第四話「株式会社アルラルの実態」
「は〜い!ということで面白い新人さんが入ってきたね〜!マキちゃん!」
「そうですわね〜!これからの仕事ぶりに期待ですわ〜♡」
「そうだね!それじゃあ、次のコーナー行ってみよう!!」
というやり取りを横目に昭田はここの部署の中で偉そうな雰囲気を醸し出した少しテレビのプロデューサーっぽい男の人から話をされていた。
「ごめんね〜!あの二人なかなか暴走しちゃうからさ〜、でも、良かったよ!ああいうキャラうちには居ないし!俺は面白かったな!」
なんか、慰められている気がする。そんなことを思いつつ、昭田は数ある疑問の内の一つを投げつけた。
「あの二人って…ってかここはどういう部署なんですか…?」
「あぁ!ごめん、言ってなかったね!」と良いプロデューサーのような男は今もカメラの前で話をしている二人を指差して説明しだした。
「あの二人はこの会社、『アルラル』のイメージアイドルの『ラキマキ』だよ、あのピンクな衣装でちょっと今どきのギャルっぽいのが『ラキ』で少しお嬢様口調で紫っぽい衣装が『マキ』だよ。これから関わることが多くなって来るだろうし、この子たちだけは覚えていた方が良いかもね!」
会社のイメージアイドル…??何だそれ…?意味はわからなかったが、何よりもわからなかったのが自分がこの部署に配属された意味だ…。
「と、ところでなんですけど、僕はこの部署のなんの仕事をすれば…、。」
「あぁ!君の仕事は実質的にはここでは無いんだ!【配信部】の中にあるあそこの部署さ!」
と指差した先は【開発部】と書かれていた。
「【開発部】…??」
「まぁ、見たらわかるよ!ささ!入って入って!」
と促されそのまま足を踏み入れた。
そこにはラキマキのフィギュアにpvであろう映像、その他にも会社から出たアイドルであろう子達の作品が棚いっぱいに並べてあった。
ここで急だがそろそろ説明しよう!!
そう、ここは『株式会社アルラル』。
土木工事からイベントの開催、その他にも様々な業務を請け負い生計を立てている。その中でも一番力を入れているのがこのアイドル事業、通称【配信部】。異星人の特技である『変身』等を使って可愛いアイドルを生み出し、ネットやイベント等に出演させる事で顧客の求めたアイドルが誕生する。
そして、その【配信部】の中にあるアイドルのゲーム、アニメ、動画、フィギュアを作ったり、設計したりする部署、そここそが通称【開発部】。
そして、昭田は感動していた。ただただプログラムを打ってただただ作業するのではなく、こういう環境で働いて見たかったからだ。
会社全体の人数は総勢4万人以上!
え?会社に入り切らないって??いつ、どこでここのビルの5階だけがこの会社だと言った?
この天まで届きそうなビル、街ゆく人々がなんのビルだろうと一度は見上げるこのビル、計30階はあるこのビル、街、いや、日本で一番高くて大きいビル!そう!ここが株式会社アルラルなのだ!!!!
そして、総勢4万人が全員異星人という異色さ!!
だが、日本は、世界はまだ知らない、だって、異星人は人に紛れて暮らすことが出来るから。変身できない異星人も、社内のテレポーターで他の星から飛ぶことが出来るから一目にも付かない!!
これが!!『株式会社アルラル』の実態!!
昭田はそんなことも知りもせず、大きな会社の大きな部署の、大事な所に所属させられたのだ!!