戦国時代に転生してしまった。
「なんだ…?ここは?」
目が覚めて、周りを見回したが、見慣れた街並みではなく、和風の建物が沢山立てられている所にいた。周りを通り過ぎて行く人達は袴を着ている人や、大河ド○マに出ている役者がする様な服装をしている人ばかりであった。
何が…何があった?俺はいつも通り学校を終わって、家に帰る途中だったのでは…?
彼は学校から帰る途中に謎の痛みに襲われて気を失い、気がついたら何処とも分からない所にいたのである。
しかもここって…俺の考えが正しければ昔の城下町に良く似ている!?だって、周りを行く人たちの中に刀差してる人達が何人か居るし…
うーむ…取り敢えずここは日本に間違いない見たいだからここは何処か聞いてみよう。
僕は適当にその辺りにあった家?建物かな?見たいな所に入った。
「いらっしゃい、ここには何用で来たんだ?」
入った僕を出迎えたのは恰幅の良い身なりのいい中年の男性だ。
「すいませんが…ここは何処ですか?なんて言う街でしょうか?」
身なりのいい男性は僕を少し怪訝そうに見ながらも、「この町?、変なことを仰いますな?ここは不識庵様が治めてらっしゃる春日山城の城下町です。」
…え?春日山城?不識庵様?春日山城って上杉謙信が居た城だよね…って事は俺は戦国時代にタイムスリップしてしまったんかあああああ!!!!
俺は心の中で悲鳴を上げた。
すると恰幅の良い男性が少しびびった顔で俺を見て来た。あれ?なんか俺、怖がらせる様な事をしたのかな?
「お、お武家様、何か失礼な事をしましたか?」
どうやら自分でも気付かない内に取り乱して居たのを気付かれて居たみたいだ、ここは動揺を見せない為に凛とした態度で答えなければ!ここは戦国時代!少しでも油断したら死ぬ!常に警戒しなければの!おっしゃあああああ今から燃えて来た!言葉も武士に相応しい厳粛な言葉遣いに今から変えなければ!まさか、日々周りに隠れて練習して来た言葉遣いがこんな所で役立つとは思わなかったぜ…
おっと、ついつい考えに浸りすぎてしまったな…
「いや、少し考えごとをしていただけだ、迷惑をかけてしまったようだな。すまない。」
中年の男性は目を見開いて慌てて頭を下げて来た。
「いえいえ!此方こそ失礼居たしました!」
ほっ…どうやら因縁をつけられる事だけは防げたようだな、よし、早速外に出るか。
外に出た僕は改めて自分の服装を見て見た。
ふーむ…きちんとした礼装の服と言う事はこの身体は武士の者だったのか…かなり上位にある武士だったんだろうな、この武士は。
次に顔を確認してみるか…
早速城下町を出て、近くにあった川で自分の顔を見てみた。
何コレ、かなりゴツイ顔してるんですが…僕の顔は眉毛は太く、きりりと引き締まって、目はキツそうな目をしていて、顔は全体的にゴツくて周りから見たら小さい子供は悲鳴を上げて逃げそうなかなり怖い風貌をして居た……
ま、まあ!武士は戦するもんだから仕方ないか!決して自分が強面だった事にショックを受けたわけじゃないぞ!
「喜平次!こんな所に居たのか。」
ん?俺の事?
振り返って見ると行人姿をした立派な風格漂わせた武士が居た。
僕を呼んだのはこの人か…喜平次と呼び捨てと言う事は…父か叔父か…血縁者だな。
「はっ、何でございますか?」
「今から評定じゃ、喜平次も直ぐに参れ。」
やはりこの武士はかなり身分が高い!しかも評定と言う事は僕とこの人は上杉に仕えているな。おっしゃあああああ!あの有名な上杉謙信に逢えるんだな!楽しみだ!
僕は心躍らせながら武士と共に春日山城に向かった。
〜春日山城〜
春日山城に着いた僕は城の壮大さに心奪われていた。これが春日山城…
春日山城は山上にある城で、戦国時代にあった城でもかなり堅牢な山城である。山の上に悠々とそびえたつ天守閣とそれを取り囲む様に立つ多数の曲輪が目に見えない圧力を僕にかけていた。
すげぇ…これが春日山城…こんな城を治めている上杉謙信ってどんな人だろうか…
「喜平次、行くぞ。」
はっ、それにしても…この人かなり出来るな…めちゃくちゃ威厳あるし、優しそうな顔してるけど、威圧感がありありと出てるからな…きっと上杉家でも有数の重臣だろうな…上杉家で有名のはたしか、柿崎景家か小島貞興当たりだろうか?二人は上杉の武として有名だもんな…
おっと、そんな事を考えている内に評定の間に着いた様だな。心を引き締めなければ!
評定の間に入ると、僕は評定の間に漂う雰囲気に押されて一歩後ずさりそうになった。
流石は戦国の世にあって強兵揃いと謳われる上杉家…弱兵なしか!!
評定の間には10人を超える武士達が勢ぞろいしていた。皆顔は引き締まっていて、上杉家の家風を醸し出していた。
緊張するな…!取り敢えず、末席に座らねば!
僕は評定の間の入り口に近い所に腰を降ろした。
「喜平次、何をしておる、お主は上座に一番近い右の所じゃ、忘れたのか?」
えっ?上座に一番近い所って…まさか…あそこ?えっ???
混乱しながらも僕は言われた所に座った。
そのまま僕が座っていると春日山城の川からずっと一緒に居た優しそうな顔の人が一番上座に上がったではないか!まさか…この人が…!?
「皆、待たせたな、ではこれより評定を始める。」
この人が上杉謙信!鬼とも仏とも言われ、軍神と呼ばれ恐れられた越後の龍…!!感慨深いぜ…
ん?待てよ、と言う事は僕の名前の喜平次って…謙信が呼び捨てにすると言う事は、謙信の子供って事か!?確か、謙信には子供は居なくて養子が二人居たんだよな?
二人の内…喜平次と名前が付くのは一人しか居ない…えっ……
俺が転生してしまったのは上杉景勝かよーーーーーーーー!!