表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

67/105

67.怒りの行方…

アデルバート サリヴァン (第一王子)

エドワード サリヴァン  (第二王子)

アドルフ セイリオス  (アリーシアの父)

キャサリン セイリオス (アリーシアの母)

アルフレッド セイリオス(長男)

ジェイソン セイリオス (次男)

ウェスカー侯爵 (会場でセオドアにぶつかった

         嫌な親父…名前はまだ無い)

夫人 カミラ ウェスカー(ウェスカー侯爵の妻)


ちなみに…作者はスマートフォン使用なのでPCでご覧の方達には、改行、行間、文字列などズレて読みにくい時があるかと思われます。大変申し訳ございません!



エドワードが放った一撃で静かになったので、アドルフが再度話し始めた。


「夫人、勘違いせずに最後まで聞くように…

私は、自分の家族や屋敷の者達に手を出すやからには容赦をしない。それで家門に傷がつこうと…そんな事は気にしないし、例え潰れたとて構わない。それでも私の家族や使用人達はきっと支えてくれると信じている。

此度こたびの件…どの様な思惑でくわだて、そして実行したかは知らんが…私の家族を傷付けた代償はきっちりと払って貰うから、そのつもりでいる様に…。


家族や計画を共にした仲間でありながら、お互い誰一人庇う事もなく罪をなすり付け合い、我が身よりも大事である筈の我が子らの心配すらしない…そんな憐れで薄情な母親が気に掛けている侯爵家の今後は、私が責任を持って取り潰すと約束しよう。なので心配はいらない、涙はおのが命の尽きる時に流せばよい。

あぁ。それとこの娘は我が公爵家のメイドであるから、責任を持ってこれまで通り働いてもらう。だから心配せずにいさぎよく散るがよい」


「お…お待ちくださいアドルフ様、ご冗談ですよね?

何故わたくしでなく…下賎げせんの者に?しかもその娘は公爵家を裏切っていたのですよ?そんな女に…何故手を差し伸べるのですか?それに侯爵家を潰す?命尽きるとは?ねぇっアドルフ様っ!わたくしを憐れんで下さったのでしょう…?なら何故助けて下さらないのっアドルフ様っ」


「キャーッ!あっ熱いっ!いやー!」


「わたくしの大切な旦那様の名を…勝手に、気安く、何度も、呼ばないで下さらない?

そもそも貴女が申し開きをするべきは第一王子殿下であり、わたくしの愛する旦那様ではございませんっ!

ともあれ…先程からの貴女の妄言は、申し開きとも呼べない様なお粗末なものですから、陛下のお耳汚しにしかならないでしょうがね…。

次にわたくしの最愛に嘘泣きで近付こうものなら…わたくしの炎を、お顔のキワッキワッまで近付けて蒸発させて差し上げますわ!

それと…アリーシアを苦しめた分と、アルフレッドの受けた痛みも、わたくし忘れはしませんからね…」


とうとうキャサリンが動いてしまった…。

アドルフが…なんとも言えない(嬉しそうな)顔で、壇上から降りて妻をなだめている。


その二人の仲睦まじい姿を見て、カミラは「なんで…」とブツブツと呟きながら信じられないと言わんばかりに呆然としている。


「ンンッン!セイリオス公爵は戻らず、そのまま奥方の側でよいから引き続き補佐を頼みます…。

さて、ウェスカー侯爵?夫人の申し開きは王家とて認められない。その上でお前は何を思う?」


「殿下…カミラの…妻の事は私の手にも負えません。

罰でも極刑きょっけいでもご随意ずいいにどうぞ…。

しかしながら、魔物のスタンピードなるものは、私の意図せざるものです!そもそも魔物を操る?よどみの拡張?そんなもの出来るわけがない!それこそ人成ひとならざる者の力としか考えられないでしょう!それに何故この場に、あ…アリーシア嬢が居ないのです?魔女でないと主張するのならばそれを証明させるべきではないですか?」


「そうよ…本人が魔女でないと証明出来ないなら、疑わしい条件だけが残る筈よ!紫の瞳だって、魔法だって…きっと使っているわ!でないと私の魔法が打ち消されるだなんて…ありえないもの!

さぁっ!私達と同じ様に平等に扱いなさいよ!」


「悪魔の証明ならぬ、魔女の証明という事か…。

ウェスカー侯爵、先程夫人は疑わしきは罰せずを訴えていた様だが…それは自分達だけのものだったのか?えらく都合の良い事だなぁ…まぁよい…。それより衛兵っ!リリー カーターにむちを、そうだな…まずは10だ。

私は言った筈だ、言葉遣いに気をつけよとな…

貴様、誰に物を言っている?王家に命令するとは正気とは思えん、私も鬼ではないのだが…仕方ない。鞭の痛みで少しは正気に戻るだろう…。やれっ!」


アデルバートは、持ち前の笑顔と腹黒さで容赦無く衛兵に鞭を打たせ、リリーの悲鳴を聞きながら…アリーシアの事を思案した。

悪魔の証明とは[悪魔が存在しない事の証明が出来ないので悪魔が存在する]という極論であり、〜ない事を証明するのは、〜あるという事を証明するよりも難しく…容易では無い事の比喩的な表現でもあるが…

"魔女…どころか、聖女様なんだよなぁ…"どうしたもんか…と笑顔のまま頭を悩ませていると…


「ウェスカー侯爵、あんたアリーの事をとやかく言う前に、自分のセリフが自分に返って来てる事に気付いた方がいいよ?スタンピードの誘発や澱みの拡張…出来ないと言うのなら、まずはあんたがその証明をするべきだ!

アリーが魔女かもしれない…という材料があったとしても、断定出来るほどの明確さを…あんた達は持ってるの?残念だけど…僕達はあんたらみたいに間抜けじゃないからね、あんたや、夫人が首謀者だという明確な材料である、証拠も証人も確保してるんだよねぇ〜

自分の事しか考えてないあんた達が、今更自分の心配しても遅いんだけどね。

今回の事は隣国も巻き込んでるし、一歩間違えば…いやタイミングが少しでもズレていたら、国内の魔物被害やヴァナルガンドとの衝突は避けられなかっただろうね。ねぇ、ウェスカー侯爵…あんたは人の命や国同士をも巻き込む様な、この深刻で厄介な問題と引き換えに、一体何を欲していたんだい?

まぁ、僕達が知ったところでなんの意味もないけどね…


お前達の罪が確定し、陛下からの判決が下ったその瞬間僕の業火の炎で骨すら残さず焼いてあげるよ…。

あの世でアリーとアル兄さんに死ぬほど詫びるといい、って…その時はもう死んじゃってるけどね?

あの世がないなんて証明は、それこそ出来ないからね…きっとあるんだろうねっ!」ニコー!


ジェイソンが、アデルバートにも負けない様な…とても晴れやかな笑顔で侯爵達に反論した。

それはもう…グゥの音も出ない程に…見事であった…。







さて、お気付きの方いらっしゃるでしょうか?

キャサリンとカミラの因縁に、以前少し触れております

カミラの名は出しておりませんが…

「あ!あれってこの人の事だったんだ〜」的な感じで

思い当たっていただけたならば嬉しいです( ˙꒳˙ )ノ



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ