20話 大和、初授業 の巻
~1限目 格闘術 体術~
“キーンコーンカーンコーン”
「それでは昨日の予告通りに今日から授業を行う。
まずは基本となる体術と武器術、その次に魔術の基礎を学んでもらう。
特に体術は自分の身を守る基本的な術になる。
これを疎かにしては他の術もすべて頭打ちになってしまうと思いなさい。
この体術という土台がしっかりしてこそ武器術や魔術がより輝くというものなのです」
朝礼の挨拶が終わり、聡里が手短に今後の方針を説明する。
やはりそれ相応の実力を持った先生なのであろう、その言葉には歴戦の強者が発するような重みがあった。
「それでは動きやすい格好に着替えて5分後に外に集合するように」
「「「「はい!」」」」
(体術か…体術だけは昔からやりこんでいたから多少自信はあるけど…
これに魔術を組み合わされる段階になると一気にみんなと形勢が逆転するんだ。
先生は体術が土台だって言ってたけど、結局魔術の強さに比べたら体術の強さなんて雲泥の差があるよな)
魔術のセンスがなく、そのため幾度も苦汁を飲まされてきた大和だからこそ、この聡里の言葉を素直に聞くことができなかったのであろう。
所詮体術を極めても魔術ができない限り“強く”はなれないのだと…
暗い感情が心の大部分を占めた大和ではあったが、指示通りに慣れ親しんだ修行着へと着替え、外へと向かったのであった。
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「よし、皆そろったな。
皆も知っている通り我が出雲高校は座学よりも実戦形式を主として指導している。
勿論理屈も説明するが、それを頭だけで理解するのではなく、同時に体で操れるように訓練していく。
そのためにも実戦形式の授業に重きを置いている。
今日も早速体術の授業を始めたいと思うが、内容は私の攻撃に対してまず自分の急所を守る訓練を行う。
この場の設定は自身の魔力が尽き、武器もない丸腰の状態で一人の敵兵に見つかり、この場合の敵兵とは私のことだが、1分間耐えしのぐというものだ。
1分経てば増援がきて助かる。
そんなシチュエーションでの戦闘訓練を行う。
今日はまず自分のやり方でいい。
1分間私からの攻撃をさばききって見せろ。
急所に一撃を入れられたらその時点で次のものに交代だ。
分かったか?」
聡里から簡単な授業内容の説明が行われるとみな興奮を隠しきれず色めき立つ。
「よし、分かったのなら出席番号順で行くぞ。
はじめは赤松からだ!」
「は、はい。
お、お願いします」




