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けもの

作者: ライス中村


壁に触って歩いたら

嫌いと好きを見つけたよ

壁のこちらも壁の向こうも

そう変わらない感じだ


今は日陰のその場所も

時間が経てば日向になるんだ

塀に載るネコになりたいな

世界を広く見たいから



空の青さを眺めたら

急に降り出す天気雨

予想外れの水浴びも

案外心地よくってさ


今は乾いたこの心

いつかは潤ってほしいな

出来立ての雲になりたいよ

ほどよく浮かんでいたいから




雨が止んだらまた晴れて

よく濡れた草が香ったの

水の粒には街が映って

逆さに忙しくしていた


今はしなびたこの木々も

奥を進むと花咲かせるんだ

よく鳴くカエルになりたいな

笑える余裕が欲しいから



今日もそのうち陽は沈む

月が来るから怖くはないけど

そんな世界さ この先も

昼と夜とを繰り返す


明るい暗いを繰り返す

君とぼくとを繰り返す


今は疲れてクタクタさ

遊びに遊んだワンコみたいに

もうすぐ星が点きそうだ

横に寝転びよく眠る


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