プロローグ ➖1➖
西暦2XXX年、世界は混迷を極めていた。
膨大な技術進歩や産業の発展により、文明は大きく進展した。
その影響の裏で、技術力や資源を求めて争いが起こってしまった。
それは徐々に世界各地へと拡大していき、紛れもない世界大戦になってしまったのだ。
幾度となく歴史で紛争が起こっていたが、ここまで壮大で、そして壮絶な争いは初めてのことだ。
その戦争が始まってから10年以上もの月日が経過しても尚、世界ではその戦が収まる気配もない状態が続いていた。
これまでに開発されていた兵器、それは破壊力が凄まじい物ばかりだった。爆撃の一撃にしても、その場一体の建築物は一掃されてしまうほどのものだ。
その脅威は、戦いに参加していない民間人達をも巻き込んでしまうのだった。
そんな民間人が被害を受けないように建設されたのは、頑丈な外壁の中にある地下施設だった。
しかし、兵器にも沢山の種類があり、超強毒ウイルス兵器も開発されていたのだ。
それが使用されてから、世界各地で感染が拡大していった。感染力が高く、その効力は感染してから程なくして死に至らせるほどのものだった。治療薬すらも存在が確認されていないのだ。
それは、その地下施設にまで蔓延するまで至り、戦争に出向かない一般市民までが息絶えていく始末になった。
かつて70億いた世界の人口は、現在ではその一割程度しか生き残っていなかったのだ。未だ消息不明の人間も数知れず。新しい命が生まれる隙もなく、死人が只々増えるのみだった。
それでもなんとか生きていく人々もいるが、このままでは国どころか世界が滅びる可能性もあった…。
人類が滅亡するまでのカウントダウンは始まろうかとしていた。
───そんな時、戦争に参加していた日本だったが、戦力は乏しかった。敵国に押され気味で、ほぼ壊滅状態になっていた。
しかし、日本の一部の研究者達はある一つの考えに至った。
兵器で勝てないのなら人間自体を強化すればいいのだと。
この計画は、当初はただ死なない人間を作るための実験だったのだ。これは戦争に打ち勝つのではなく、種の生存をかけた計画だったのだ。
しかし、そう簡単に実験が成功することはなかった。
だが、その実験の過程で不死身と言っても過言ではないほどになれるまでの能力を持った人間を作ることは可能だった。
その実験と言うのは、ほぼ一日中電撃の拷問にも似た苦痛に耐えさせられ、特殊な薬品を投与され、そして毎日特別な訓練を受けるのである。
実験に成功した人間は、あらゆる感覚が研ぎ澄まされて、並外れた身体能力を得ることができたのだ。
身体の治癒力の即効性、ウイルスや病気に罹る心配もないほどの肉体になっているのだ。
だが、その実験の副作用で身体に欠陥が出る者もいた。