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21.ジェイソンやらかす

ジェイソンさん若干早口です



「いいんだね?…エドの為にもハッキリと言うよ?

あのさ…アリーシアの事なんだけど、妹として見れないのなら今後、必要以上に君から近付く事はやめてくれないかな?例え成り行きや、アリーからの要望であったとしても、決して先日みたいに…二人きりで会う事はやめてほしいんだ。エドもだろうけど…これからは俺も忙しくなるんだ、騎士団に魔法師団、魔法具の事…その上今年は生徒会も忙しい。父上やアル兄さんを確保するのも、すぐには難しいしね…その上、ジュリアンやあのラシュカールも気が抜けない。要するに、こちらの事情としては君にまで手が回らないんだ。それにエドに本気を出されると一番厄介そうだしね。全く…一番"無い"と思ってたのに…。まぁ、うちのアリーにコロッといっちゃうのは仕方ないけどさぁ……きっとこの前…泣き顔を見てなんだろう?王子なのにそんなチョロくて大丈夫?いやっアリーの泣き顔が特別なのはわかってるよ、でも"女の涙"は気をつけろって父上も言ってたし…あの人も若い頃から人気あって、根が真面目だから未だによくそれで騙されそうになるんだって、外見が恐くて取っ付きにくいから情にうったえてくるんだろうね…母上なんか「女の涙は水道の蛇口と思え」って兄上にも言ってたよ…流すのも止めるのも、自由自在なんだってさ、勿論アリーは違う!アリーの涙は純度100%の宝石だっ!そもそもアリーは滅多に涙を流さない…そんな貴重な涙を他所よその男に見られたかと思うと……………。

まぁいい…最初で最後だろうからね。

とにかく…俺達もさすがにそろそろ婚約を考えないとだろう?だから早目にアリーの事は諦めて、他の令嬢(の涙には気を付けて)に目を向けろって事を言いたいんだっ!」


「ちょっ、ちょっと待て…待ってくれ。」


ジェイは何を言ってるんだ?…いや…こいつはたまに、早口と言うか…アリーシアや魔法関係の事、好きな事を語る時は物凄く饒舌じょうぜつになる。普段はおっとりしている雰囲気を出してるから余計に迫力を感じる…それはわかっている…わかってはいるが、内容だっ会話の内容が、意味?がわからない…というか理解が追いつかない。ホントちょっと待ってくれ…、自分の事でさえも理解に苦しんでいるのに…勘弁してくれ…


「ジェイ…お前の言い分に返事をする前に、お前に聞きたい事があるんだ…お前は俺の事を、今の俺自身よりもわかっているみたいだ…だからこそこたえてほしい…。お前から見た俺はどうなっている?いや、何が変わったんだ?変化を感じたからお前も牽制?しているのだろう?俺も自分がおかしくなったのではと落ち着かないんだ…頼む、教えてくれっ。」


「は?…おい、、、待て…もしかして…いやぁ…あれだけ態度に出してるのに?まさかね、そんなはずは…うーん、でもエドだし……有り得なくも無くはない?…えっ?て事は俺…すっごい余計な事を?………」


「おいっ、ジェイどうした?何故うずくまる?俺に伝える真実はそんなに深刻な状態なのか?」


「だ、大丈夫だ…よ。エドすまないが…僕が言った事は一旦全部忘れてほしいんだ、いや…勝手を言ってるよね、でも頼む…なんならアリーに関する所から全部…そして、君の事だったね…君の感じているそれ(・・

)はさぁ…"気のせい"なんじゃないかな?きっとそうだと思うなっ!それと君は全く何も変わってない、だから決して気にせず…気にしなくていいと思うよ。(ニッコリ)

そうそうアリーの事も噂の事も僕や初等科の生徒会でなんとかするから、エドはアデルバート様の補佐を頑張って!ねっ?」


………………一気に胡散臭い…何か企んでいるのか?…そもそもが普段のこいつは笑顔を使い分けているし、自分をと言ってる時は要注意だ…幼い頃からの付き合いでお互いの事は良く知っている。その俺の第六感が告げている…胡散臭い笑顔に騙されるなと。

なんだ?何を警戒してる?……とりあえず…


「ああ、そうだな…俺が気にし過ぎたのかもしれない。しばらくは兄上の執務の手伝いに集中させてもらおう。ジェイも忙しくなるのに本当に大丈夫なのか?アリーシアので事は相談された事もあるし、引き続き噂の事も俺が手を貸した方がよくないか?」


「いやいやいやいやっ!大丈夫!俺、忙しくない!これ以上アリーの事でエドの手を煩わせる訳にはいかない、

本当に大丈夫だから、気にしないでいいから」


「ジェイ?…さては、俺をアリーシアに近づけたくないんだな?

それは…なんでだ?確かに俺と話した事でアリーシアを泣かせてしまった事は事実だが、俺なりに…これまで以上に守りたいと思ったんだ。なんというか…抱きしめた時にとても愛おしく思えて…お前達が話してる事をようやく実感したんだ!妹への思いとは…こんなにも胸を締め付けられるのかと…。だからな心配するな、これからは俺もお前達みたいに、アリーシアを全力で甘やかそうと思っている!全力で力を貸すぞ!」


エドワードは曇りなきまなこで宣言したのであった。

それとは対照的に

ジェイソンは死んだ魚の目でエドワードではなく遠くを見つめていた。










ジェイソンは普段だったら冷静沈着に処理していきますが、エドワード相手で動揺してしまってます。

腹黒の天敵は純粋なんでしょう…

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