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いつまでギスギスかんが続くのかなと思っていたらつぎの日の朝には七海の方から
「昨日はごめん」
と言ってきたからちょっと安心した。
これで大丈夫。そう思った。
倉橋さんいわく、七海の方もいろいろ動いてくれてたみたいだし、多分誰かに何か言われたりとか嫌なことでもあったんだろう。
その程度に考えていた。
僕はたまたま朝電車で一緒になった豊崎にその話をしてみた。
すると
「なんで朝からノロケ聞かされなきゃなんねーんだよ」
と言われてしまった。
「いや、ノロケじゃないよ。ほんと、わかんないから聞いてんだって」
「んなん俺に聞かれてもな…ただ焼いてるだけかもよ?」
「仲直りしろって言ったのはあいつだよ?」
「それでもだよ」
訳がわからない。
一体どういうことを言ってるんだろう。自分から振っといてヤキモチも何もないだろう。的外れだ。
「だいたい贅沢なんだよお前」
「なんでだよ」
なぜか責められた。
「だってお前、彼女いんのにほかの女絡みでうろうろしてよ。もうちょっと狭山さん見てやったら?」
「見てるよちゃんと」
「そーか?おれにはお前が、あっちこっち目移りしてるように見えるけどな」
なんでこんなこと言われなきゃいけないんだ?僕はちゃんと七海だけを見ているだろ。
だからあんまり気乗りしないけど、あいつの提案だから仲直りしようと頑張ってたんじゃないか。
一体どういうことなんだ。
「まあいいや、お前にもいろいろあんだろ、躍起になって、二人とも取りこぼすようなことすんなよ」
「どーいうことなんだよ」
「まあまあ」
こいつと話してるといつもあやされてるみたいだ。
けど、こいつだからこういう話がしやすいのは、なんでなんだろうな。
電車を降りて、歩いて十分。学校につくと廊下に倉橋さんがいた。
「おはよ」
「おはよ」
声をかけると返してくれる。久々の感触が嬉しかった。
「なにしてたの?」か
「ちょっとプラプラ散歩してた。」
「校内を?」
「いいでしょ、校内散歩」
ムキになって返してきたのがおかしくて、つい笑ってしまう。
「そっか。これからどこに?」
「んーあんまり考えてない」
そう言って笑う倉橋さんはとても楽しそうだ。
「そーなんだ。行ってらっしゃい」
「行ってきます」
二人、別れて歩き出す。まあ、すぐまた会うわけだけど。
そんな短いやりとりで、今日は頑張れるような気がしたから不思議だ。
七海と仲直りできたから余計そう感じた。




