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1話 森の王者?誕生 の巻
おぎゃ~
おぎゃ~
時刻は真夜中ー
月明かりもない漆黒の森の中で--
赤子の泣き声がこだまする---
どこからきたのか、
誰の子供か、
答えるもの誰もおらず、
ただ、ただ、泣き声がこだまする---
この大陸を埋め尽かさんばかりのこの森は決して人間の生息を許さない。
獣の、獣による、獣のための“獣の楽園”。
その楽園に突如現れた赤子。
その泣き声に呼び寄せられ、その肉体、魂までも喰らわんと集まる千姿万態な獣の群れ。
漆黒の森の中で光り輝くのは獣達の眼光と、赤子の首に纏う一筋の光のみ。
食欲の本能のままに、群がる獣たちは我先にとその光る首筋へと牙をむく。
群がる獣の数が10を越え始めたあたりから赤子の泣き声は止んでいった……………