プロローグ
もし良かったらお付き合い下さい。
とある大きな国の中にある街から少し離れた場所。
ここには立派な白い建物がある。
その白い建物とは、大きな教会と、その近くに隠れる様に大きな神殿が遠くない距離の森の中に建てられていた。
不思議なことに大きな教会は、かの有名なサグ○ダ・ファミリアの様な大きく立派な教会。
そして隠れる様に森の中に建てられた神殿が、かの有名なヴ○ルサイユ宮殿の様な神殿であったりする。
神殿ならパル○ノン神殿とか、アブ・シンベ○神殿とか有名なのではないか。神殿が宮殿の様な建物って?って思われる方々も、勿論いらっしゃるだろうが気にしないで欲しい。
そこには、この世界を創った創造の神が変わっていたからだが。
教会とは、礼拝したり聖書を学んだり、神様と人間の関係性を学んだり等をする場所であると言われており。
また神殿とは、「神様の家」。人生で平安な場所であり、神様と神聖な約束をする場所と言われている。
この世界にある、とある大国の中の街にある立派な教会と、隠れる様に建てられた神殿には、色々な役割と秘密があるそうなのです。
この世界で最も正義(潔癖)があり、優しい(容赦ない鬼畜と言うか、憂さ晴らしかも)?とされてる方々が秘密裏で御仕事(汚仕事)をしているのだから。
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私は、前世の記憶が残っているまま異世界へ転生した。前世の名前は、七瀬ありあ。普通のアラサーで、ゲーム開発部で仕事していたのです。
そんな私は、多忙な仕事量で何日か徹夜をする事もあった。ハード過ぎて体力的にも精神的にも限界で、いつ過労死してもおかしくなかった。
だが過労死でなく、1匹の猫を助けた事から死んでしまったのですが、そのお話しは時間がある時に教えようと思う。
今の私は、簡単に言えば自分の作ったゲームの世界へ転生し、そこで大切なお仕事をさせられているってだけ。
前世で無理難題を上から言われてしまい、普通の恋愛シュミレーションゲームから、スリルありのヤバ系なゲームになってしまっていたけれどね。
ゲーム内容も所々忘れてたり…。
まぁ…中途半端だし、大雑把かも知れないけれど軽い説明はここまでで。
今現在、私の居る場所は大きな白い教会に居る。その教会は、スターチスと仲間間では呼ばれている。スターチスは、「永遠に変わらない」と言う花言葉の意味らしいです。
今日も私は、礼拝の為にスターチスに居るわ。神様と人間の関係性とは、何なのか等を理解して説く事が出来るかは答える事が出来ませんがね。
本日も教会に迷える仔羊が来られたご様子。私は、その迷える仔羊の為に慈愛と無垢に見える様な微笑みで出迎える事にした。
この教会スターチスには、時間帯に寄って来る方々の目的が違うのです。
朝7時から17時は、礼拝堂では礼拝や聖書などの学ぶ時間。それ以降の時間は、教会を一度閉めてしまうのです。
そして深夜0時から来られる方々は、また目的が違うのです。
そう今の時刻は、深夜2時。
前世の教会は、施錠されており入って来れない時間帯。
その様な時間帯に若い女性と男性が来られた様です。人が来られた事を知らせる為に、白猫が私の所へと来るので分かるのですが…
今から数分前、白猫が礼拝堂へ入って私の所へ来たのです。
ですので、私はスターチスの外へ向かう為に礼拝堂から出て行く。スターチスの外にある扉へお出迎えをする為に向かって歩く。
スターチスの大きな出入り口の扉を開けて、少し歩くとスターチスを守る様に聳え立つ門がある。
その大きな門の前に、若い女性と男性が待っていた。服装は所々が擦り切れており、ボロボロな洋服を着ていた。2人とも疲労からか、表情が暗く、食事も摂れてないのか、フラフラしていて今にでも倒れそう。
私は優雅に見える様に気を付けながら、早足で門まで滑る様に歩き、門で待って居た2人に優しく慈愛の溢れる様な微笑みを向けた。
「お待たせ致しました。お疲れのご様子ですね。」
そう声を掛けて大きな門を開けて、2人を中へと誘導した。2人が門の中へ入ったら直ぐに門の施錠する。
「シスター、夜分遅くにお尋ねしてすいません。」
そう女性が大きな瞳を潤ませながら、私に訴え掛ける様に声を掛けてきた。2人ともフラフラしてるので、ユックリとした歩調で支えながら歩く。
「お2人ともお気になさらないで。大丈夫ですからね。」
安心させる様に優しい声音で言う。
瞬時に、この2人をスターチス内の応接室へお連れして、温かくリラックス出来るお茶と軽食をお出しする事を決めた。
スターチスの出入り口の大きな扉を開けて、中へ促して応接室へ向かう。
廊下には、優しく照らす魔道具の照明。
優しく照らされてる廊下を暫く歩くと、2人を対応する為の応接室に着いた。
私は応接室の扉を開けて、お2人を中へ促す。
「大丈夫ですか?中へお入りになってソファへ座って下さい。」と声を掛ける。お2人が中へ入りテーブルとソファがあるので、ソファへ座って下さる様に促す。
お2人がソファへ座ってから、私はリラックス効果のあるハーブティーと軽食にサンドウィッチをお出しした。
「良かったら召し上がって下さいね」
「有難うございます」
涙ながらに軽食でお出しした、サンドウィッチを召し上がり始めた。
お2人が軽食を召し上がり終わるのを待っていた。
多分、何日も食事してないのでしょう。
そして疲労がある様に観える。お話しをお聞きする前に、食事を摂るのが必要に思た。
そっとお2人を観察して観て解る事。
寝不足と栄養失調、疲労がありそうなお2人を観ていて「これ何かあるわ」って私は察した。
私はハーブティーを口に含み、これからの事を考える。
取り敢えず、足の近くで待機してる白猫に、神殿に向かってもらう事にした。
小声で「フェリス、オーディンの所へ行ってて下さい」そう指示を出した。
今まで小さくなってた白猫は、私の指示でオーディンの所へ向かってくれた。
今更ですが、私の傍に居る白猫の名前はフェリスって名前。
真っ白な雪の様な色のフサフサの長毛の猫です。
オーディンは、神様で神殿に居られます。
隠れる様にある白く大きな神殿を仲間間では、ブルーローズと呼ばれていて、ブルーローズは「夢叶うとか、神の祝福」って花言葉らしいわ。
そのブルーローズにオーディン達が居るのですが、多分…もう既に依頼になるであろうと予感してるのです。
泣きながら軽食を召し上がっているけれど、少し落ち着かないと鳴咽で会話が出来なそうかしら。
それにしても、お2人とも健康的なら美少女と美少年なのに、こんなにボロボロでフラフラで、どんな過酷な環境だったのでしょう。
本当に、こんなになるまで誰も助けてくれなかったのだと思うと、見ていると私の胸が痛みます。
お2人が召し上がり終わって、落ち着いてきたご様子なので、何を伝えたいのかお聞きしようと思います。