サラバッ!!平凡で地味な普通の生活よ…!!
その日は、昨日までと変わらない何の変哲もないつまらない日常
のはずだった…
7時50分、いつもと同じ時間に教室についた暁は自分より先に登校していた唯一の生徒、南 俊也とあいさつを交わすとさっさと自分の席に座った
「切原君、今日の宿題やってきた?
俺忘れちゃったから見せて欲しいんだけど。」
またか…。
てめえは、毎日毎日こんな早く来るくせに何で宿題は絶対やって来ないんだよ
なんてことを考えつつも、暁はニコリと笑顔を作った
「僕、頭悪いから間違えたくさんあると思うけどそれでもいいなら、見せるよ」
「サンキュー、間違っててもやってないよりマシだろ」
今の言葉を忘れるなよ
てめえが今日も絶対忘れてくると思ったから、わざと全問間違えやってやったんだからな
俺の親切をしかと受けとるんだな、屑が
さっきの笑顔を張り付けたままにし、腹のなかでは嘲笑いつつ暁は南に宿題を渡した
暁がそんなことを思っているとは、1ミクロン程も疑わない南は機嫌良くそれを受け取ろうとした
が、それが南の手に渡ることはなかった
「そこのガキ二人、殺られたくなかったら手をあげろぉぉおぉぉぉお!!」
突然、爽やかな朝の空気をぶち壊す下卑た怒鳴り声が教室に響きわたった
「きゃぁぁぁあ」
怒鳴り声の後を追うように隣からはだらしのない悲鳴があがった
きゃぁぁぁあって……女子かお前は
怒鳴り声がした方に視線を向けると、そこには『私は悪い人です』と全面からアピールしてくるおっさんが立っていた
わぉ、バカ発見!!
あれだよ街歩いてたら自然と道が開けてく感じ
んで、そこらへんの柄の悪いお兄ちゃん達にボッコボコにされてしまえばいいんだ
南をお手本に怯えたふりをしながら暁は今後の作戦を練った
おっさんの持ち物は小型のナイフと携帯、それとズボンのポケットの膨らみからしておそらくスタンガン一つ
チラチラと後ろを気にしているその頻度とおっさんの表情からして、仲間がいる
今ここでこいつをヤっても仲間が人質を取っていたら元も子もない