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ガチャ 〜俺の1日の能力はガチャで決まる〜  作者: カントク
異世界への冒険は突然に
13/13

俺の冒険は、ここから始まる!

「神の…加護?」


「はい、はじめさん、聞いた話ですと、覚醒したスライムが右手に付いても溶けなかったんですよね?」


「はい。」


「その右手には光属性の加護が付いている状態です、スライムはその光と熱によって浄化されたという事です。」


そんな、まさかあれが光魔法だったなんて…あんなに熱くて痛かったのに神の加護だって?


「あれは神の加護と言う割には俺へのダメージが凄かったんだが?」


「直接ダメージが残った訳じゃ無いんですよね?きっとそれも神の力が強すぎる為に、内側のはじめさんの手にまで熱が届いてしまったんでしょうね。」


「あれで届いてしまったレベルって事は…」


「きっとスライムが受けた熱ははじめさんの倍以上どころじゃ無かったと思います。」


まじかよ、見た目に反してそんなえげつない攻撃してたのか俺。

あの熱さを知っているからこそ分かる、あれの倍以上だなんてそれこそ体が耐えきれないレベルだ、悶えるとかで済む問題では無いだろう。


これで色々と理解できた。あの熱さは加護での防御と光属性の攻撃を同時に行える代償みたいなものか。

確かに熱くて痛かったが、あれで敵を倒せるかと聞かれたら疑問も残る所だったが、本当に熱いのは外側だったという訳か。


「やっぱりね、覚醒したスライムの酸を耐えるなんて、何かしらの加護が無いとおかしいって思ってたけど、まさか神様の加護なんてね。」


神様の加護…そんな凄い能力だったのかこの能力、確かに神様的な奴から能力は渡されているってシャラも言ってたし、そういう加護があったとしても不思議では無いのか。しかし…


「けど、こんな能力が最初の能力なんて、今回は自分の手も熱くなっちゃうなんていうデメリットもあったけど、今回がハズレの能力なら、明日からはもっといい能力が手に入るんじゃ無いの?」


「そうだよな!ハズレの能力で神の加護があるんだし、当たりの能力引いた日はそれこそ最強の能力が手に入るよな!」


やったぜ!最初はどうなる事かと思った俺の異世界生活だったが、明日からは俺の最強物語がスタートする!

この能力も自分にダメージさえ来なかったら色々と使いようのある能力だったのだがなあ。だがそんな事はもうどうでもいい!

明日からの能力で頑張ればいいんだから!


「おめでとうございますはじめさん。明日から冒険者として頑張って下さいね!」


「はっはっはー!まーかせて下さい!明日からはもっと凄い能力で、他の冒険者の度肝を抜いてやりますよ!」


「頼もしいわね、じゃあ早速だけど明日も私と一緒に冒険しない?」


「それは有り難い申し出だ。俺も能力以外でも冒険に関する事で知りたい事は色々あるしな、寧ろこっちからお願いするぜ!」


「期待してるわよ!スーパールーキー!」


スーパー…ルーキー…!


「こほん、はじめさん、ここで更に良い知らせです。先程のスライム討伐クエストの報酬ですが、はじめさんは覚醒したスライム、しかもレベルも高いスライムを倒したので、特別報酬が出るそうです。」


なんと!


「と言っても、気持ち程度の賞金の上乗せだけですけど、でも!駆け出し冒険者には有り難い量の金額だと思いますよ!」


これで本当に苦労した甲斐があったってもんだ。

これでやっとユーリに心から感謝ができた。やった事はとても鬼畜だが。





「お?なんだなんだ?」

「なんでも初めてのクエストで覚醒したスライムを倒したらしいぜ。」

「初心者冒険者が覚醒スライムをか!?そりゃすげぇ!」

「しかも神の加護を受けているらしいぜ!」

「マジかよ!それが本当なら、この町で賢者の誕生って事か!?」



俺達の話が漏れて、周りの冒険者にも話が広まったらしく、俺の名前はあっという間にギルド全体に広まっていった。




「よっしゃあああ!スーパールーキーの誕生を祝って、今夜は宴だああああ!!」


一人の冒険者の一声でギルドの盛り上がりは最高潮となり、俺のテンションも最高だった。




「飯だ!飯をありったけ持って来い!」


「酒も足りねぇぞ!みんなもっと飲め飲め!」


「ほらチビ助も…いや、お前はジュースにしとけ。」

「なんでよ!子供扱いするなー!」


「神様の加護がなんだってんだ!俺はそれを超える!」


「頑張れよスーパールーキー!」


「期待してるぞ!」




「お前がこの町を…いや世界を救っちまうのかもな!」





「よっしゃああああ!この町…いや、世界は俺が守ってやるぜ!!」


「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」



俺の冒険は、ここから始まる!



こうして異世界最初の夜は騒がしく、賑やかに更けていった。























しかし俺はまだ気付いていなかった…いや、浮かれていてその可能性を全く考えていなかった。





今回の能力はハズレなんかじゃなく、当たりの能力だったという可能性を…。

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