5.苺のケーキ
少し短いですが、キリがいいので投稿します。
返事のない第三王子をを不思議に思い、声をかけようとしたアリーシアを止めたのはアルフレッドだった。
アルフレッドもアリーシアの可愛さの余韻に浸りたかったが、それよりもすぐさまここを去る事を選んだ。
「アデルバート殿下、アリーシアは極度の緊張の連続でどうやら気分が悪くなってしまった様なので、このまま失礼しても宜しいでしょうか?」
「ん? あ、あぁ緊張している様には見えなかったけど、この状況じゃ仕方ないよね?
ごめんねアリーシア嬢…ジュリアンが怖がらせてしまって、せっかくのお茶会初デビューだったのに謝罪ばかりさせてしまって…ジュリアンには後でキツく言っておくから僕達を許してくれるかい?」
「アリーシア嬢、俺からも謝らせてくれ俺たちが付いていながら…いやむしろ俺達のせいでジュリアンがアリーシア嬢にキツく当たったんだ…ごめんな…止めれなくて…でも、もしよければこれに懲りずにさっきも話した様に、今度は城へ遊びに来てくれると嬉しい…」
「そんなっ!お二方共っわたしくしみたいな小娘に謝らないで下さいませっ!それにわたくし…」
「アリー、殿下達もこう言って下さってるんだしここで失礼しようね、早く屋敷に帰ってゆっくり休もう。
そうだ…どうせ帰り道だから王都の流行りのカフェに寄ってアリーシアの、"大好きな苺のケーキ"を買って帰ろう!アリーが好きなのは苺のケーキだもんね!」
『何故ジェイお兄様は苺のケーキを強調しているのかしら?……なんだか少し怖……えっ?帰ってもいいんですの?帰れるのなら帰りたいですわ…だったら…』
「はいジェイお兄様、それでは殿下方お言葉に甘えさせて頂きます。でもお兄様達まで一緒に宜しいのでしょうか…?」
「ああ構わないよ、本当は今日私達はジュリアンが暴走しない様に監視するつもりだったんだけど…当のジュリアンがこれじゃあね……まぁ、エドワードと一緒になんとか正気に戻すよ…おーぃジュリアンそろそろ戻っておいで〜! あ それとアリーシア嬢、次に会う時は私達の事は気軽に名前で呼んでくれていいからね!」
と第一王子殿下は第三王子殿下の顔の前でヒラヒラと振っていた手をわたくし達の方へ手を振り直しながら、その輝かんばかりの笑顔で見送って下さった…。
わたくし達の背後からは令嬢達の熱気が立ち昇ったかに感じましたがわたくしの意識は苺のケーキに飛んでしまってたので、庭園の花壇のあちこちから何かがついて来ていることに全く気付かなかったのです……。
(お友達作りを忘れてる事をアリーシアはもちろん、
兄達も忘れているのだった)
そしてジュリアンは兄達によって意識は戻ったものの、その後のお茶会は普段の彼とは別人の様に大人しく過ごしていたと、後日アリーシアの元に第一王子殿下から感謝の手紙と花束が届けられた…
『わたくし…何かしたかしら…?』
作者ははケーキならタルトが好きです。
タルト生地が好きなので、
タルトの生地だけを沢山食べたいのです(テレッ)




