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株式会社アルラル  作者: 魔物。
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第十一話「宇宙人だらけの食堂」

【配信部】の部屋をこそこそと通り抜けてきていき、【開発部】の部屋の前へ辿り着くとコンコンコンと3回ノックして部屋に入ったと同時に謝罪をする。


「遅れました!!申し訳ありません!!」


すると真横から


「謝らないでくださいよ~!顔上げて!」


顔を上げるとそこにはカフが居た。


昭田(あきだ)さん!遅れただけで謝りすぎですよ!まわりを見渡して下さいよ、遅れてるどころか来ない人たちなんてざらですよ!というより()()()()()()()()()()()()()()()()昭田さんがすごいんですよ!」


昭田はそう言われてあたりを見渡す。

部屋は昨日よりスカスカだった。


「え、もしかして皆休んでるんですか??」


昭田はカフにそう聞くとカフは大きく頷いた。


「ということで、今日はケルロさんも休みだし、他の場所を見てみるといいよ、良かったら他の部署を見に行ってもらっても良いからね。とりあえずうちの会社を知ってもらわなくちゃだし!」


と、言われてもどこに行けばいいかわからない昭田はとりあえず開発部を見て回った。


体調が優れないせいか、人が少ないからか、昨日よりも広く感じる。

とりあえず色んな人に話しかけて開発部の人達とそこそこ交友を深めているといつの間にかお昼になっていた。


昭田は朝飯も食べていなければ弁当も持ってきていない。

するとナヤが話しかけてきた。


「昭田さん!せっかくですしお昼、一緒に行きません??」


お腹が減っていた昭田は「いいですよ」と直ぐに承諾した。


ここは株式会社アルラルの食堂。

食べ物は変な生き物をすり潰したものや、変な生き物のような物をまるごと飲み込む…といったものはなく、人間が食べるものと一緒だった。


「なんか…普通なんですね…。」


昭田がそう言うとナヤは答えた。


「基本地球で取れる食材の方が圧倒的に美味しいんですよ。なので私達でも宇宙での食材はあまり食べないんです。ウィルスとかの下処理が大変ですし…。」


昭田は「へぇ〜」という顔をして質問をまた投げる。


「宇宙では地球の食材は育たないんですか?」


「ん〜なかなか育つことは無いですね〜。今は、自社でそういった研究をしているそうですけど。まぁ、私達が携わることは無いんですけどね、」


昭田は以外そうな顔をして「そうなんですね~」と中々聞ける話ではない話を聞いていた。

そうこうしているといつの間にやら列が自分の番になっていた。


隣りにいたナヤは「お蕎麦をください!」と蕎麦を頼んでいた。

宇宙人にもアレルギー等は存在するのだろうか…。


すると、「おい!そこの人間さん!早く決めておくれ!」と食堂のおばちゃんらしき人にどやされた。


昭田が決めあぐねているとナヤが「ここの親子丼美味しいんですよ!是非食べてみてください!」とアドバイスをくれた。


昭田は「そうなんですか?じゃあ」と親子丼を頼んだ。


そしてどんどんとおぼんにセットが乗せられていく。

ご飯と鶏肉と卵がたっぷり丼に入れられた親子丼とカリッとしてお口直しに丁度良さそうなお漬物。そこにお味噌汁も付いてくる。

すると頼んでも居ないはずのうどんも置かれる。


そして昭田の手におぼんが渡された時、昭田は「あの―」と言いかける。

すると昭田の言葉を遮るように食堂のおばちゃんが「新人さんなんだって??いっぱい食べていっぱい働きなね!()()のおまけよ!」と言った。


昭田は「いいんですか!ありがとうございます!」と会釈をしてナヤと座る場所へ向かった。

どこに行っても食堂のおばちゃんはこうでなくちゃ!!

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