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一番強くなるために必要な○○なこと  作者: ○○やろう
第三章 入学
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21話 大和、貝原先生と戯れ? の巻

こうして始まった体術授業であったが聡里はやはり強かった。

皆30秒も経たないうちに急所に一撃を入れられ次々と交代していく。

そして自分の順番が回ってきた。


「次、宍道!」


「はい、お願いします」


身に沁みついた富士山流の体術で応戦するべく腰を落とし半身で構える。

それは流麗さと重厚さが同居したような美しい構えであった。


その所作で聡里も感じ取るところがあったのであろう、ニヤリと口角を上げると、いきなり接近し大和の顔面目掛けて廻し蹴りを放つ。


その廻し蹴りを最小限のバックステップでかわしたが次の瞬間、その蹴りの回転を利用した後ろ廻し蹴りが再び顔面を襲い掛かってきた。


(流石っ!だけどーーー)


…が体術には多少の自信がある。


父に稽古してもらっていた時のことを思えばこの追撃も予想の範疇である。

その廻し蹴りに合わせて自身も腰を深く落としながら回転し、逆に聡里の軸足を刈りにいく。


「!!」


聡里はまさか反撃がくるとは思っていなかったのであろう。

少し驚きの表情を浮かべるもすぐさま軸足に力を入れ跳躍し、大和の足払いをかわす。


「やるな、宍道!だがまだ終わりじゃないぞ!!」


跳躍して崩れた体勢を無理やり空中で整えた聡里は、そのまましゃがみこんでいる大和に向かい踵落としを繰り出す。


しかしそれも予想の範疇だったため慌てることなく前回りを行いその攻撃の範囲外へと脱出し、そのまま素早く構えを取る。


「ほう、体捌きは中々のものだな。

…だがこれならどうだ?」


三連撃をかわされた聡里であったがその表情は嬉々としている。

気合をいれ、再び大和に接近したと思うと今度は大和の左足に狙いを定めて素早く蹴りを放つ。


(ち、いきなりの急所狙いをやめてまずは俺の足を止めにきたか。

かといってこれに意識を集中しすぎると本命の一撃が顔面あたりに飛んでくるんだろうな)


この蹴りをあえて躱すことはせず、膝の角度を蹴りに対し垂直に向けることで聡里の蹴りをけん制する。


「!?」


このまま直撃すれば聡里の足も無事ですまないことを悟ったのであろう。


膝にあたる直前急激に蹴りの勢いは弱められたのか、左膝に当たる衝撃はあまりにも軽い。

一瞬意識が下に向いたその次の瞬間、顔面目掛けて先ほどの蹴りとは比べ物にならないくらい鋭い正拳突きが飛んできた。


(…くっ、予想通りと言いたいところだけど予想以上に鋭い…!

だが、それでも……)


“ドンッ”


大和の顔面に聡里の突きが見舞われた。


と誰もが思ったが、後ずさりしていたのは聡里の方であった。


「ふぅ~何とか間に合った…

先生、これで1分経ちましたよね。もう終わりでもよろしいでしょうか?」


「くっくっく。もちろん。

宍道大和といったな。

おまえの歳でその体術の域に達するのは相応の努力が必要だったろう。

誇っていいぞ。だがそれに満足することなくまだまだ精進を続けなさい」


大和は聡里の突きに対して、死の森における猪神との一戦で得た刹那の見切りとそれを併用した攻防一体の頂肘撃“廻し独楽”を咄嗟に繰り出していた。(震脚までは流石に併用しなかったが…)


だが聡里も流石に教師としての面目躍如といったところか、初見なら確実に捉えることのできるはずの肘打ちを直撃することなく見事防いでいた。


「…はい、ありがとうございます…」


「よし、次だ!」


大和は一礼し下がる。


いくら本気を出していないとはいえいきなり教師と互角以上の体術を見せた大和に対し、周りは少なからずざわつく。


が初めての授業であることも影響したのであろう、誰も大和に話しかけようとせず遠巻きに見るだけであった。


大和もそんな状態にほっと安堵し、ほかの生徒の体術の観察に集中する。


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