プロローグ ➖4➖
紅は、本日も国のために戦争に駆り出されていた。
日本のとある土地で戦っている紅の姿がある。
辺りは荒廃していて、建物は全て崩壊して荒野のように化している。
紅はたった一人、P.Aを装着してバイクのLANDに跨り高速でその荒野を移動していた。
それから紅の前方に現れたのは、敵国の最新武器が装備された人型ロボット兵器だった。
中にはパイロットとなる人が乗っていて、一台が全高3メートルほどだが、古人からすれば夢に描いたかのような戦争兵器である。
その人型兵器を、紅が確認した限りで十台以上が存在した。
紅はそんな兵器達に、単独で真っ向に向かっていった。
「あいつ、一人で来やがったぞ!撃てー!」
そんな指揮官であるパイロットの掛け声がその兵器全体にかかり、ミサイルやら銃弾が紅ただ一人に目掛けて放たれた。
発射されたコンマ数秒の僅かな時間、紅は即座に脳に送られた情報から判断して身体が動き、LANDを操縦してそのミサイルや銃撃をも華麗に躱した。
そのミサイルの軌道とスピードを避けることは、紅とLANDには容易なことであった。
「何ぃ!?撃て!当てろ!これだけの数がいるんだ!敵は一人、勝機はある!」
紅に向けて撃たれた銃弾や爆風は当たってはいるものの、P.Aを着た紅の身体、そしてRANDにも損傷が一つもなかった。
敵国の最新鋭兵器、残弾は沢山仕込まれていて、それに兵器としての威力も相当に高い。
無数に撃ち続けられる攻撃に、流石に回避するのが困難となり、そして一発のミサイルが紅に直撃して爆発を起こした。
「やっ、やったぞ!」
敵側の指揮官は歓喜していた時、それは一瞬にしてぬか喜びになった。
爆風が収まってから、そこを先ほどと同じスピードで走っているLANDと紅の姿があった。まるで無傷な様子だった。
「な、なにぃ!?」
紅はハンドルにあるボタンの一つ押すと、LANDの右側から中が開き、そこから片手に持てるサイズの剣が一本出てきた。それを取ると、LANDはまた元の状態に戻った。
内蔵されていたその機械製で作られている剣を一本手にして、そして紅は敵陣のその人型兵器の群れに向かっていった───。
───それから、たったの数分でその戦闘は終わった。その一瞬だけである。
…周りの人型兵器は全て破壊され、粉々に散っていた。
そう、全てはこの紅が一人で破壊したのだ。
紅はその光景を見ながらメットの奥で何の変哲もない無の表情をしていた。
紅の前にある、倒れた一台の人型兵器の中から、死に体で降りて出てきたのは指揮官の兵士だった。その死に際に紅の顔を見て最後にこう呟いてその男は朽ち果てた。
「こ…これが噂の…超兵器…そして、それを扱う人間…い、いや化け…物」