47.神獣シリウスについて
本来、本日までの学園の休みを利用してのピクニックであったが、目的が変わった為、みな朝食が済んでも皆公爵家へと留まる事を余儀無くされた。
第一王子であるアデルバートが、その指揮をとり情報を一つ一つ列挙していく。
シリウス様が神獣である事は秘密とする
シリウス様とアリーシアは一心同体である
シリウス様はアリーシアとの平穏な生活を望まれている
シリウス様は心を読み会話(念話)出来る
シリウス様の力は自然の摂理、世の理を違えかねないので、力に非ずべきとする事。(機嫌が良いと乱発しそうになる…)
アリーシアとエミリーはシリウス様の加護がある
アリーシアは聖力、妖精に関する力がある(詳細不明)
アリーシアは魔物除けの草が作れる(聖力に関連)
神獣、妖精などの伝説について…
国王並びにアリーシアの母の記憶を辿る必要がある事
そもそも聖力とはどんな力でどんな影響があるのか
肉以外にお好きな物はあるのか
シリウス様のお使いになる魔法とは
シリウス様は空をお飛びになるのか
最後の方は明らかに興味本位だし、ジェイソンに至っては…魔法の事を聞きたくてずっとウズウズしているのを父親に止められている。
アデルバートが再度念を押す。
「取り急ぎまとめたけど、今後これに付随して情報も増えると思う。我々はともかく…
アリーシアの友達とはいえ、君達一般の生徒達に今回の事はあまりにも負担が大きい出来事だと思う…
でも…乗り掛かった船と思い協力してくれ、互いに大きな秘密を遵守し、私達皆でアリーシアと神獣様をお守りしよう。
私達王家が責任を持って、頑丈で安全な船を用意するから。安心して欲しい!
では、神獣様もお休みになられてる事だし、私は一旦アルと城へ帰るよ。国王も報告を待っているだろうし…
それとアドルフ、ここのネズミ捕まえたら報告して。
後の事はエドワード、ジュリアン頼んだよ?」
そう言って、去り際に私の頭をさり気無く撫でて行かれた。小さな声で"心配いらないよ"と囁かれて…。
先程のアルお兄様といい…アデルバート様といい…私を泣かせに来ている…。腕の中のシリウスをギュッと抱き締めて涙を堪えていると、お母様が…
「なんだか大変な事になって来たわね〜神獣様には何が見えてらっしゃるのかしら?高級お肉でペロッと色んな事話してくれないかしら…?」
一瞬皆"イケるかも"とよぎったがお父様に"コラッ"とやんわり注意された。それでもお母様は"一考の価値はあるはずよ"と言い残し、妖精や精霊について実家に聞いてみると部屋に戻られた。
お父様は…さて、と腰を上げ屋敷内のネズミを探すから"エミリーを一旦借りるよ"と一緒に部屋を出て行った。そのままお城に登城するらしい。
エミリーったらネズミを捕まえるのまで上手なの?と感心しながらシリウスを撫でていると…
エドワード様とジュリアン様が、"リリーどころの話じゃなくなったな…"とこぼされた…。
重い空気になりかけたが、すかさずラシュカール様が
「伝説の神獣様との契約とは…流石我々のアリーシア様ですね!いつもより神々しく感じます!
ところで、アリーシア様?朝食…まだではないですか?お茶とお菓子しか召し上がってませんよね?
私達は公爵家ご自慢の庭園を散策させて頂きますので、お腹の音が鳴る前に…しっかり召し上がって下さいね。お腹が空いてはよい考えも浮かびませんよ?
今後の事は皆でゆっくり対策致しましょう!
では皆さん参りましょうか?
ジェイソンお義兄様、アリーシア様それでは後ほど。」
「ラシュカール様……お気遣い頂きありがとうございます。…色々あり過ぎて、空腹すらも忘れておりました。
昨日といい今朝といい、今だって…、ラシュカール様には淑女らしくない所ばかりお見せしてしまっておりますが、どうぞ嫌いにならないで下さいませね。
それに、例え優秀なラシュカール様も寝不足ではお身体に障ります。決して無理はなさらないで下さい!
昨夜お兄様が無理を言ったのかしら?ただでさえ、昨日はたまたま居合わせただけでしたのに…巻き込んでしまって、申し訳ない気持ちでいっぱいなのに…
ここ…ラシュカール様の綺麗なお顔にクマが…」
そう言ってラシュカールの顔を触ろうとしたアリーシアの手を、ジュリアンがラシュカールを押し除ける事で防いだ。
引きずる様に部屋を連れ出されたラシュカールは昨日の事を、エドワードとジュリアンに根掘り葉掘り聞かれ、オリビア達とセオドアは純粋に公爵家の庭を楽しんでアリーシアが来るのを待った。
シリウスとの出会いでアリーシアの今後が気になるよー
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次回もお楽しみに!また来てくださいね〜( ˙꒳˙ )ノ




