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44.毛玉の正体とは…

少しファンタジーが出てきます。

強い光の中から現れたのは……毛の長い…猫?犬?がアリーシアの腕の中に鎮座ちんざしていた。


〈アリーシアありがとう、君のお陰で少しだけ"力"が戻った様だ…君はボクの命の恩人だから、君の力になるよ。だから、このままボクを一緒に連れて行ってくれない?アリーシア怒られちゃう?でも、もしそれが叶うなら…アリーシアの気持ちが固まってからでいいから、ボクに名前を付けて欲しいんだ…ここで待っていろと言うなら…ボク大人しく待っているからお願い…。〉


「んもうっ!誰がそのままにしますかっ!絶対このまま連れて行きます。あなたがそれを望むなら、是非このまま一緒にいましょうね!命の恩人だなんて…私はあなたを見つけただけだから、何も気にせずにいいのよ?そうね…名前は…シリウス…なんてどうかしら?私の家名と同じ意味よ、光り輝くって意味だったかしら…光の中から現れたんだもの、あなたにピッタリだわ!」


〈フフフ…ボクを連れて行く事を迷いもしないなんて…名前もすぐ考えてくれたし、本当にアリーシアは綺麗・・だね!気に入ったよ…さぁ名前を呼んでアリーシア〉


"シリウス"とアリーシアが呼んだ瞬間…また光が出て今度はアリーシアとシリウスだけが光に包まれた。




《《アリーシア、目を開けて…》》

 

 …ここは?…どこ?みんなは?…


《《大丈夫、心配しないでここは結界の中》》

 

 シリウス?あなたおっきくなってるわ…


《《うん、アリーシアがボクに名前をくれたから、

  また少し力が戻ったんだよ。》》


 そう…なの?元気になったのなら良かったわ…


《《アリーシア、ボクはね"聖獣"なんだ…そして…

  君の一心同体。 契約は交わされた》》


 聖…獣?…契約って?…シリウス?


《《ごめんアリーシア、まだ力が足りなくて…

  これ以上は無理みたいだ、いい?よく聞いて…

  ボクの事はここにいる人間以外には知られないで、

  信用出来る人間にだけ…説明して…。》》




"シリウスッッ!"


お嬢様っ!とエミリーの声がする。私はエミリーの腕の中で、皆は私達二人を囲んでいた。話を聞くと1度目の光の後…私がシリウスの名を付けた時、会話でなくシリウスの声は聞こえていなかった事、そして2度目の光に包まれたと思ったら、私が倒れていて側に少し大きくなったシリウスがいたと…皆に心配をかけてしまった…、謝罪をし、森の探索を続けたかったが…皆に一度帰るべきと強く言われ、それに従った。帰りの馬車で少し説明したかったが…私はシリウスを膝に抱いたまま眠ってしまった。夢の中でシリウスの"大丈夫"と言う声を聞いた様な気がするが…眠りから覚める事はなかった。


公爵家に着くと、家族皆揃っていた。ジェイお兄様…ごめんなさい…エミリーを叱らないで…と先にお願いした。


「全く…アリーはこんな時でも他人を優先するんだから…叱らないよ。大丈夫エミリーはちゃんとアリーを守ったと報告されてるし、僕もアリーに嫌われたくはないからね。さぁ落ち着いたら、僕達に話を聞かせてくれるね?それから君達にも話を聞くからね?あぁ…緊張しなくていいから、見たものをそのまま伝えて欲しい。」


目は覚めたはずなのに…説明をしなきゃ……


「アリーッ!」


〈心配するな…アリーシアには少し眠ってもらっただけだ…お前らは面倒だから動かぬ様…拘束した。害はないから心配はするな、アリーシアの身内なのだろう?アリーシアはここにいる者達の心配をしている。

さて、話を聞きたいのであろう?何から聞きたい、あまり時間はないから一度で理解するのだぞ…


我は聖獣であり、アリーシアと契約を結び一心同体となった。我はアリーシアより聖力を貰い力を取り戻し、アリーシアは我により加護を手にした。言うておくが我はまだ成体…完全体ではない。故にこの姿もあまり保てぬのだ…普段は先程の姿でおるから世話を頼んだぞ。あぁそれからお主が先程から心配しておる王家には話しても良い。お主らの判断に任せる、ここにいる人間はアリーシアの影響か?同じ様に綺麗・・さを持っておる様だからな。それと森で探しておった草だが…あれは、…おっ!アリーシアが目覚めそうだ…この子は聖力を使い慣れておらぬからな…しっかりと休ませてやってくれ、では頼んだぞ!それと飯は肉にしてくれ。〉


アリーシアの父、アドルフが重い口を開いた。


「ふぅ…禁止魔法か、どうやら本物らしい…聖獣とはな…アリーシアもまた桁外れのものを拾ってきたものだ…今でも夢である事を願っているが、そうはいかないだろう…。聖獣様の許可も得られている…アルフレッド、アデルバート様に報告だ!国王には私から。よいか?レベル4以上の機密として取り扱う様に。ジェイソン、お前はエドワード様とジュリアーノ様に報告を…詳細については何一つ分かっていないに等しい。先程の聖獣様の説明では…分からない事が多すぎる…聖獣とは…伝説の中の存在なのだ…今はアリーシアの腕の中の存在だが…とにかくアリーシアを休ませる、みなはこのまま報告を。状況を把握する所からだ…協力を頼む」


聖獣様からの拘束は解かれたが、公爵家に拘束された親衛隊の4人とラシュカールの5人は…公爵家よりそれぞれの家に知らせが出され、そのまま公爵家へお泊まりする事になった。事が事だけに皆腹をくくり、ピクニック計画は白日のもとさらされた。特にセオドアとラシュカールは、アリーシアがシリウスを見つけた時や光が放たれたり、包まれる時に一番側にいて見ていたから根掘り葉掘り聞かれた。エミリーを交え三人は考察し意見を出し、あとはアリーシアが目覚めてから確認をしようという事でお開きとなった(解放された)



しかしラシュカールは一応・・王族の側近という事と、内密に同行した事でジェイソンからこき使われ…早くも、赤ちゃん言葉アリーシアを脳内再生したのだった。



皆それぞれの思いと不安を胸に公爵家で眠りについた。






 

シリウスは dog starとも別名呼ばれるそうです。


以前投稿していた短編を連載にしましたので、

お時間ある方は立ち寄って頂けると嬉しいです。

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