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27.少女達の作戦会議 withエミリー

アリーシア守り隊、見守り隊、愛で隊、崇め隊、親衛隊

色々あるようです( ˙꒳˙ )ノ

アリーシアが学園に戻って来た!

色々あって半月以上休んでいたがようやく登校出来た。


「ご心配おかけしました、お手紙もお花もありがとうございます。お礼がしたいので今度屋敷に遊びに来てくださいね!」


親衛隊の三人は元気になったアリーシアに安心した。そして、これまではどんなに誘われても遠慮して公爵家への訪問は避けていたが、そうは言っていられない…

アリーシアの誘いを有難く受けて、日取りを決めた。

作戦を練るためだ、だが純粋に楽しみでもあったので

その日はすぐにやってきた。


よく晴れた日、公爵家へ馬車が次々に到着する。迎えるべく公爵家の使用人達と家族が出揃う…男爵家のミラは人生で一番緊張していた…すると伯爵家のオリビアが自分も変わらず緊張していると話した事で、三人は幾分か落ち着き玄関ホールで挨拶を交わす。

吹き抜けの高さ、調度品の質、屋敷全体の重厚さ…集まった使用人達の数も品の良さもまさに…この国唯一無二公爵家、その歴史もさることながら…空間自体が高貴で煌びやかなのだ。ミラは挨拶の為息を吸い込んだが、空気が違うわ…と意識が飛びそうになっていた。そこを子爵家のクレアが支え、一番爵位が上である伯爵家のオリビアが代表して挨拶をした。するとアリーシアの両親は


「フフフ、やっと会えたわね、アリーといつも仲良くしてくれてありがとう。いつも貴女達の話を聞いてるのよ、今日はゆっくりしていってね!時間があればわたくしともお話しましょうね、あと食事で食べれない物とかはないかしら?あれば遠慮なく言ってね?それとこの人の事は気にしないで、気難しくも機嫌が悪い訳でもないから、可愛い貴女達に緊張してるだけなのよ。」


「よく来てくれた、ゆっくり楽しんで行って欲しい。」


アリーシアの両親と別れアリーシアが恥ずかしそうに、

初めてのお友達が初めて家に来てくれたのを、両親も喜んでいると教えてくれた。こんな風に歓迎してくれるなら遠慮なんてせずに、もっと早く訪れていればよかったと三人は思った。が、アリーシアの私室に着いて意識がまた飛びそうになる…。


「「「  ここは天国かしら?… 」」」


可愛いが溢れている…

こう言ってはなんだが…アリーシアは落ち着いた雰囲気で、冷静で表情もさほど動かない。公爵閣下に似ているのだろうと、これは三人共通の認識だった…そのアリーシアの私室が…広い広いベッドをぬいぐるみが占領し、大きめの飾り棚には小さな家?が並んでいる。備え付けの棚は、小さなお友達の洋服や小物が所狭しと並んでおりソファーのクッションは可愛い猫の顔の形をしている…。


「子供っぽいでしょう?でも好きなの…」

オリビア

「アリーシア様っ!オールオッケーですわ!素晴らしいユートピアです、あのっ、はしたないかもですが…興奮してしまって…色々見せて頂いてよろしいですかっ?」

クレア

「アリーシア様あのっあの小さな家が気になるのですが…あちらはどの様な目的のお家なのですか?」

ミラ

「アリーシア様ぁっ!このクッションの可愛さは何ですか?えー待ってください、ベッドの上の子達の大きさがっ!しかもこの造形は神です!」


「良かった…、でも皆様ならそう言って下さると…思ってました。フフ、気になるのがありましたら、私の侍女のエミリーも詳しいので何でも聞いてくださいね。」


この方達は、学園でご一緒だからアリーシア様の耐性があるのだわ…良かった。先程のはにかみながらの"好きなの…"発言といい…ドヤ顔アリーシア様なんて…同性の壁も越えかねない、危険だわ…とこの空間で一人違う所に意識を持っていかれていたエミリーであった。


三人はしばし、当初の目的を忘れアリーシアの趣味を一緒に堪能した。エミリーが絶妙のタイミングで紅茶を淹れてくれたので本題に入る事にした…打ち合わせもやってきたし、準備もしてきた。ただ…本人に告げるとなると緊張する…この優しく可愛らしい方は傷つかないだろうか?不安に押し潰されないだろうか?気鬱の種は蒔かず、秘密裏に処理出来ないだろうか…散々話し合ったのに言い淀んでしまう…。三人の雰囲気が変わったのを敏感に気付いたアリーシアが声をかけた。


「私が学園を休んでいた間…何か変わった事がございましたか?教えて頂けると助かるのですが…何か言い難い事でしょうか?聞かない方が…?」


「いいえっアリーシア様、聞いて下さいますか?…アリーシア様のご負担にならないか不安があるのですが…」


「わたくし達話し合ったのです…アリーシア様にお話するかどうか迷いました…。」


「アリーシア様、元々は爵位の低い私がターゲットになったのです、お二人はそんな私を見かねて…お力を貸して下さっているのです…。」


「ミラ様…何が…まさか嫌がらせか何かでしょうか?…………私の大事なお友達を悩ませ、ミラ様には涙を流させるだなんて、わたくし…怒っています!

それと、皆様よくぞお話し下さいました。私だけ知らないなんて悲しいですわ、私は貴女方に何があろうと決して手を離す事は致しません、必ず守ります!ですから安心してわたくしにも頼って下さいませっ」フンスッ


「「「 アリーシア様っ! 」」」

  「 お嬢様っ ! 」



三人はアリーシアの自分達に対する迷いなき宣言に感動し、エミリーは普段の気弱なアリーシアの勇姿(ふんす顔)に感動していた。



しかし蓋を開けてみると、事の発端はアリーシアで、自分が標的であった事を知り、私が守られていたのね…と啖呵切って守る宣言した事を恥ずかしそうに謝った。


そして話の全貌を把握したエミリーは、第一段階というリリーの発言と、セイリオス公爵家を軽視した様な文脈から、すぐさま報告し頼る事をアリーシアに進言した。

それを受けたアリーシアは、少し思案して"エドワード様に…"と言いかけたのを、


「お嬢様、お伝えする順番はとても慎重にお考え下さい。この場合の最適解はジェイソン様です、まずご家族であり、学園でもお力のあるジェイソン様、その次に初等科生徒会長のジュリアーノ殿下、次にエドワード殿下です。そして一番大事なのは、必ず皆様にお嬢様が直接お話される事です。皆様、みみざとい方々なので情報の共有は早いかと思われます。しかし人伝で情報を入手されるのと、お嬢様より直接頼られるのでは…それはもう、天と地ほどの差がございますので…お忘れなき様お願い致します。」


アリーシア以外の三人は、誰に相談すべきか悩んでたので、エミリーの迫力ある説得に関心した。そしてオリビアがおすおずとエミリーに話しかける。


「あの、エミリーさん…わたくし達、アデルバート殿下と、アリーシア様の上のお兄様アルフレッド様がまだご在学中に、アリーシア様を頼むと、"何かあれば必ず自分に相談する様"にと仰って頂いておりましたの…この場合、もうご卒業されてますが、王城まで取り次いだ方が

いいかしら?…」


「左様でございますね……直接お言葉を頂いた皆様が悩まれるのは当然でございますが、今回の件はアルフレッド様よりお耳に入れて頂きましょう。お嬢様はジェイソン様、アルフレッド様、と別々にご報告下さい。よろしいですか?以前の幼い頃の様に面倒がらずに、お一人ずつきちんとお話しして下さいね。そしてアルフレッド様にはアデルバート殿下に遠慮した旨を伝えて頂くと宜しいかと。」


「私のエミリーが優秀なのは認めますけど、今の一言は余計だったわっ、もう面倒くさがったりしないものっ」


アリーシアの

意外な一面と頬を膨らませる仕草に悶える三人と

"私の"発言に悶えるエミリーであった…。


心なしか、飾られた花瓶の花も瑞々しくツヤツヤだった







アリーシアは

自分の母親とエミリーが急接近して二人で何やらコソコソ楽しんでいるのを知って危機感を持ってるのかも…

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