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どうして私はあの時あんなにあっさり返事できたのかな。
どうにもそのことが引っかかってしょうがない。
中島君から話をしたいと言われて嫌じゃなかった。むしろ嬉しかったくらいだし。
でもそっか、ここ一年話してなかったんだよね。不思議だな、本当に喧嘩したわけじゃないのにね。
確かにちょっと気まずくなって避けちゃったのかもしれないけど。
よし、今度話しかけてみるか、と思っていると噂の彼が角からぬっと現れる。びっくりして思わずすごい勢いで飛び退いてしまった。
しまったーと思いつつゆっくりと目を向けて彼の顔を見てみる。
そこには同じく驚いたのか目を大きく見開いて固まった中島君。
あれ?なんだっけ、何しようとしてたっけ?
完全に脳みそがフリーズしてなんにも考えられなくなる。
多分実際には十秒もなかったんだろうけど私には一分…いや、もうちょっと長く感じたかも…。
まあ、とにかく中島君が立ち去るまで私は針のむしろにいた。
あぁ、話しかけるつもりだったのに。
絶好のチャンスを逃してしまった。もうこんなことないかも。
もどかしいな、なんでこんなことになってるんだろ。
そんなもどかしさを感じつつ五日間。
なかなか苦しめられていた私にまたチャンスが巡ってきた!なんと廊下でばったりあってしまったのだ!
これはきっと単なる偶然じゃない!神様が早く払拭しなさいと言ってるんだ!
ドキドキする。前にはあんなに普通に話せてたのに。
どういう事だろう。不思議だな。でも、このドキドキはなんだか心地がいい。
そんなことを考えていたらするっと言葉が出ていて。
その休み時間の間は中島君とずっと話していた。




