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プロローグ ➖2➖

 実験を行った被験者は10人、いずれも優れた兵士の人間だった。

 しかし、その負荷に耐えられず息絶える者もいた。


 ───それから、適性を得るまでに訓練を受け、最後まで生き残れたのはたったの3人のみだった。

 これも合意の上で始めたことなので、研究者一同や他の兵士も仕方ないことだと受け入れていた。

 

 ただ、そんな実験を終えた後の身体を得たとしても、不死身の人間と呼ぶには程遠かった。致命傷を負えばそこで終わりなのだ。


 そこで、その研究施設では特殊武装スーツも完成させていたのだ。

 そのスーツ、P.A(プロテクト・アーマー)は、肘と膝、胴の箇所に特別な電子信号を送るプロテクターを付け、特殊な機械製のシューズ、そして頭にはメットを被り、それに付いているスイッチ押すことで、フルフェイスで顔を覆うようにバイザーが被さり、そして一瞬で体の周りに黒いウェットスーツにも似た薄い着物に体が覆われる。

 そのスーツには特殊な鋼鉄の成分が使用されているのだ。重くもなく、柔らかな素材で動きやすい素材になっている。

 これを装着していれば、どんな衝撃にも耐えうることができるのだ。

 銃で撃たれたところで貫通することはない、爆風などにも耐えられる超素材なのである。相当なダメージでもない限りそのスーツには損傷はないのだ。

 

 そのP.Aのプロテクターは人体の全神経や細胞などをそれと同調させるものだった。これにより身体が脳処理速度よりも早く反応して動けるようになるのだ。より完全なる強化人間になれることになる。


 …そのP.Aを使用するには全神経をそれに同調されるので、体に莫大な負荷がかかるのだ。

 それに、P.Aを着ていても痛みは軽減させることができない。損傷はないものの、内部でのダメージは残ることになる。


 そんな痛みに常人には耐えられことはできない。一般市民がこれを着ても結局は意味がなく、それに量産できる余裕もなかった。

 なので、仕方なくこれを戦闘用として使用することになったのだ。それで、適正者としてその3人が抜擢されたのだ。


 その特殊スーツP.Aや、この強化人間化の設計データは既に抹消されている。

 その計画を存続させるにはあまりにも人の犠牲や予算がかかり過ぎてしまうためだった。誰かの手に渡ってしまうくらいならば抹消した方がいいとの判断だった。

 特別な実験をしていると言う情報が漏れ、他の国に技術が流出しないようにとのことで、一切の痕跡も消してある。

 もうどこにも情報は残っておらず、P.Aを扱える人間はその3人のみなのである。


 これで良かったのかと言われることもあったが、研究者の何名かは、また別の人類生存への糸口を見つけつつあったいう噂もあったとか…。

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