第十四話「お酒とホンネ」
ナヤは入って早々「いつもの!!」と言うと店の奥から「あいよ!」と声が飛んできた。
昭田はナヤに半強制的に酒場の椅子に座らされるとナヤはもう酒が入っているかのように説教を始めた。
「昭田さん!あれから2週間は経ちますよ!?何してるんですか??良いですか??男はこういう時――――」
昭田は長い説教が始まった……。と思いつつ、ナヤの放つ正論を受け止めていた。
するとウィーンと店の扉が開く音が聞こえてくる。
すると正面に座っていたナヤが「あ!きたきた!こっちですよ!!」と手をこまねく。
後ろを振り返るとそこにはアリアの姿があった。
昭田はもちろんアリアも「なんでここに?」と言ったような驚いた顔をしていた。
するとナヤは「痺れ切らしたんでこういう場を設けました!もう白黒はっきりさせてくださいね!!あとはお二人でごゆっくり!!」と言い捨てて早々と店を出ていった。
残された二人と、理解が追いつかない店主。
とりあえず店主が酒を二人分机に置くと舞台劇の黒子のようにササッと厨房へ戻っていった。
「…あ、あはは、なんか…あれですね、よかったらそこ座ってください。」
これが昭田の精一杯だった。
「そ、そうですね、ずっと立っててもって感じですし…。」
そう言うとアリアが座った。
「な、なんかごめんなさい…ここは僕が奢るので良かったら好きなの頼んでくださいよ。」
「え、…わ、悪いですよ…。」
「遠慮しないでくださいよ、少し…お話したいこともありますし…。」
そういうとアリアは「じ、じゃあ遠慮なく…」と言って店主を呼び注文をし始めた。
「これと、これと……あとこれも」
アリアはめちゃくちゃ頼んだ。
これが文化の違いと言うやつだ。宇宙では遠慮と言う言葉の意味が薄い。
そうしてあまり会話を交わさずに食べ物を待った。
昭田が「えっと――」と話を切り出そうとしたところに食べ物が到着した。
居酒屋とか飲食店あるあるというものだ、何かしようとしたタイミングで注文の品が来る。
そんな昭田の気も知れずアリアは届いた食べ物をバクバクと食べると一気にお酒を飲み干した。
アリアは緊張すると暴飲暴食してしまう、酒癖があまり良くない。昭田の前では…と考えていたがもう歯止めが利かなくなっていた。
酒、食べ物、酒、食べ物―――。
昭田は呆気に取られてしまっていた。お金のことなんて考える暇もなかった。
そうして、一通りアリアが食べ終わるとアリアが口を開いた「昭田さぁん…、。ぬぁんで私がドキドキしてるのも知らないでそんな奢るとかしちゃうんですかぁー??」
アリアは完全に酔っていた。
どんどんと本音が出てくる。
「私ぃ…柄にもなく昭田さんのこと好きになっちゃったんですよぉ〜。それはもぉーほぼ一目惚れみたいな感じでぇ〜。人間さんってこんなかっこいいんだぁあってぇえ!」
昭田は急に告白されてびっくりしていた。
そしてお酒がどんどんと進んでエスカレートしていったアリアは突然何か小さい装飾品のようなものを外すと勢い良くそれを地面に投げ捨てた。
すると途端に、「うぉ)さまゆまそまゅー?のーまそ!まるのゆぞ?ほたー!!!ねまるまほたん!」っとアリアは訳のわからない言葉を発しだした。
昭田は呆気に取られいた、こんなアリアを見たことがない。否、アリアはこんな姿あまり他人に見せないようにしていたのだ!!
そうして、宇宙語で怒鳴り散らかす宇宙人と啞然として動きが止まった人間、それを面白がる客と迷惑そうな店長と言う異様な空間が今、この瞬間に作り出されていた…。
どうも魔物。です。
あとがきに現れるのはお久しぶりですね。
この度現れたのにはご報告があるからです…。
それは…。
次の話で「株式会社アルラル」の【第一部】の『入社編』が完結となります!!
短い間ですがここまで読んで頂きありがとうございます!!
ですがまだ【第一部】の完結です、ということは…。そう!!【第二部】もあります!!
ですが【第二部】は熱意執筆中でございますので書き溜めがある程度たまり次第の投稿となります。ご了承ください。
それでは、長々と話してしましましたがここら辺で…。
これからも「株式会社アルラル」をよろしくお願いいたします!!




