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23.エドワード暴走する

文字や言葉の言い回しなど…

ゲシュタルト崩壊恐怖症です

様々な要素により、心も身体も軽くなったアリーシアにようやく家族からの通学許可が出た。久し振りの学園に多少の不安を感じながら朝の支度をして屋敷を出ると、そこに王家の馬車が待ち構えていた。これまで、ジュリアンとは一緒に登校する事もあった。なので、タイミングの良さに驚きはしたが…ジュリアンが久し振りの登校に合わせて来てくれたのだろうと、その心遣いを嬉しく思いながら向かうと、ジュリアンとエドワードが馬車から降りてきた。


『ぇえっ?何故エドワード様まで?』


「アリーシア、迎えに来たぞ!兄上が一緒なのは不本意だが…一緒に行こう」


「ジュリアン様、エドワード様、おはようございます。お忙しい中わざわざありがとうございます。少し不安でしたので嬉しいです。」


「全く…僕が一緒に行くから来なくていいって言ったのに…そもそも対応が速すぎるんだよ…今朝だぞ。アリーシアの為にゆっくり時間をとったのがあだとなったか…」


「ジェイ?何をブツブツ言っている?あぁそんな事より、アリーシアおはよう、今朝の調子は悪くないか?」


「はい、お気遣いありがとうございます。お兄様や皆様のお陰もあり元気になりました。」


エドワードは、自然なエスコートで馬車に乗るのに手を引いてくれる。二人に会うのは久し振りなので照れてしまう…どちらともあの後手紙のやり取りはあったし、エドワードには謝罪もした。…なのに真向かいに座る二人に見られてると思うと…何故かソワソワしてしまう。きっと久し振りの学園に緊張しているのだと言い聞かせる。


「アリーシア、兄上やジェイ達にも聞いただろうが、学園でアリーシアに関する、根も葉もない事実無根の噂が一部出ていた…しかしそのは一掃している。そしてリリー カーターとは、俺達もお前の兄達も何一つ関わり合いはないから、間違っても根拠の無い噂に惑わされる事がない様に、特に俺との婚約の話は絶対にない!だから決して誤解はしないでくれ…アリーシアにだけは誤解されたくないんだ、何故なら俺は……」


「はいはいはい!ジュリアン様っ、それよりもその女、リリー カーターは処分まで持っていけたの?しっかり追い詰めてる?一応そちらの生徒会に任せてますけど、甘い処分になるぐらいなら…うちが直接子爵家ごとやっちゃいますよ?」(フフリ…)


「お兄様!ジュリアン様がお話しているのにっ!ジュリアン様、兄が申し訳ございません…。…………

………あの…わたくし事ですがよろしいでしょうか?…

噂の事なのですが、わたくしの耳に直接届いた訳でもないですし…皆様の迅速な対応のお陰で噂による被害もありません。ただ…、お手紙でもお聞きしましたが、生徒会の皆様にもご迷惑とお手数をおかけしたみたいで申し訳なく感じております…。ですが、カーター様とお兄様達や皆様との件も、否定して頂いたのでそこは…とても安心致しました…。ですので…あの方の処分について、わたくしの意見も聞いて下さると仰って下さいましたが、もし根拠薄弱の状態であるのならば…わたくしは大丈夫ですので、きちんと調査を行なって下さいませ。その上での判断をお願い致します。処分に関しましては学園のルールや、皆様の常識ある判断にお任せ致します。お兄様も、宜しいですね?  

その……わたくしの事を思って下さるのは有り難いのですが、感情的な介入となると…お二人は勿論、ジェイお兄様含め…お三方とも、学園でなくとも責任や地位のある方達なのです、中には羨望ではなくねたそねみの感情に左右されたり、己のひがみから正常な判断が出来ない方など…全く居ないとは言えないのですから、どの方面からも決して瑕疵かしなどつけられません様、お気を付け頂きたいのです…。ご心配をお掛けしてるわたくしが申し上げる事ではないのですが……」


「「「 アリー(シア)! 」」」


「なんていい子なんだっ!アリー、お兄様は生徒会長として恥ずかしく無い行動をとる事を誓うぞっ!僕達の事まで心配してくれてありがとう。アリーは何も心配せずに学園を楽しむんだよ、何かあれば高等科にすぐに来るんだよ?」


「アリーシア、俺もお前達の生徒会長として常に襟を正し行動すると誓う!被害者でありながら、冷静に俺達の事まで気にかけるとは…あ前にかけられる心配ならいくらでも構わない!これは生徒会メンバーの総意だっ。」


「アリーシア…ジェイやジュリアンの言う通りだ…

常に周りに気を配る事が出来るのは、君の美徳であるし、とても素晴らしい事だ。だがな?俺達は、お前の憂いを晴らす為なら自分達にキズが付こうと構わないし、気にもしない。それはな…俺達の意志・・であり、大切なお前を"守る"という、決して揺らぐ事のない"誓い"なのだと覚えていて欲しいんだ…いいな?」


何も言えず…私が一つ頷くと"いい子だ"と笑顔を返して下さるエドワード様…三人がかけてくれる言葉や気持ちがとても、とても嬉しい…

淑女らしからぬ…と、わかってはいるが…物凄く目をギュッとつむって顔中をしかめたい。喉も鼻もギュッとなる、音が聞こえてしまったんじゃなかろうかと思うほど…奥の方まで痛くなる。握りしめた手で胸を叩かないと鼓動が速くて苦しい…余程変な顔になったのだろう…


「フッ…どうした?レモンを直接かじった様な顔になってるぞ?フフ、フッ…そんな顔でも、可愛い顔が台無しとならない所がさすがアリーシアだな!ハハハッ」


「 ッ!レ、レモンを直接、か…かじった事などございませんっ!……もうっもうっエドワード様ったら…」


王家の狭くはない馬車の中…


笑いを堪えきれず無邪気に声を出して笑うエドワードと

眉に皺を寄せ真っ赤な頬を膨らませるアリーシア。

エドワードの輝かんばかりの笑顔を直視出来ないアリーシアが"むぅっ"となったまま、プイッと顔を背けた。


「フゥ…笑ってしまってすまないアリーシア、機嫌を直してこちらを見てくれ、じゃないと今度は俺が、アリーシアの…その瑞々しいさくらんぼのように可愛らしい唇を齧ってしまうぞ?いいのか?」


「 ッ!ぃぃっいい、わけがっ!ごございませんっ!」


「よかった、こっちを向いてくれたな。むくれた横顔もいいが、久し振りのアリーシアなんだ…せめて馬車の中だけでもずっと顔を見ていたい…」


「ストーーーーップ!!エド…すまないが馬車を公爵家へ戻してくれ…」


ジェイソンに支えられたアリーシアは案の定…気を失っていた。明らかなキャパオーバー…。


最初のエドワードの破顔して笑う姿があまりにも衝撃的だったジュリアンとジェイソンは驚きで、その後も続くエドワードの甘さに理解が追い付かず、何事か?と…反応が遅れてしまった。


ジュリアンは自分が目にしたものが信じられず…

ジェイソンは甘やかすの意味が違うんだよ…と呟いた


結局学園復帰とならず公爵家へ舞い戻ったアリーシアは知恵熱にうなされ、その事を知った(ジェイ情報込み)公爵家の人間に、エドワードはアリーシア接近禁止令が出されるのであった……





甘やかす宣言をしたエドワードは、マ◯オのスター状態

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