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77.アリーシアと黄金の実

前回より投稿の間が空いてしまい申し訳ございません!

にも関わらずご来訪いただきありがとうございます。



王宮の庭園には、ローズ王妃の名とその意向もあり、色とりどりの綺麗なバラが咲き誇っており…庭師達の努力と愛情を細部にまで感じさせる見事な庭園であった。


兄のジェイソンから周りを見てみろと言われ、周囲を見渡したアリーシア達は気付いた。色とりどりであったはずのバラが…ピンク一色になっている事に…更によく見ると、花壇の花だけでなく…低木や等間隔で植えられている木々にも見た事のない様なピンク色の小さな花が咲いて、花びらと甘い香りを風に乗せている。


アリーシアと王子達がその一変した景色に驚いていると、ジェイソンが懐から布に包まれた水晶を取り出した。その拳ほどの大きさの丸い水晶は、本来なら透き通るまでの透明さがあるはずなのに…カットされた宝石の様に内側がキラキラと光を反射させて、自ら輝いている様に見える。

アリーシアが思わず"なんて綺麗なの…"と呟き、アデルバートが"これは…?"とその水晶に視線と疑問が集まったところでジェイソンが口を開いた。


「これは魔力鑑定なんかに使われる水晶とさほど変わらない水晶です。魔石を魔法石にする要領で…これには先程のアリーの聖力を吸収させました。

こんなものが出来るなんて…シリウス様が仰った通りになったな…。いえね…、お師匠様に言われて作ったのです、水晶を吸収の魔道具にしてアリーの聖力を吸収してみろと…そもそも水晶は鑑定の魔道具になってますので魔法との相性は良いのです。ただその性質から魔力をよく通し、映し出すには最適なのですが、透過性が強い為その力を溜め込み…蓄積させるには適していなかったのですが…

しかし今回お師匠様の助言もいただきながら…魔力と聖力の根本的な違いと親和性!ここを加味し魔法石を作る原理を用いて新しい魔道具…いや聖具と言うべきか…」


ジェイソンの脱線しそうな勢いを感じ取ったアルフレッドが、続きを引き取って説明を続ける…


「アリー?この庭園の状況はアリーの意図していないものだな?お前は大丈夫と言いつつこれだけの事を引き起こしている。前回はシリウス様が吸収して下さったが、今回はこの水晶がその役目を担ってくれたんだ。それでもこれだけの影響が出ているんだぞ?

シリウス様はこの事を見越して、ジェイに魔道具を作らせ、今日は俺達に見届けよと役割を与えて下さった…。

そして俺達は、お前を他国へ出すにはまだ早いと判断をした。

アリー、俺はな…淑女云々うんぬんは抜きにしても、感情に左右される事が悪いとは思っていない。しかし、お前がお前の力を制御出来るか出来ないかとなると話は別だ。いいか?お前の力は国をも動かす、その事をもう一度よく理解するんだ。

お前が精霊王様と何を話し、何を感じたかはわからんが…焦る必要はないとシリウス様も仰っていた。その為のこれだ。この水晶はお前の聖力を吸収するだけでなく

量を調節して放出する事も可能となっている、だからこれを使えば…多少は精霊の泉や妖精達の助けになるだろう。

アリーが、ルース様のお力と意志を引き継いたのだと使命感を感じているのも分かるが…俺達家族がお前を想う気持ちも分かって欲しいんだ…」


「アルお兄様…」


「そうだよ、アリー。僕達は何も…誰かさん達みたいに自分の側から居なくなる事が嫌で言っているんじゃないんだよ?

あの小さな木が見えるかい?あの木に小さな実がついたんだ、あの実がやがて大きくなるとどんな実になると思う?…僕もねお師匠様に聞いたんだけど、それは"黄金の実"になるらしい…。アリーは聞いた事はないかい?どんな病も傷も、身体の欠損までも治してしまう治療薬のエリクサーとか不老不死の薬…不老不死なんてものは眉唾だけど、とにかくそんなとてつも無い価値のある薬があの実から作られるんだって!

お師匠様が仰っていたよ…黄金の実とは、その実の色が黄金色に輝くのではなく、黄金を生んでしまう程の価値をその実に付けてしまった人間が、勝手に呼ぶ様になったらしい…本当は名も無く、花も実も見た目も地味で、少し変わってるなぐらいらしいよ。

黄金に目が眩んだ人間が、黄金色の実をいくら探しても見つからないはずだ…その希少な実を巡って戦争にまで発展したらしいから、その時の権力者の欲と…その実の価値は言わずもがなだよね…。

アリー、僕達は君のその尊く清い精神こころと想いを、醜い欲にまみれた悪い人間達の餌食にはしたくないんだ…。分かってくれるね?」


「……はい、ジェイお兄様…。わたくしが未熟で浅はかでした…。このままではわたくしだけの問題では無くなってしまいますもの…引き続きシリウス達と"修行"に励みます!

でも何故でしょう?…これまでこんな事無かったのに…エミリーや妖精達の協力もあって、様々な喜怒哀楽を想定して力をコントロール出来てきたと思っていたのですが…不思議ですわ…。」


「えーと…ジェイ?あの黄金の実予備軍はどうしたらいい?父上はどこまでご存知なのだろう?シリウス様にご指示を仰ぎたい。

それと…アリー、君の言う修行がどんなものか気になるけど…多分メンバーにもよるんじゃないかな?人間には喜怒哀楽だけでは当てはめれ無い感情も沢山あるから、メンバーやシチュエーションも大事だと思うよ?

当初君が考えてた協力とは違う形になるかもしれないけど、僕達もアリーシアの"修行"に協力しようか?」


「!!っ アデルバート様の仰る通りですわっ!確かにわたくしエミリーや妖精達、お兄様達にも慣れていたのかもしれません…。でも…殿下方はお忙しいのに…わたくしの修行なんかにお付き合いいただくのは心苦しいのですが…」


"ちなみに内容を聞いても?"と言うアデルバートの質問にアリーシアの兄達が"アリーッ!よすんだっ!"と慌てて止めようとしたが、アリーシアはなんでも無い事の様に答え始めた。


「一緒に美味しい物を食べたり、プレゼントをし合ったり、ゲームで自分の大事な物を賭けた本気の勝負をしたり、自然と触れ合う為にピクニックに出掛けたり、くすぐりっこや驚かし合ったり…ジェイお兄様がシリウスを独り占めした時は寂しかったですし、種明かしされた時はわたくし怒りましたの!

でも妖精達は自分達と過ごす事が一番だと言うし、エミリーは喜びと楽しみこそが大事だと…そもそも"修行"を提案してくれたのはエミリーなのです。

シリウスは怒りも大事だと、わざと意地悪をしてくるし、お兄様達も本気でゲームに勝ちにくるから…わたくしの大事な"ぬい達"が…あの子達を賭けの代償にしたわたくしが悪いのですが…そう言えば…誘導された様な……」


アリーシアの兄達の"しまった顔"を見ながら、アデルバートは"なるほどね、そう言う事か〜"と何やら納得した顔でアリーシアとの会話を続けるのであった…






前書きで…申し訳ございません。と言っていましたが…

少しだけ説明(言い訳)をさせてください…。


不運が重なった…その一言に尽きるのですが…

インフルからの携帯紛失…病院で電源切っている時に紛失した為、気付かれるのに時間がかかり…

それでもさすが日本!携帯は戻ったのですが…

初めてのインフルにやられておりました…。

予防接種しても罹患する時はするとですね…


皆様もどうかお身体ご自愛下さい。

重ねて、続きを読みに来てくださり

本当にありがとうございます。( ˙꒳˙ )ノ気力で頑張る…


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