節分
今年は二月二日が節分です。
より厳密に言えば、立春を含む日の前日が春の節分になります。節分そのものは四季の終わりに存在します。
二十四節気で季節を表す太陰太陽暦では、冬至を基点として暦を調節します。
太陰太陽暦の一ヶ月は月の朔望が基準ですから、太陽の公転とは日数が大幅にズレます。そこで節気を設けることで季節を固定し、生活や農作業に役立てました。
おおよそ半月間で一つの節気となりますので、気候変化に合わせた生活を送ることができます。
立春前の節分は、一年間の穢れを払う日でもありました。
当初は「土牛童子」という牛を牽く童子の像を作って宮城の門に立てて、寒を送る儀式を行っていました。
更に穢れを払うのに「追儺」という儀式を奈良時代から行っていたのですが、室町時代ぐらいからこの二つが混同されて、煎り豆を撒いて鬼を払う様式に変化します。
「鬼は外、福は内」との掛け声も室町時代には確立されていました。
こうして払った邪鬼を更に念入りに払うのが「落とし玉」です。
炒り豆と小銭を共に包んで道端に落とし、それを他人に拾わせることで厄落とししていました。
小銭は年の数を包んだそうですが、いつしか身近な人々へ現金を渡す「お年玉」に変化しています。
今年は武漢肺炎という鬼を払う必要がありますので、まずはウイルスを持ち込む鬼を外へ追い出さなければなりません。