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株式会社アルラル  作者: 魔物。
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第十三話「純粋な恋心」

帰ったらカフとナヤが何やら話をしていた、昭田(あきだ)が帰ってきたことに気付きカフがまたもや頭にはてなを出しながら問いかけてきた。


「あれ??昭田くん、会社の見学に行ったんじゃ??相当早いお帰りだね?」


昭田は「()()()()()!」と思いながら言い訳をした。


「あ〜、いや、ここが一番落ち着くなぁ〜って……。、ごめんなさい折角機会をくれたのに…。」


「あ〜、まぁ、良いよここが気に入ってくれたなら僕としても嬉しいし!ん〜、そうだなぁ、せっかくだし、ナヤちゃんに少し教えてもらったら?いい経験になるかもよ?」


「え?私ですか?私はアバター制作しか出来ないですけど…?」


「良いじゃん!少しでも他の作業を知っておくのも()()()()()だからね。知ってて損はないよ!んじゃ!よろしく〜!」


と言ってカフは別の場所へと行ってしまった。


まぁ、確かにカフの言うことは大事なことだ。

何かを作るのってそれぞれの得意分野に分かれて作業をしていき、最終的に()()させ、一つのゲームや作品ができる。という事はこれを読んでいる皆も言わずもがな知っているとは思う。だが、自分の得意分野だけの知識で良いかと問われるとそれは違う。厳密には知っておいて損はないというところだ。


例えばプログラマーと企画が居るとしよう。

企画の人がプログラミングについて知らないで何でもかんでも企画をしていったらどうなると思う?単にブログラマーへの負担が凄くなるのだ。うん。


解りやすく言えば出来る容量と作りたい容量が合わなければいいものは作れないということ。


だから、企画と言えど、今後の展開、作られ方、様々な事を華美した上で企画していかなければならない。

まぁ、要は自分の事以外を知ってると色々とスムーズに行くよねってことだ。皆もこの心がけは忘れないでほしい。


そうして昭田はナヤにアバター等の制作について軽く教えてもらっていた。


教えてもらった結果、出来上がったのは良いとはお世辞にも言えない()()だった…。


そうこうしていると時間も定時が近付いていた。


「そろそろ時間だしみんな切り上げて良いよ〜!」


とカフの声が聞こえてきた。


「よっし!そろそろ終了ですね!今回は()()()だったのでこれだけできれば上出来です!また興味があったら声をかけて下さいね!」


とナヤはにこやかな笑顔を昭田に送った。


昭田が「ありがとう」と言おうとした瞬間、ナヤが耳元で「アリアさんの事、ちゃんと()()つけて下さいよね!」と耳元で言われた。


少しの背筋がゾクッとして何か恐怖を感じていた。


そうしてナヤは「じゃぁ!」っと言葉を捨てて帰宅していった。


昭田は思った、流石にはっきり言わなければ…と。


そうして、身支度を済ませ、アリアの居る受付へと足を運んだ…。


受付まで行くとアリアと目があった。

昭田は食事に誘い改めて話をすると言う算段を立てていたが……。


「お、お疲れさまです……」


「お、おお、お疲れさまです!昭田さん!…」


お互い変な空気が漂っていた。


そして……。


()()です……。」


そう言って昭田はエレベーターに乗って()()()しまったのだ!!!


そう!!昭田は学生生活、()()をしたことがなかった!!よって!!一歩踏み出す勇気が無かったのだ!!

ん〜!!もどかしい!!


家に帰った昭田は考えた、どう言ったら良いのか、アリアさんはどう考えているのか、アリアにどう思われているのか、アリアさんのことを自分はどう思っているのか…、。アリアさんに…、。アリアさん…。アリア…、。


「お〜い!どうしたダニ??聞いてるダニか??」


昭田はボーッとしていた。昭田は作業していたテキストに『アリア』と書いてた。


「最近ボーッとしてること多いダニね、今回のプロジェクトは少し期限が早いから気を付けるダニよ?」


「あぁ、ごめんなさい、プロジェクトに配属されたのにこんなのじゃダメですよね…、。」


そう、昭田が特に何も言えずに家に帰ったあの日から()()()()が経っていた。


最初の一週間は特に何も変わらない毎日、会社内をうろちょろして、モデリングやUnreal Engineの使い方等を教わる。


アリアとはあまり会話をすることはなくなっていた…。


あったとしても「おはようございます」の挨拶や事務的な話。


会話という会話は特にしなかった。


が、その間も昭田はアリアのことばかり考えていた。

一週間が過ぎてプロジェクトに配属されても心ここにあらず、昭田は考えれば考えるほどアリアのことが好きになっていた。


なんて女々しいやつなんだ!!


まぁ、プロジェクトに配属されたと言っても、まだデバッグの仕事で致命的なバグが無いかの最終確認の作業のみだった、良いのか悪いのかそのお陰で作業に大きな支障をきたすことはなかった。


今日もバグが出ないか、起動はするか、ある程度の指定に基づいて作業を行っていた。


そうして作業すること数時間、定時になりカフがいつも通り号令をかける中…。


流石に()()()()()()()()ナヤが昭田の元へ来ていた。


「昭田さん!!まだアリアさんに何も言ってないって本当ですか??しかもまだなんかギスギスしてるとか!なんでどっちも歩み寄らないんですか!!男女の関係だしってあんまり触れなかったですけど、流石に痺れ切らしました!!ちょっとやけ酒に付き合ってください!!」


大量の言葉を早口で昭田に浴びせると、有無を言わさずに宇宙の酒場に連れて行った。

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