表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

35/105

35.新たなる問題、そして召集

本日も朝からの投稿です。


朝の夜の二本投稿がコンスタントに出来る様頑張ります





「アリーシアっ!大丈夫かっ!何があった!」


ジュリアンとラシュカール、そして教師が数名駆け付けた。誰かが呼びに走ってくれたのだろう、二人とも珍しく取り乱した様子でアリーシアの様子を確認し、そして周囲も大事に至っていないことに安堵したジュリアンは、事態を把握する為…近くにいて事のあらまし、詳細がわかる生徒達を別室へ集め、そして他の生徒達の体調や様子を気遣いながら、問題ない生徒達は教室に戻る様に指示を出した。教師はリリーを探したが、すぐには見つける事が出来なかった。

生徒達の証言からも、あわや大惨事になりかねない状況であった事や、公爵令嬢であるアリーシアに対する態度や発言などが明らかになっていった。

その日の内に、ジュリアンや公爵家は勿論…今回は学園も動いた。しかし当事者であるアリーシアが厳罰を求めなかった為、学園はリリー本人と両親への厳重注意の上、10日間の停学謹慎処分を決定した。公爵家は子爵家へ、直接的な圧だけに留める事にした。

その矢先…夜に子爵家より学園へ問い合わせがあった。"娘のリリーが学園から帰っていない"と…。


翌日、学園関係者は対応に追われた。処罰の対象者であるリリーが、一夜にして…行方不明の捜索対象者となったからだ。これにはこの件の関係者全員が困惑した……一部の人間にしか通達されなかったが、本人がまだ若い少女である事と、その経緯いきさつ経緯いきさつであった為、自暴自棄におちいった可能性があると考えられた……。こうしてリリーは…昨日さくじつから一転して保護の対象となったのだ。



アリーシアは翌日公爵家へ迎えに来たジュリアンにより、リリーの事を聞いた…心配なのは勿論だが、複雑でもあった…。最後に見たリリーの、あの表情と怒りに燃える赤い瞳が、鮮明に思い出される…。"まさかリリーが?"と思う気持ちを抱えながらも"無事でいてくれ"と願いつつ、ジュリアンと詳細や今後の事を話して学園へ向かった。


学園内は別段変わった所はなく、昨日の事を知っている人達に心配されるぐらいで、アリーシアも普段と変わらず午前の授業を受けた。いや…変わった所もあった、ここしばらく、学年が別とはいえ、リリーの目を気にして一人でしょんぼりと行動していたので、親友達と食事が出来るのも久しぶりであった。リリーが学園へ来ていない理由が、手放しで喜べる事情ではないのだが……。

昨日の事とリリーの事を共有すべく、オリビア、クレア、ミラ、そこへセオドアが加わり食堂の個室へ向かっていると、ラシュカールが呼びに来た。聞くと、ジュリアンが食事をする為の部屋を用意しているので、出来れば皆で来て欲しいと。アリーシア以外、特にセオドアは足をすくませ辞退しようとするも…ラシュカールから"君は必ず来る様に"と逃げ場を塞がれた。着いていくと食堂の個室ではなく、会議室の様な所にジュリアンだけでなく…生徒会のメンバー…そしてなんと、ジェイソンとエドワードまで揃っていた…。これにはアリーシアも驚き、挨拶もそこそこに兄へ詰め寄ろうとすると…それよりも早くエドワードから抱き締められた…

急な束縛感と暗闇に、アリーシアは自分の身に何が起こったのか分からず…反応出来ずにいると、ジェイソンとラシュカールによって救出された。明るさは取り戻せたが、同時にエドワードに抱きしめられていた事に気付いた為、何も言えず顔を覆って俯いた。ちなみにアリーシア以外は一歩も動けていなかった。


「アリー、急にごめんね…僕は反対したんだけどね、エドが自分もアリー達から直接話を聞くと言って、僕の話を聞かないんだ…なかなかこのメンバーと人数を集める事は難しいから学園での昼食会って事になって…、食事は準備出来たんだけど、君達も授業中だったから事前連絡が出来なかったんだ…みんなもすまないね、急に呼び出したりして。ここで食事をしながらでいいから…昨日の事とか、アリーの普段の様子とか授業中の様子とか、色々聞かせてくれると助かるんだけど…予定とかは大丈夫かな?」


誰も『NO』とは言えず、しれっとアリーシアの普段の様子を聞き出そうとしている事もつっこめず…

こうして総勢12名の食事会という名の事情聴取……?もとい…『アリーシアを囲む会』がスタートした。


ちなみに…女性陣の脳内

『キャーッ! ジェイソン セイリオス様だわ高等部魔法科首席、生徒会長、流石アリーシア様の兄君っ!ご尊顔眩しゅうございます!そしてそしてエドワード サリヴァン第二王子殿下…姿絵でさえも厳しい表情で、とても無口とされていらっしゃるのに…アリーシア様を見つめるその眼差しのなんとお優しい事っ!レア度MAXっ!このお二方をこんなに近くで拝見出来、お食事だなんて…貴重過ぎて…食事が喉を通りませんわー』


…セオドアの脳内

『俺……おわた…。』


ジュリアンの脳内

『アリーシアとの貴重な食事の時間が…兄上め…その上アリーシアを、あっあっあの様に抱きしめるなど…』


ラシュカールの脳内

『この様に大掛かりな口実を作ってまでアリーシア様に執着されるとは…先程もアリーシア様に飛び付いていたし…エドワード殿下は間違いなく“黒“ですね…。』


生徒会メンバー庶務&補佐・書記・会計、計三名の脳内

『やっぱりね…オニユリ報告会だけで、こんなとこで食事なんて有り得ないものな…。あぁ…セイリオス公爵令嬢と仲の良いあの男の子、ついに召喚されたかぁ可哀想に…魂抜けかけてるんじゃない?天然人たらしvs無自覚人たらし…ワクワク、ワクワク』


ジェイソンの脳内

『エドのやつ…普段は"学園では王族特権は使わない"のスタンスなのに、会議室も食事の準備もゴリ押しするし…しかもっ、どさくさ紛れにアリーに抱きつきやがって!後でめっちゃ仕事振ってやるっ。』


と、それぞれの思惑を胸に…緊張漂う食事会が始まるのであった…。







生徒会メンバー、モブ三人衆は三名とも優秀な男性です

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ