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属性魔法術式と神聖魔法術式。

 屋敷に帰るとお母様に挨拶をして、夕食とお風呂それに明日の予習を済ませるともう空はだいぶ暗くなっていた。

 ベッドに入る前に、師匠から借りた本を取り出してページを開いた。


 最初のページは子供でも解るようにイラスト付で、まるで絵本みたいだった。

 ページ数も子供向けに少なくなっている。

 とりあえず開いて呼んでみることにした。


「えっと……魔法には大きく分けて2種類あります。自分の力で使える魔法が、属性魔法術式。それぞれの神様の力を借りる魔法が神聖魔法術式といいます」


 たしかゲーム中では、属性魔法と神聖魔法としかされていなかったけど、正式名称があったことに驚いた。

 もしかしてゲーム中になかっただけで、攻略本とか設定資料集には載っていたのかもしれない。


「その中でほとんどの人が使える属性魔法術式には6属性あり、火・水・土・風・光・闇がすべての基本になっています」


 これはゲーム中でも基本で、たしかゲームヒロインは全ての属性に適正があったんだっけ。

 それでキャラを攻略するために、目当てのキャラと同じ属性レベル上げ、それに知力・感性・品性・体力をある程度上げないとイベントが発生しなくて攻略できなかった記憶がある。


 そうそう、それで隠しパラメーターの信仰心を上げると神聖術のレベルが上がって、聖女ルートに入れるんだった。

 そのためにゲーム中は神殿にこまめに通って、信仰心をあげてたっけ。


 次のページをめくると、今度は神官っぽい絵が描かれていた。


「神聖魔法術式は、誰でも使えるということではありません。神さまとの相性があり、神さまに感謝の心をもって気に入ってもらわなければなりません」


 え、相性?そういえばゲーム中のヒロインは、後半で神殿から天啓の知らせがあったっけ……あれが、光の神さまに気に入られたってこと?

 あのイベントが起こると聖女ルート確定で、神殿で修行することになるのよね。

 その時に出てくるキャラがミレで、色々と神殿の案内や説明をしてくれたっけ。


「神さまは、自分を敬い信じてくれる人を好きになります。そして自分の好みの相手も好きになります」


 好みの相手ってことは……神さまにも好き嫌いがあるってこと?

 つまり自分を信仰してくれる人も好きだけど、自分好みの人間にも恩恵をあげるってこと?


 だからゲームヒロインは、神から気に入られ天啓を受けた聖女ということになるんだと思う。


 さらにページをめくると、今度は属性魔法術式のページだった。


「属性魔法術式は属性魔法と呼ばれます。子供の頃は属性が安定しませんが、成長とともに属性がはっきりとします。だいたいは15歳で決まります」


 そういえば、学園に入るのは15歳だったっけ。

 つまり15歳で安定したころに、属性魔法を学園で習うことになる。

 

「属性魔法には、それぞれに相性があり水の使い手なら火が苦手、火なら風、風なら土、水なら土が苦手となっています」


 これならなんとなく解るから、そこまで難しくない。

 

「光と闇属性については、それぞれ互いに干渉しあうので力の強い方が優位になります」


 強い方が優位ってことは……つまり闇落ちしないために、光属性を極めろってことかな。

 さらにページをめくると、今度は神聖術のページだった。


「神聖魔法術式は、神聖術と呼ばれています。こちらは神への信仰心の強さ、または神さまにどれくらい愛されているかで力が決まります」


 絵本のような入門書は、ここで終わっていた。

 かなりイラストが多くて解りやすいけど、文字数が圧倒的に短かい。

 まあ、幼児向けだしこれで十分かと思うけど……少し物足りない。

 また師匠から借りれば良いかなと考えた。


 喉が少し渇いたので、台所に飲み物を貰いに部屋から出た。


「お嬢さま、まだ起きていたのですか?」


 廊下で声をかけられて驚いて振り向くと、メイドのイライザが立っていた。

 茶色の髪を1つに纏めて、意志の強そうな茶色の瞳は少しキツめに見える。

 たしか最近入ったばっかりの年の近いメイドだったから、なんとなく覚えていた。


「イライザ……少し眠れなくて。それで飲み物を取りに来たの」

「成長期なのですから、夜はしっかり寝てくださいませ」


 イライザは疲れたようにため息をつくと、肩を下ろした。


「それは解っているけど……イライザは、まだ仕事中だったの?」

「明日の朝の準備をして、これから寝るところでございます」

「そう。邪魔してしまってごめんなさいね。私もすぐに寝るから」


 イライザと別れると、台所までいって紅茶を自分で淹れて部屋まで戻った。


 たしかお風呂の片づけが終わると、メイドたちのその日の仕事は終了って話を聞いたことがあるんだけど……こんな遅くまで仕事をしているなんて、イライザはかなりの仕事熱心なんだろうかと思った。



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