゲーム開発部門のまとめ役やってるダニ!どっちも触れないとやっぱりだめダニ…地球の言語勉強するのに時間掛かったダニよ。」
ここで昭田も…恐らく読者もここで疑問が浮かび上がった。
「何故日本語が通じるのか…??」と簡単だ。大半はここで働く上で日本語を覚える、と言うより、紛れて暮らしているからには覚えないといけないのだ。
「喋れないのも居るだろう」って?そりゃもちろんいる、だが、そういうときの為にこれも『アルラル社』が開発したものがある。そう、翻訳機である。
ただ、アルラル社製の翻訳機はどこよりも優れていた、目立ちにくく、誰でも使いやすいそして何より声が変にならないのだ!
やはり凄い!凄すぎるぞアルラル社!!
だが、このナレーションは昭田には届いて居ないし、そもそも過去の話なので我々にはどうしょうもない。
昭田は、口にはしなかったが、その疑問を抱えたまま後に翻訳機などのことを知ることになる。
「と、とりあえずどういう様に触るのか少しご享受下さい、!」
「良いダニよ!まずこれが…」
とケルロは自分のやっていた作業を忘れてそのまま説明を初めて数時間が経っていった……。
昭田もケルロもお互いに熱が入り周りが見えなくなっていた、お互いに教わるのが上手く、教えるのが上手かった。そのおかげか窓の外を見るとあたりはオレンジ掛かっていた。
「と、こういう感じダニね。というかもうここまで出来るようになるとは、流石は人間ダニね!」
昭田の画面には簡単なアバターが走ったり飛んだり様々なアクションが出来るちょっとしたゲームが出来ていた。
「いえ、ケルロさんの教え方がわかりやすかっただけですよ!」
すると横から急に声がした。
「やぁ!どうだい?一日目にしてだいぶ慣れてきたみたいだね!」
びっくりして振り向くとそこには【開発部】をまとめるリーダーの『カフ』がニコニコした満足気な顔で立っていた。
「ところでケルロさん、新人君に教えるのは良いんだけど、仕事は進んでるんですか?」
「「あっ…」」
昭田とケルロの声が重なった。
「い、いやぁ〜、これも新人教育ダニ!未来への投資ダニ!」
「そ、そうですよ!教えてもらってた僕が悪いですし……」
と、二人は言い訳をしだす、するとカフの頭の上にはてなが浮かび上がり。
「ちょっとちょっと、僕は何も悪いとは言ってないよ!少しからかおうとしただけだよ!ケルロさんの仕事も期限まだまだあるでしょう?」
「そうだったダニ!カフくんの圧に押されてしまったダニ…毎回ビックリするダニ…」
カフの圧は相当なものだった…けれど本人にはそんな意図は無いらしく少し勘違いされやすい性格なのだ。
「ま、昭田君もそこそこ色んな人と話してくれたみたいだし、よかったよかった!」
とカフは満足げな顔をした。