22話 大和とその親友? の巻
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「よし、組手はこれまでだ。
1分持つことができたのはこのクラスでは5人か…上々だ。
だが1分耐えれなかった生徒たちも別に悲観することはない。
この反省を生かして次につなげればよい。
残りの時間を使って今回の反省点をまとめて私に提出しろ。
自分で思っている箇所と私が感じた点に差異がないか確認をしたい」
「そして今回堪え切れた“宍道” “山川” “若草” “玉造” “屋那”の5人は良ければ皆に自分なりのコツを説明してやるといい。
人に説明するのは自分の技の理解にもつながるし損はないはずだ。
皆も同級生に教わることを恥と思わず、自分より優れている部分は素直に相手を認め、教えを乞うなり盗むなりしてでも自分のものにするべきだ。
つまらないプライドこそが自身の成長の妨げになると知りなさい」
聡里の号令でそれぞれ皆が思い思いに行動する。
一人で反省するもの、
友達とお互いの動きを確認しあうもの、
耐えきった5人の誰かに話を聞きに行くもの
大和もある一人の女の子に話を聞きに行くべく行動を起こしかけたが、不意に先日も絡まれた山川流に話かけられる。
「宍道大和くーん、君も1分間耐えきれたなんて。
流石僕の親友だ~僕も鼻が高いよ」
「ちょっと待て!
誰が誰の親友だって?」
いきなり突拍子もないことを言い出した流を思わず睨みつける。
「おやおや、何を言っているんだい?
昨日の帰り際に一花さんと二葉さんに大和君をよろしくと頼まれたじゃないか~
あの二人に頼まれたことを蔑ろにしては出雲がほこる“山川”の名が泣くよ。
と、言うわけで今日から僕は君の親友というわけさ~」
(なーにが親友というわけだっ!
俺をダシにして一花ちゃんと二葉ちゃんとお近づきになりたいだけだろうが……
その魂胆が透けて見えるぜ……が)
「とにかく今はお前と話している時間はないんだ。
お前じゃなくて少し話をしたい奴がいる」
強引に話を切り上げ流から離れると目当ての子に向かって歩みを進める。
……が少し歩いたところで数人の男女に話しかけられてしまった。
「し、宍道君。ちょっと聞いてもいいかな?」
「俺も聞きたい!いいか?」
確かに自分も耐えきった一人であった。
こうなることも想像できたはずなのに自分が聞きたいばっかりで自分が聞かれることをすっかり失念していた。
「…あ…」
そうこうしているうちに目当ての子も皆に取り囲まれ質問攻めにあっている。
どうやら今日は無理そうだ、また後日機会があるときに聞いてみよう。
そう自分を納得させた大和は一人ずつ丁寧に受け答えをするのであった。
~山川 流~
大和と同じ1年弐組の男子生徒。出雲国が誇る三大名家のうちの一つ“山川”の息子。
名家にありがちな坊ちゃん体質でかなりの勘違い発言が多い。
が、体術のテストを耐えきるなど一応実力は決して低くはないと思われる。
同じく三大名家の一つ“宍道一花と二葉”に対し好意を抱いていると思われる。
(残りの一つは“若草”である)




