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ソーシャるねっとわーく!  作者: link@月架
2/2

砂漠の涙~エルートの村~

世界の外れ。


見捨てられた大陸に見知らぬ声が響く。


クワセロ……モットオレニ………ニンゲンノヤサシサノカケラヲ……モット………

「暑いわ・・・・」



優石ゆうせきを集めるため、私は砂漠をひたすらに歩いていた。


遠くで揺らめく蜃気楼をぼんやりと眺め、ついさっきまで話をしていた

次元の守人と名乗る男の言葉を思い出す。



『優石を集めることがあなたの使命です』



『貴女は、ある事情により優しさを失った状態にあるのです』



『そしてその優しさは、私が守る様々な世界に飛び散りました』



『優しさは石になり、力を持ちました』



『この力は世界を乱す強力なもので、私でも抑えることはできません』



『そこで持ち主である貴女に、手伝っていただこうと思います』



『そのために、記憶を消させていただきました』



『全てが終われば・・・きちんとお返しいたします』



『それでは・・・・お気をつけて』




そこで私はキーラが起こした青い渦に飲み込まれ、此処にきた。


断ることもできたが、記憶をとられていては従うしかない。


旅のためと着せられた長い幅のある布を巻きつけただけ

のような服の内側のはじにソーシャと刺繍されている。


これは仮につけられた私の名前。


少し変かとも思った。

でも悪くない。


そんなことを考えているうち、向こうに町らしきものが見えた。


思わず歩くペースが速くなる。


暑いから休みたい。

それで頭はいっぱいだった。



『エルートの村』


そう書かれた看板をくぐると、どこか懐かしい感覚に包まれる風景が広がっていた。


畑仕事をする村人


木で作られた立派な家


人と人との会話が絶えない大通り。


普通ならやっとついた村、感動や喜びの一つもあってもいいはずなのだが、私ははそれどころではないと数m先に見えた酒場に走る。



「そこのおじさん!…み、水をちょうだい!」


くらくらする頭から必死に信号をとばし、言葉を絞り出した。


店の主人が差し出した水を、一気に飲み干す。


「お譲ちゃん、見ない顔だな。旅人か?」


必死に水を飲む私を不思議に思う顔でそう聞かれた。


「ええ。今ここに来たばかりよ。砂漠は初めてだから、喉が渇いていたの」


それを聞いた店主はさらに不思議そうだ。


「砂漠が初めて??お嬢ちゃんはどっからきたんだい?」


そう聞かれ、なぜだか腹の底がふつふつと湧いたように感じる。


「うっさいわね!ほっときなさいよ!!」


つい、口からそう飛び出していた。



2話目です。


長いこと連載をしていなかったので、思い出したついでに投稿してみました。

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