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日常ループ  作者: 芦葉直弘
1/1

日常

夢を見る。

目の前の光に向かって只々走る夢。

周りにも同じように走っている人がいて、その先頭に僕がいる。

近づく。近づく。      近づく

あと少しで光に手が届きそうなとき、いつも転ぶ。

何回も、何千回も見た夢。転ぶ。



10月2日(木)


『ビビビ!』『ビビビ!』

「ん、、あぁ。」アラームに手を伸ばす。

カーテンを開け、外に出る支度をする。

特に決まった決まりもなく、パンを食べ、車に乗って19分のグラウンドへと向かう。

そこからはひたすら走る、走る、時々休憩して、走る。

17の時に陸上だけで食べていくと決めたあの日からはや8年。記録は斜陽にあり。

周りには若いうちにいい記録をたくさん出したおかげで今はぎりぎり食いつないでいると言っているが、嘘だ。

今日は気分がいい、久々にいい記録が出たからだ。家に早く帰って好きなテレビ番組を見る、その番組が終わると、明日に備えて早く寝る。これが僕の知っている、僕だけが知っている一日。

誰かが言う、「つまらない一日」と、誰かが言う、「最高の一日」と、他人がこの話を聞くとこのどちらかの感想に行き着く、まぁ、正直言って誰に何と言われようがどちらでもいい「自分の人生は自分で決める。」そんなこと言っているが、心の中ではそのうち人生が終わる、即ちこの生活ができなくなる焦りと周りからの視線で時々息の仕方すら忘れてしまう時がある。

そんなことを考えているうちに頭の回転を追い越して眠気が来る。だから眠る、心の中にいる黒い感情を明日に託して、




夢を見る

遠くの光に向かって走る夢

周りと大差をつけていたのに幾分もしないうちにすぐそこまで近づいている。

近づいている。近づいている、     近づいている

僕は、     落ちる




10月3日(金)


『ビビビ!』『ビビビ!』

「ん、あぁ。」アラームに手を伸ばす。

カーテンを開け、外に出る支度をする。

パンを食べながら車でグラウンドへ向かい、走る。

帰ってから好きなテレビ番組を見て、布団に向かい、目を閉じる。





……………………………………………



10月4日(土)


『ビビビ!』『ビビビ!』

アラームに手を伸ばす。

・・・・・・

カーテンを開け、外に出る支度をする。

パンをもって外へとつながるドアノブへと手をかける。



・・・・・・「見てない。」



僕の日常が壊れた瞬間だった。






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