憑、執着
わたしね、あなたのことを待ってるの。
カレンダーも そのままで
カーテンは しめたままで
時計は 今日を繰り返している。
「十二月二十五日、十八時
わたしの家で待ち合わせ」
カレンダーにも手帳にも刻んであるそれを
今日も、今日も繰り返している。
まだ、夜は明けていない。
きっと、あなたは来てくれる。
今日という日に
今日、という日に
今日沸かしたはずのお茶はもう
死んでいるんじゃないかってほど
冷めているけど
あなたは来てくれる、よね。
錆び付いたドアを開けてくれる、よね。
わたしね、あなたのことを待ってるから……
忘れることも必要だと思う。