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43.アリーシア黒い何かを拾う

本日もお立ち寄り頂きありがとうございます。


軽口かるくち叩くラシュカールに皆のキョトン顔が元に戻った時、エミリーがお茶の準備が終わった時、セオドアがいち早くサンドイッチを口に入れようと口を開けた時……


「フフフ…ラシュカール様はお優しいですね…この子も眠ってしまって、起こすのも可哀想だと思ってましたの。なので助かりますわ!ではお言葉に甘えまして…玉子のサンドイッチをお願いします」


そう言って恥ずかしそうに口を開けたのだ、アーンと…

ラシュカールは無言で吸い寄せられる様にアリーシアの口にサンドイッチを運ぶ…目をつむって口を開けて待っていたアリーシアはそのサンドイッチの味を確かめて、"ん!美味しいっ"と満面の笑顔だ…もぐもぐ、ごっくん、アーンと二口目ふたくちめの催促、ラシュカールがフラフラ〜と次を口に運ぼうとした時、バシッと払われた、パンが落ちた瞬間アリーシアは目を開け、皆の意識も"ハッ!"と戻った。どうもアリーシアの腕の中の毛玉がラシュカールの手をはたき落とした様だ、


「ああっ!ラシュカール様爪などかかり、お怪我はされてませんか?コラッ、メッ!でしょ、 ん?あらあら〜甘えたさんね〜どうちたの〜?あなたもお腹すいたのかな〜?もうおネムはいいんでちゅか〜?」


「お嬢様!……ここお部屋ではございません!外ですっお、そ、と、!早く戻って来て下さい!」


「!!!!!! え?私ったら…今もしかして……」


「はい…お体を揺らしてその黒いのを"あやして"おり…立派…な、お母さんでござました。私もお嬢様のそのお姿を久し振りに見れて、とても嬉しゅうございます。しかし先程から皆様にはいささかお時間が必要かと…」


「やってしまったわ…つい…よ、つーい。皆さんと外でこんな風にお昼を頂くってテンションが上がってしまって…ラシュカール様にも…、淑女が聞いて呆れるわね…最近ステラとルーナ達とよくやってたから…この子も寝てたし…ラシュカール様から仰って下さったのだから…いっかなって…つい…。うちの子達ぬいぐるみも可愛いいけれど…この子はこんなに可愛いんですもの…こんな…こんなの不可抗力だわ…」ション


シュンとしょんぼりするアリーシアとは対照的に周りは皆、表情も何故かツヤツヤ、テカテカしている…。そしてようやくスタートした食事を皆で楽しく、美味しく、アリーシアの"どうか忘れてくれ"に気にしなくて大丈夫ですよ、と慰めつつ…各々(おのおの)辛い時もこれを思い出せば乗り越えれる!と…心のメモリアルに刻み込んで、食事を終えた。

まだ時間はあるが、怪しげな生き物(毛玉)の事もあるし、摘み取った薬草もしなびてきたかもとカゴの中を確認すると、土に生えてる時となんら変わらずピンとして、なんなら瑞々しい…。セオドアだけがこの現象に心当たりがあったが、毛玉の子をどうするかの話題に移ったので気にしない事にした。


「アリーシア様、今は可愛らしくても今後大きくなったらどうするのですか?そもそもどんな生き物かもわからないのですよ?公爵家の皆様にお聞きした方が…」


「お嬢様、私もラシュカール様の仰る事に賛成です。」


「アリーシア様、一旦わたくし達の誰かの家でお預かりしましょうか?わたくし達の家は三家ともアリーシア様の事でしたら反対しませんわ」


「うちでもいいけど、チビ達が気に入って離さなくなるかも…危険がないならいっそ、うちで飼うか…」


「…………………………。」


「お嬢様、拗ねてもダメですよ、そもそも本日は魔物除けの草を調査される為にいらしたのでは?これから先に探しに行かれるなら、その子はここに置いていかねばなりません。連れ回す事も、この場から離す事も得策ではないからです。かと言ってその子と共に引き返すにしても一度許可を取るべきです…生き物に対する責任は軽いものではございませんよ、お分かりになりますね?」


「……分かってるわ…せっかく皆さんに集まってもらった機会ですもの…無駄だと分かっていても、もう少し探したいし、少しでも魔物除けの草についての手掛かりが欲しいわ…この子もここから離すべきではない事も理解はしているの、でも…呼ばれたのよこの子に…"誰か助けてって"…この子が何物か、何が起きたのかも分からないけど…また危険な目に遭ったらって思ったら…」


「アリー?聞こえたって?あの時走り出したのってそのせい?俺も近くにいたけど何も聞こえなかったぞ?」


「ううん、聞こえたの…だから声のする方に行ったらこの子がうろの中にいたの…だからこの子が私を呼んだんだと思うわ。」


アリーシアがはっきりとそう言い切った時、それまで腕の中で威嚇する以外じっとしていた黒い毛玉が動いた。


〈アリーシア?ボクの声…聞こえたの…?ホントに?〉


「えぇ!聞こえるわ!あなた今私の名前を呼んでくれたのね?ちゃんと聞こえるし言ってる事も分かるわ!」


その瞬間、辺りに光が放たれた。その場にいたアリーシア達は眩しさで目を開けていられず強く目を瞑った!瞬時にエミリーはアリーシアを守るべく黒い毛玉だったその何かに攻撃しようとしたが何かに弾かれてしまった。光が収まり、目が慣れ…皆が何が起きたのか確認すべくアリーシアに注目すると…そこには…



私も家で飼ってる猫様に噛みつかれても猫キックされてもニヤニヤしてしまいます。

外では岩やスーパーの袋が猫に見えてしまい、話しかけたり近づいたりする不審者です。はい。( ˙꒳˙ )ノ

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