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39.各自それぞれの次なる一手

今後投稿時間がバラけたり、一話一話の文字数が多くなると思います…。よければブックマークなどで今後もフォロー頂ければ幸いです。


大変有意義なものとなった食事会を終え、各自各々の場所へと戻った。中でもジェイソンとエドワードは早々に動いた。ジェイソンは父親と公爵家に使いを出し、先程話の中に出てきた森やその周辺。近隣の町や村にまで捜索隊を組み、魔物避けなる物の詳細を探るべく指示をし、あの時の現地の騎士の捜索や情報収集も並行して行える様にして、自分は魅了関連やアリーシアに現れるという現象の掘下げを行う事にした。


エドワードも王城にの兄達に報告し、今回の事も含めて調査が進むと…兄達が追っている貴族派に関係があった場合、かなり絞られるだろうと考えていたが…釈然としない思いもあった。リリーのアリーシアに対する執着心の強さや、怪しげな薬を探っている動機、そして自分の後ろ盾を匂わす発言など…。何か大きな企てがあるのかも知れないと、予感というか…嫌な感覚を肌で感じていた。


ジュリアン達生徒会メンバーは、学園側へ先程の新情報の一部を共有し、リリーに対する今後の対応や捜索などの方針を決めていった。と同時に魅了関連や薬草学など、学園所蔵の古い文献や…生き字引とされる教師までも引っ張り出された。


一方、アリーシア達は食事会の感想会で盛り上がっていた。新たな問題に対しての緊張感がない訳ではないのだが…それは仕方がない事であった。久しぶりなのだ…人の目を気にせず、仲間達と楽しく語り笑い合う。そんな当たり前の事をアリーシア達はずっと抑制されていたのだから…。とは言えアリーシアは覚悟した手前、解明すべき事にすべからく全力で取り組むべきだと考えていた。なのでまずは仲間達に相談をした…。


「わたくし、森に行こうと思いますの!」


「ちょっ!アリー、まぁたいきなり過ぎるよ!?ってかどこの?もしかしなくても…あの草を探すつもりなんだろ?無謀過ぎるよ!」


「あら、テディーよくわかったわね?その通りよ!お兄様には止められるでしょうから秘密にしてね、もしバレた時はエミリーも一緒だからと伝えてくれると多分大丈夫だと思うわ。…まぁ…私が森に行ったところでって事ではあるんだけれど…じっとしてられないの!」


「無理!確かに俺は君の兄さんと頻繁に会う事になったけど、あの人に隠し事なんて無理だよ。それとエミリーさんが優秀なのは知ってるけど……」


「私もお供させて下さい!だって私の家で取り扱っている物が、もしかしたら危険なものかも知れないって思うと…それに私の方で準備出来ればよかったのですが…多分次の分が入るまでは、時間がかかってししまうし、それに…あの草の事は当主になる跡継ぎでしか詳細がわからない様になっているんです…。今までは、うちみたいな力のない男爵家が扱うほんの僅かな草が、何故厳重な扱いなんだろうって思ってましだけど…食事会で経緯いきさつや効能などを聞いて納得したんです。まだ同じ物と決まった訳ではないですが…。勿論うちの父はアリーシア様が仰って下されば、家督の秘密でもなんでも話すと思います!でも…私も…アリーシア様のお役に立ちたいのですっ!だからっ少しでもその草の事を知っている私を、一緒に連れて行って欲しいのです…。」


「ミラ様…ありがとうございます…。でも…危険があるかも知れないんですよ?」


「アリーシア様、ミラ様、何故そう先走るのですか…こうなったら皆で行きましょう、わたくしとクレア様、そしてセオドアさん…勿論あなたもです。ピクニックにでも行くと称して周りを欺くのです、フフフ皆で行けばなんとやらですわ!アリーシア様、どうかこのわたくしをカモフラージュ役としてお連れ下さいませ!クレア様?貴女はどうなさいます?」


「もうっ、オリビア様ずるいですわ!わたくしより先に仰ってしまうなんて!…えぇ、えぇ勿論、ご一緒させていただきます。アリーシア様に断られても付いて行きますので、何かお手伝い出来る事があれば、なんでもお申し付け下さい!領地を上げてご期待に沿うと誓いますので…どうかわたくしもお供に…」


「うわぁ…皆さん重いですって。てか…オリビア様…欺くってハッキリ言っちゃってますよ…そして俺も森に行くのは決定なのですか?…オリビア様って見かけによらず結構強引な方なのですね…いやっ、行きますよ勿論。アリーは言い出したら聞かないからなぁ…でもそんな簡単に行くかなぁ…不発に終わる可能性の方が…」


「その時はその時で、ピクニックを楽しんだと思えばよいのです。それだと不発だっただなんて思わないでしょう?セオドアさん、結果や失敗ばかりを気にしていては、大胆な発想は出来ませんことよ! ね?アリーシア様っ、そうですわよね!」


「フフフ、素敵…オリビア様の仰る通りだわ、ピクニック…とってもいいアイデアだと思います!皆様ありがとうございます。わたくし本当に心強いです…だって今ならなんだって出来そうなんですもの!ミラ様もクレア様のお気持ちも本当に嬉しいのですっ!それからテディー…、私もね、あなたに付いて来て欲しいの。ね、お願い…。」コテン、ウルッ、ジッ…


「あーあーっもうっ!わかったからっその顔やめろっ!

お前の兄さん達みたいに、おっ俺まで何でも言う事聞くと思ったら…ダ、ダメなんだぞ」


「え?…テディーはいつも優しいわ!ステラやルーナ達と同じ様に、私の言う事も聞いてくれて、二人がいない時は私の事を否定せずに優先してくれているもの。お兄様達とはまた違った頼り甲斐っていうのかしら?…だからつい甘えてしまうの…迷惑だったかしら?…」ウルルルルル


「だぁーっ!!大丈夫っ!全っ然っオッケーです!全くダメじゃありませんっ!俺も一緒に行きますっっ!」


「うんっありがとう!とっても嬉しい、私…不謹慎かもしれないけれど…みんなとお出掛け出来るなんて楽しみっ!セオドアやみんなのお陰だわっ!」二パーーッ


教室に戻って来たアリーシア達一行が、以前の様に楽しげに話していて、そこに平民のセオドアが加わり、メンバー達と気安く話し、名前で呼び合っている…周囲の生徒達は何事かと様子を伺っていた。その為…殆どの生徒がアリーシアの"必殺満面純真無垢笑顔"を直視してしまったのだ…不可避であった…。


「だから…めっちゃキラキラしてんだって…」(物理)


セオドアはそう呟き、他に見えてる者はいないかと周りを見渡すが…アリーシアの攻撃でやられてるだけで、驚いてる素振りの生徒はいなかった…ただ…教室の隅々まで浄化されたかの如く空気が綺麗になった。セオドアには本当にそう見えたのであった…。







そろそろオリビアの生い立ちにも触れていきます。

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