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株式会社アルラル  作者: 魔物。
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第十二話「恋敵と鈍感」

昭田(あきだ)とナヤは一時の昼食を楽しんでいた。


「昭田さん!会社はどうですか?まだ2日目ですけど…。」


とナヤは食事中の昭田に問いかける。


「いやぁ、なかなかいい会社ですね…皆さん優しいですし、僕なんか今まだ何もしてないのでなんかなぁ…って感じで…」


「そんなことないですよ!人間という立場で色々と話してくれるので私もみんなも嬉しいですよ!まぁ、色々と勉強になるので!」


「そう言われると少し照れますね…//」


昭田はあまり褒められた事が無いため頬を赤らめた。


ふとナヤの顔を見ようと顔を見上げると、昭田の視界にアリアが入ったが、目があった途端アリアは頬を少し赤らめ「私は見てませんでしたよ」と言わんばかりに違う人と話し始めた。


昭田は不思議そうにナヤに疑問をぶつける。


「あの…そう言えば昨日の歓迎会でのことなんですけど、僕ってアリアさんになんかしちゃったんですかね…。」


ナヤは驚いた顔で昭田の問に答える。


「え?覚えてないんですか??あんなこと言っておいて……??」


昭田は困惑する。、


「な、なんか言ったんですか??」


「え、「()()()()()()()()()()()()()()()()」っていってたんですよ??」


昭田は更に困惑する…。


「え、それのどこがいけなかったんですか……??」


ナヤは呆れた顔で昭田に説く。


「良いですか?宇宙ではお酒はそのお味噌汁みたいなものなんです。」と親子丼にセットで付いてきていたお味噌汁を指差す。


「日本人にもありますよね?「()()()()()()()()()()()()()」っていう告白の言葉。」


昭田はそれを聞いてから数秒考えてハッとした顔をした。


「昭田さん…そういうことですよ…無自覚で言ってただなんて……」


そう。宇宙語の語源の話になってしまうので割愛するが、その人が注いだお酒が美味しい=(イコール)毎日でも注いで欲しい=(イコール)Love(好きです) と繋がるのだ。

う〜ん。なんて強引!


「ど、どど、どうしたら良いんでしょうか…僕はそんなつつ、つもりなんてなくて!」


ナヤは更に呆れた顔をした。


「はぁ…良いですか?乙女心を弄ぶのは厳禁です!よって、貴方はアリアさんに()()()事ですね!!」


昭田は飲んでいたお茶を吹き出した。


「つつ、つ、尽くすって!?」


ナヤは半分いや、8割からかっていた。女はこういう話には()()なのだ。


「男なら()ってところみせて下さいよね!」


「そ、そんなぁ…。」


それからナヤは「先に戻りますね〜!あ、あと、後々の()()待ってますよ〜」とウキウキな感じで戻って行った。


それから昭田は少しボーッとしていた。

アリアとの誤解を解かなければならない…。会社内の自由行動を言い渡されているし、今から【開発部】に帰っても……と言ったところだった。


そうして少し思考した後に目の前にあったお茶をグビッと飲み干して、昭田はアリアの元へ足を運ぶことにした。

———

——————

—————————。

角を曲がると受付…という所まで来たところで話し声が聞こえてきた、アリアと…誰だろうか。


昭田は、とっさに角に身を寄せて忍びのように覗く形で聞き耳を立ててしまっていた。


「っていうかなんか疲れてないかい??何か昨日は宴会があったとかって聞いたけど、カフ君とか酔ったら酷いし…」


「『ペルン』さんってほんとにお優しいですね、。大丈夫です!いつものアリアですよ、!」


相手は『ペルン』と言うらしい、何だか仲が良さそうだ、


「うぅむ。ならいいんだけどねぇ、でも、今のアリアはなんか考えてるというかなんか仕事が手についてない感じ…みたいな?」


「えっ、…。……っと…。はい、。ペルンさんには敵わないですね…、、」


「僕で良ければ話を聞くよ。」


何かアリアは()()()があるらしい……??

それをペルンとかっていう()()()()()()()()に話す…らしい…??


昭田はあまり状況が掴めていなかったが、そのまま聞き耳を立てた。


「その……ですね…。この前の宴会での話…なんですけど、その時に「私が注いだお酒が美味しい」って面と向かって言われてしまいまして…。」


「えっ!?そ、それって……!どこのどいつだい!?」


「その…新入社員の人間さんなんですけど…。」


「し、新入社員って!ほぼ初対面じゃあないか!!そ、それは失礼なやつだな!!それで?どうしたんだ?ガツンと断ったんだろうね?」


「いえ……。まだ…。、」


「なんだって!?保留してるのか!?クソ!そいつの名前を教えてくれ!俺が一言代わりに言ってやる!」


ペルンとか言うやつ、何か怒っているのだろうか…。

と昭田は思っていたが誰がどう見てもわかるだろう、ペルンはアリアに好意があるのだ。

だが、昭田は状況を理解しきれていなかった。


「あ、いや…その。」


アリアは少し口をもごもごさせていた。


「ど、どうしたの…、?」


ペルンも異変に少し気づき始めていた。


「その…わかってるんですよ…?その方はその意味を知らずにそう言ってしまってるってこと…。でも、私、そういうこと言われたのは初めてなので…、いや…それだけじゃないのかな…えっと、その…。」


ペルンはまさか、という顔をしていた。


「少し…良いなって…思ってしまっていて……。どうしたらいいのか…。」


ペルンは絶望した顔をしていた。、そりゃそうだ、ずっと好意を寄せていたのに急に出てきたわけのわからん奴に取られかけているのだから。


「そ、そそ、そうかぁ〜。いやあ~まぁ、こ、これは俺の一つの意見だけど、相手があまりわかってないならやめといた方が良いな〜と思うけどなあ〜。」


「そ、そうですよね、。昭田さんもどう思ってるかなんてわからないですし…。」


「ま、まま、まぁ?代わりに?俺が?アリアちゃんの事支えてあげてもいいけど…?ね?」


「…ふふ。ペルンさんってホントお優しいですよね、私を元気づける為にそんなこと言って!…。一旦このことは考えないようにします!なんか少し元気出てきました、ありがとうございます!」


アリアが空回ったペルンに追い打ちをかけるように笑顔で返した。

ペルンはいつもこんなことを言っているので本気だった事に気付かれていないらしい。うん、かわいそう。


すべてを察したペルンは鳩に豆鉄砲を喰らったような顔をしながら震えた声で「お、お安い御用さ。」と言いながらエレベーターに乗って帰っていった。


その間昭田はアリアの気持ちを知ってしまい「どうしようか」と言う気持ちが抑えきれなかった、とりあえず昭田は、どうしようも無いので一度【開発部】に帰ることにした。

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