31.ラシュカール囚われる(捕らわれる)
読んで頂きありがとうございます。
今後のアリーシアも是非応援して下さい。
アリーシアは個室での昼食を終え、ラシュカールと共にジュリアンのいる生徒会室に来た、ラシュカールに続き部屋に入ろうとすると、ジュリアンの罵声が飛んできた
「ラスカルっお前、昼を買うのにどれだけ時間かかってるんだ!どこで寄り道をしていたんだ!」
「ジュリアン様、申し訳ございません、最優先事項が発生した為…やむなくです。しかし…お土産をお連れ致しましたよ、さっどうぞアリーシア様。」
「ジュリアン様、お忙しい所お邪魔してしまい…もしかして…お昼まだでしたか?あの…宜しければこちら召し上がって下さい…わたくしの手作りなんですの、…それと、ラシュカール様はわたくし達の相談に乗って頂いていたのです、ジュリアン様がお待ちと知らず…引き留めてしまい申し訳ございません。なのであまり叱らないであげて下さいね…。」
「ラスカルに相談?なぜ俺に言ってこない?そして何故ラスカルを庇うのだ!」
「ジュリアン様っ!私が割り込んだのです、アリーシア様とお友達の皆様がいらっしゃる所に。アリーシア様はジュリアン様に相談されるべく、ここに来られる予定でした、手作りのクッキーをお待ちしてです!空腹な上に私が先に相談された事が面白くないのはわかりますが、頂いたクッキーのお礼も言えず、アリーシア様を責めるのであれば…そのクッキー取り上げますよ?…えぇそうしましょう!悲しいかな、私はクッキーを頂いておりませんので、ジュリアン様の…」
「やらんっ!アリーシア!すまない!責めているわけではないんだ…クッキー…ありがとう。手作りなのだな、食べるのが勿体無いが…腹が減っているので早速食べてもいいか?大事に食べるから…俺にも話を聞かせてくれるか?」
「ではお茶をお淹れしますね、それと…アリーシア様はこれから、高等科のジェイソンお義兄様の所へご用がございますので私がお供して参ります。戻ってからご報告致しますので、ジュリアン様はクッキーを召し上がってお待ち下さい。そしてアリーシア様、どうかジュリアン様に悪女風にこの旨をもう一度お伝え願えますか?練習だと思って…」
「…わかりました…(サッ、ラスカルステップを置く)
わたくしのクッキーを食べた王子の反応が気になりますが、生憎とわたくし忙しいんですの。これから…貴方様の側近であるラスカルを侍らせて、お兄様の所まで行かなくてはなりませんので、ごめんあそばせ。あぁ詳細はラスカルにて報告させますから、どうぞよしなに…貴方様はこちらで、甘い物が苦手なジュリアン様用に別で作った特別なクッキーでも食べて、お待ちになって!」
パチパチパチパチパチパチ!
「アリーシア様っ素晴らしいですね!今後私の事は先程の様に"ラスカル"と、お呼び下さい。この不肖ラスカル喜んでどこまでもお供…侍らせて頂きます。なんならそのまま侍り、従うアリーシア様の侍従に…いや従僕になりとうございます!」
「ジュリアン様如何でしたか?わたくし悪女でした?
…………………
(どうしたのかしら?お返事がないわ…)
ではジュリアン様、失礼致します。お兄様の所へ参りましたら、ラシュカール様はすぐにお返し致しますので…
あと…こちら甘いクッキーです、ラシュカール様も生徒会の皆様と召し上がって下さい」
いつものようにフリーズしたジュリアンをそのままに
高等科の生徒会室にラシュカールと向かった。部屋に
入るとジェイソンに抱きしめられ頭をグリグリされた
アリーシアは髪を直しながらエドワードに挨拶をして、クッキーを渡す。久し振りなので少しドキドキしながら
「エドワード様はナッツがお好きでしたのでナッツ入りです、お兄様は私の大好きな猫ちゃんの形です。お二人ともお忙しいのにわたくしの事でご心配おかけしてしまって…申し訳ございません。それで…お兄様にお聞きかと思いますが、わたくしが悪女になって皆様に嫌われてしまえば皆様の評判に傷をつける事なく、カーター様の思惑通りとなり被害も少なく済むのではないかと思ったのですが…いかがでしょう?」
「アリーシア、久し振りに会えて嬉しいよ!触れてもいいか?クッキーも俺の好みに合わせてくれたんだな、ありがたく頂くよ。それで…アリーシアの提案だが、ジェイとも話し合ったんだ…ところで悪女とは?」
「アリー、まずはクッキーありがとう。とても可愛い特別なクッキーだね、お茶の時間が楽しみになったよ。
それと…僕も初耳な単語があった様に思うんだが…悪女になるとは?説明してくれるかな?」
「…わかりました…(サッ、ラスカルステップを置く)
お二人とも…無闇に触れないで下さらない?わたくしを誰だと思ってらっしゃるのかしら?(ファサー、アリー
髪をかきあげる)あなた方は黙ってわたくしの言う事を聞いていればいいのです!わかったのならば返事をなさいっ、そして誓うのです…二度とわたくしと王子の前に姿を現さないとっ!」ビシィー、キリッ
パチパチパチパチパチパチ!
「アリーシア様!髪をかきあげる仕草っ、イイッ、すごくイイですよ!痺れましたっ!」
「うん、ちょっとラシュカール黙ろうか…エド、悪いけどアリーシアを教室まで送ってくれる?あとジュリアン様にラシュカールを少し借りると伝えてくれ。それと…アリー、悪女は禁止します。帰りは必ず一緒の馬車で帰る事、いいね?帰ってからエミリーにもキッチリ話を聞くから…さて、ラシュカール君…話を聞こうか?」
エドワードと共に教室まで戻る間…エドワードに何度も悪女の仕草をリクエストされた。ラシュカールと別れ…ステップがない為、アリーシアは爪先立ちになり、よろけては嬉しそうなエドワードに支えられた。その為今度ヒールの高い靴を準備しようと…先程兄に禁止された事を忘れて、エドワードの要求に素直に応える悪女なのであった…。
ラシュカールはアリーシアの魅力に囚われ、
その結果ジェイソンに捕らわれてしまいましたとさ…
※侍従➖側にいて仕事や身の回りのお世話をする人
従僕➖少し身分が低く、召使いに近い




